インフルエンザの予防接種について、医療法人社団 江原内科クリニックの院長 江原 重幸 先生にお話しを伺いました。
インフルエンザは他の随伴症状を伴わずに高い発熱が出るというのが違いです。
普通の風邪は細菌感染を主体としたものなので、のどの炎症によって発熱するなど他の随伴症状を伴い、発熱します。
一方のインフルエンザは他の随伴症状を伴わずに高熱が先行して発生します。
発熱に伴って頭痛が出てくる場合もありますが、あくまで先行するのは発熱です。
予防接種を受けるのが一番効果的です。
それ以外では雑多な集団の中に極力行かないことです。
マスクは隙間から空気が入るので、効果的と思わない方が良いです。マスクエチケットで周囲からの印象は良いと思いますが。
お医者さんの所に行くことが先決です。
先に高い発熱があるので、その状態での受診はつらいと思いますが、やはりまず受診して下さい。
インフルエンザには特効薬がありますが、その有効期限は初発から48時間以内です。早く受診しないと特効薬を飲む機会を逃してしまいます。まず受診してインフルエンザか普通の風邪かどうかを確認して、インフルエンザならばすぐに特効薬を飲むことが大事です。
発症から6-10時間など早い段階では判断がつかない場合もありますが、待つかどうかも含めて、まず受診をお願いします。
ノイラミニダーゼ(Neuraminidase)というインフルエンザの増殖を抑える有効な薬があります。これはウイルスを直接殺すのではなく、ウイルスの増殖を抑える薬で、その間にウイルスが寿命を迎えて死ぬという流れです。ウイルスは増殖が出来ず、次世代が生まれないため、時間が経てば症状は収まります。
増殖を抑えている間も最初に入ったウイルスは悪さをし続けるので回復に少々時間がかかります。ウイルスが増殖する前に短い時間で終焉させるのが一番です。
ワクチンは大体4-5か月くらいが有効な期間です。基本的に一年は持たないので、昨年予防接種を受けていても今の時期は免疫が維持できていないでしょう。
また、インフルエンザの流行は毎年変わり、昨年の流行と異なる場合もあります。今年の流行を公的機関が発表しているので、やはり今年用のワクチンを打つ必要があります。
基本的に10月からワクチン接種は解禁になります。すぐに接種しても良いとは思いますが、子供は12月、大人は1月が主な感染時期です。予防接種は接種後、約1ヶ月で有効になるので、感染時期の1ヶ月前倒しで子供でしたら11月、大人は12月までにはワクチンを受けておく必要があります。
局所的に注射を打った部分が赤くはれることがあります。激しく腫れる、激しく痛むということはありませんが、少し腫れる、少し痛むというのは、異物を体内に入れるので起こるかもれません。
ワクチン接種は異物を入れて免疫反応を起こさせるので、免疫反応が旺盛な人、反応が特異的な人は当日発熱することもあるので、接種当日は安静にしてください。
また、予防接種で脳神経の脱髄をきたすという報告が以前ありました。
ポリオ、はしか、麻疹等の予防接種を打って予防接種の副作用として脳神経の脱髄をきたし、予防接種の信頼感が揺らいだ時期もありましたが、今はほぼ改善されていると思います。過去にこのような事例があったことは知っておき、こういう性質のある人は先にお医者さんに相談すべきでしょう。
接種当日は激しい運動、飲酒などは避けてください。
発熱など何かあった時は「大丈夫だろう」と考えて放置せずに、予防接種を受けた医院へ受診してください。
――――――本日はありがとうございました。
お話を伺った先生:江原 重幸 先生(医療法人社団 江原内科クリニック・神戸市長田区)
【略歴】
【所属】
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