2023年シーズンは、スギ・ヒノキ花粉の飛散量が過去3年間で最大と言われ、子供の花粉症も増加しました。
子供の花粉症について、はしもと内科クリニックの院長 橋本 泰佑 先生にお話をお伺いしました。
花粉の飛散量増加に伴い、花粉に暴露(※)されやすく、暴露量が多いと花粉症を発症しやすくなります。大人から子供まで、花粉症の方は増え続けていて、特に子供の花粉症の発症は最近若年化してきています。
※さらされること
早ければ1歳半頃から発症するとも言われていますが、割合は少なく、5歳ごろから発症する方が多いです。
子供の症状も大人と変わりません。いわゆる鼻水、鼻詰まり、くしゃみの「三大症状」と他に目や鼻のかゆみが見られます。ただ、小さいお子さんだとなかなか自分で症状を訴えることができないので、目や鼻をかゆがっている様子はないか、保護者の方が注意して見てあげると良いでしょう。
似たような症状だと風邪が考えられますが、花粉症との違いは“かゆみ”を伴うということだと思いますので、頻繁に目や鼻をかいているようであれば、受診された方がよいのではないでしょうか。風邪であれば1〜2週間ほどで治ることが多く、鼻水も色が付きドロドロしていることが多いです。3週間以上症状が続いていたり、鼻水が透明でサラサラの場合は花粉症の可能性がありますので、受診していただけたらと思います。
まずは問診で花粉症の疑いがあれば、それぞれの花粉に対する「特異的IgE抗体検査(※) 」を行ったり、鼻水を採取して調べる「鼻汁好酸球検査」を行います。これらの検査で陽性となれば花粉症と診断します。例えば、春に症状がひどくなる場合はスギ・ヒノキ・ハンノキ、夏であればカモガヤ・オオアワガエリ、秋であればブタクサ・ヨモギなど、季節によって原因となる花粉は異なりますので、問診から原因花粉を予測し、血液検査で1つずつそれらの花粉に対する特異的IgEを調べます。
※特異的IgE抗体検査とは、血液中にさまざまなアレルゲン(原因物質)に対する固有のIgE抗の有無を調べる検査です。IgE抗体は、アレルゲンが体に入ってから比較的短時間で症状が出る“即時型アレルギー反応”を引き起こす抗体のことです。これは主に食物アレルギーや花粉症の発症に関係していると考えられています。
当院で行っている治療は2つあり、薬物療法とアレルゲン免疫療法になります。薬物療法では、症状に合わせて点鼻薬や点眼薬、抗ヒスタミン薬などの飲み薬を処方し、症状を抑えます。アレルゲン免疫療法は概ね5歳以上のお子さんから実施できますが、スギ花粉症を治すことが可能な「舌下免疫療法」を行っています。
大人も同じですが、
といった対策が必要だと思います。とにかく、体を花粉に暴露させないことですね。
――――――本日はありがとうございました。
お話を伺った先生:橋本 泰佑 先生(はしもと内科クリニック・大阪府豊中市)
【専門医・資格等】
https://hashimoto-naika.com/
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