歯を磨く目的は、歯や歯ぐきを悪くする細菌を取り除くことです。
口の中には、たくさんの細菌が住んでいますが、虫歯の原因菌は、
群れをなして歯の表面にまとわりつきます。
硬いものを食べたり、舌や頬の粘膜でこすれることでもきれいになりますが、厄介なのは歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目です。一見、ふさがって見えるその隙間でも細菌にとっては絶好の住みかとなり、そこから虫歯ができることになります。
この細菌は「歯垢(しこう)」とか「プラーク」と言われています。
最近では「バイオフィルム」と呼ばれるようになりました。
大事なことは、これが食べかすではなく、細菌の塊ということです。
歯ブラシの基本的な使い方は、磨きたいところに毛先を届かせ、毛先の弾力を使ってバイオフィルムを弾き飛ばします。決して力を入れてごしごし磨く必要はありません。
虫歯になりやすい場所は、
(1)歯と歯ぐきの境目
(2)歯と歯が接している面
(3)かみ合わせの面
です。
これらに対する効果的な磨き方は、
(1)歯と歯ぐきの境目に毛先が当たるようにして小刻みに動かします。
(2)前歯の歯と歯の間は歯ブラシを縦に動かします。
(3)歯の溝は歯ブラシを横に動かします。
これらが効果的な磨き方のポイントになります。
病気の症状によって薬が違うように、歯磨きの目的、歯ぐきの状態、年齢、口の大きさなどによって歯ブラシは変わってきます。
一般的に市販の歯ブラシは幅が広く、大きめで、口の奥、特に上の歯の外側を磨くときに入りにくいものが少なくありません。小さめのものを選んで使ってみてください。材質はナイロン毛で、2~3列の植毛のものがよいでしょう。毛先が開いてしまったら歯の面にうまく当てられませんので交換の時期です。
歯ブラシ以外の補助的清掃用具(歯間ブラシ、デンタルフロスなど)に関しては、種類や用途も様々ありますので、かかりつけの歯科医師に相談して、あなたに合った道具をアドバイスしてもらってください。
歯磨き粉は、虫歯予防にはフッ素入りが効果的であると考えられます。フッ素は、歯のエナメル質と反応して歯を強くしたり、細菌が酸をつくる能力を低下させたりして虫歯になりにくくします。
歯の質、虫歯菌の数、唾液の量などの違いにより、歯磨きをあまりしなくても虫歯になりにくい人もいれば、一生懸命歯磨きをしても虫歯になりやすい人がいます。
虫歯になるリスクが高い人と低い人がいて、個人差はありますが3~6ヶ月に1度、少なくても年1回は定期検診を受けることをおすすめします。
――――――本日はありがとうございました。
お話を伺った先生:矢野 正樹 先生(やの歯科医院・大阪府東大阪市)
【略歴】
【専門医、資格等】
https://www.ddmap.jp/0667448385
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