花粉症の症状と治療について、いがらし耳鼻咽喉科の院長 五十嵐 充 先生にお伺いしました。
基本的には症状に大きな違いはありません。
ただ春先のスギ花粉の粒子径は30~40㎍、秋のブタクサ花粉の粒子径は20㎍とブタクサ花粉の方がやや小さいため、気管内に侵入しやすく、咳などの症状を伴いやすくなるかもしれません。
鼻かぜの初期は花粉症の症状との区別をつけるのは難しいです。ただ鼻かぜの場合当初は水っぽい鼻汁でも徐々に粘度の高い鼻汁に変わっていきます。水っぽい鼻汁が辛ければ、花粉症で用いる内服薬を服用しても構わないのですが、鼻かぜの鼻汁は基本的には、侵入してくる微生物を排出するために生じていますので、使い過ぎには気を付けて最低限の使用に留めた方が望ましいです。
花粉症による症状は基本的には意味のない症状ですので、ある程度症状が落ち着くまで薬を使うのが良いでしょう。
症状を抑えるのに要する必要な薬の量は、花粉の飛散量、個人の体質により大きく異なります。どの程度の薬を使うかは主治医とよく相談してみて下さい。
また2014年10月より保険適応されましたスギ花粉症に対する舌下免疫療法の有効率は約70%程度と見込まれていますが、わが国では途中脱落せず継続されている方も多く、もう少し良い成績になるかもしれません。
小青竜湯は他のアレルギー薬と遜色ない治療成績が出ており1日3回の内服となりますが、眠気などの副作用はみられない薬です。ただ残念ながら、漢方薬でアレルギー体質を改善させるのに有効と認められるデーターは出ていません。
症状が強くなる方の多いスギ花粉症で行われる事の多い治療ですが、スギ花粉は通常、1月下旬より2月上旬に飛散が開始されますので、1月中旬頃には受診され、治療を開始するタイミングを相談されればよいと思います。
一般的には本格的に飛散が予想される1,2週間前より副作用が少なく、効果の期待できる薬を使うと、症状の開始を遅らせ、飛散シーズン中の症状を和らげる事ができます。
――――――本日はありがとうございました。
お話を伺った先生:五十嵐 充 先生(いがらし耳鼻咽喉科・兵庫県尼崎市)
【略歴】
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https://www.ddmap.jp/0649623311
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