花粉症にかかりやすい人・かかりにくい人について、医療法人よつば会 松永耳鼻咽喉科の院長 松永 一博 先生にお話をお伺いしました。
本当に花粉症にかかっている方が受診を控えてしまった場合は、当然のことですが症状が治まらず生活に支障をきたすことになります。QOL(生活の質)が落ちてしまうわけです。また、鼻水が出ているだけでもコロナに感染している場合もあります。「自分は花粉症だ」と思い込んで受診しなかったため、知らない間に他の人に感染していたというケースがあるかもしれません。
大きく分けて、遺伝的な要素と環境的な要素の2つが考えられます。遺伝的な要素としてですが、ご両親(片方・両方)にアレルギーがある場合は子供さんにアレルギーの体質が遺伝しますので、発症する可能性があります。必ずしも発症するというわけではないのですが、他の人よりは可能性が高くなります。もう一つの環境的な要素ですが、こちらは遺伝的な要素より大きいと言われています。不摂生な生活、睡眠不足、過度のストレスなどです。それから排ガス等の大気汚染も要素としてあげられますが、一般的に都市部の方が花粉症の患者さんが多いためではないかと言われています。
季節性アレルギーとは、スギやヒノキ、イネ科の植物など季節に関連するものによるアレルギーのことで、通年性アレルギーとは、ダニやハウスダストなど季節に関係なく起こるアレルギーのことです。症状に違いはありませんが、季節性であればその季節が終わればそれなりに治まっていきますが、通年性の場合はずっと続くので、症状がひどい人にとっては大変辛いと思います。
スギが最も多く、花粉症の約4割の方がスギ花粉にアレルギー反応を起こします。ただ、スギだけでなく、ヒノキやブタクサ、イネ科など複数の植物にアレルギー反応を起こす方も多くいらっしゃいます。
喘息の持病がある方や、アトピー性皮膚炎の方は花粉症を併発する場合があります。喘息の方については、約7割の方が花粉症にかかると言われています。アレルギーというのは、体の中でおこる反応ですので、それが鼻に出ればアレルギー性鼻炎、胸に出れば喘息、皮膚に出ればアトピー性皮膚炎となります。ですからアレルギー自体は体のどこにでも出る可能性があるわけです。
昔はアレルギー性鼻炎と言えば「大人がかかる病気」だったのですが、最近の傾向としては乳幼児の患者さんが増えており、低年齢化していると言われています。はっきりとは言えませんが、主に日本食から、ファーストフードや、冷凍食品などを摂取するようになった食事の変化が原因の一つかもしれません。
――――――本日はありがとうございました。
お話を伺った先生:松永 一博 先生(医療法人よつば会 松永耳鼻咽喉科・大阪市天王寺区)
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