今年は、昨年の猛暑の影響で、スギ花粉の飛散量が激増しています。
花粉症の人にとっては、特につらいこの時期を乗り越えるにはどうしたらよいのか…花粉症の気になる質問を、尼崎市塚口本町の「耳鼻咽喉科 あらいクリニック」 院長の新井 昇治先生にお伺いしました。
花粉症とは簡単にいえば、花粉の侵入に対する体の過敏反応です。
人は基本的に、花粉などの異物に対して防御する力(免疫)が備わっています。春になると花粉飛散量が多くなり、この免疫が過敏・過剰に働くことがあります。
そんな時に花粉の侵入を防ごうという働きで、鼻水やくしゃみ、涙などの症状が起こります。
また睡眠不足などにより体内のバランスが崩れている方、排気ガスなどの大気汚染が深刻な都会に住んでいる方は、花粉症の方が多い傾向にあります。
その結果、体内へ花粉の侵入を防ごうと、鼻水や涙やくしゃみが出ます。
耳鼻科の特徴としては鼻の洗浄などの処置が行える点、眼科の特徴は目の炎症などが見てもらえる点でしょう。
特に鼻やのど症状が強い場合は耳鼻咽喉科へ、目の症状が強い場合は眼科を受診してください。
血液検査、鼻汁検査などで花粉症かどうかがわかります。
一般的に、花粉シーズンに鼻の症状に加えて目やのどのかゆみを伴っている場合は花粉症の可能性が高いといえます。
現在の花粉症治療はお薬による治療が中心です。
他にはレーザー治療、手術、減感作療法など多くの選択肢があります。
治療法にはそれぞれプラス面やマイナス面があり、ご自身にあった治療法を見つけることが重要です。
第一には、マスクやメガネの着用によりできる限り花粉を避けることです。衛生上、マスクは使いきりタイプのもので、しっかり鼻まで覆ってください。
また毎年花粉に悩まれている場合などは、予防的に花粉が飛び始める2週間前から抗アレルギー薬を飲み始めることで花粉症の緩和が期待できます。
花粉症は自然に治る割合は非常に低いといわれていますが、治療法の中には完治可能といわれている方法もあります。
たとえば減感作療法という治療法は、花粉のエキスを少量ずつ体内に取り込むことにより、花粉に対する免疫を作ります。現在この方法は注射によるものが主流ですが、新しい減感作療法としてパンのかけらに花粉のエキスをしみこませて口の中に含むといった方法が研究されています。
現在は花粉症に対して、予防的な投薬やレーザー、手術など多くの治療法がありご自身に適した治療法を見つければ比較的に快適に過ごせると思います。
特に鼻づまりなどの鼻の症状がひどい場合などは、アレルギー性鼻炎レーザー治療を試されると良いと思います。10分程度の外来手術で、アレルギー反応を起こす下鼻甲介の粘膜の表面を焼いて、鼻の通りをよくします。すべての方に適応するわけではありませんが、7~8割の方に改善が見られる治療法です。
――――――本日はありがとうございました。
お話を伺った先生:新井 昇治 先生(耳鼻咽喉科 あらいクリニック)
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