今年もスギ花粉症の季節がやってきました。今回のドクターインタビューは花粉症シーズンを乗り切るにはどういう対策をとったら良いかを松田耳鼻咽喉科の院長 松田 泰明 先生に伺います。
花粉症は今や日本人の5人に1人が悩まされていると言われるまで広がっています。数年前から低年齢化が目立つようになり、幼児にもスギ花粉症が見うけられるようになってきています。
花粉症は植物の花粉によって引き起こされるアレルギー症状のことを言います。春先のスギ花粉症が最も有名ですが、スギ花粉に引き続き飛散するヒノキ花粉、夏にはカモガヤ花粉、秋にはブタクサ花粉やヨモギ花など他にも原因となる花粉があります。
場合によっては複数の花粉症を持っておられ、一年のうち半年以上花粉症に悩まされている患者さんもおられます。花粉症の症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの鼻症状、眼の痒みなどの眼症状だけでなく、のどの痒みや痛み、皮膚の痒みなどを起こす場合もあります。
1.原因となる花粉をできるだけ除去すること。
花粉をできるだけ除去するためには、まずマスク・めがねの装着です。外出の際には花粉がつきにくい衣類を着用し、帰宅した時には玄関先で室内に花粉が入らぬように払い落とすようにします。
また洗濯物や布団を天気の良い日に干すと、花粉が衣類に付着して家の中に入ってしまいます。できれば室内で乾燥するのが良いでしょう。室内に入ってしまった花粉は床に落下しますので、掃除の時にぬれ雑巾で床をふき取るのが効果的です。
2.できるだけ早期に治療をおこなうこと。
花粉症の治療の目的は、症状の緩和です。残念ながら現在のところ根本的な治療法はありませんので、毎年治療をおこなうことが必要になります。
薬物療法が中心になりますが、色々なアレルギー治療薬が開発されており、内服薬・点鼻薬・点眼薬などを中心に使用します。
症状が出現すれば早めに治療を開始することが重要です。
花粉症の症状が重症化してから治療を始めると、なかなか薬が効かないことがあるからです。
そして原因となる花粉が飛散するシーズンは治療を継続することが必要です。また、花粉が飛散する前(症状のない時期)から薬を内服することにより、花粉症の発症を抑えることが可能な場合もあります。
何らかの理由で薬が飲めない場合、薬による治療で十分な効果が得られない場合には、手術療法をおこなうこともあります。
近年医療機器の発展に伴い日帰り手術が可能になり、当院ではアルゴンプラズマ療法を取り入れています。
花粉症の治療方法には以上のようにいくつかの方法があります。そして治療方法・治療薬それぞれに特徴があります。
それを理解した上で、症状・ライフスタイルにあわせて自分にとって効果的な治療を行いましょう。
まず診察にて鼻粘膜を観察します。鼻粘膜が蒼白になっていることが多いのですが、場合によっては赤く腫脹していることもあります。
検査は、一般的には血液検査が行われています。IgE-RASTなどで特異的抗体を測定し、アレルギー症状の原因がスギなのかどうかを調べます。
スギだけでなく他の植物の花粉や、アレルギー性鼻炎の原因で多いと言われるハウスダスト・ダニについても検査は可能です。
検査によって原因となる花粉が判明すれば、症状の出やすい時期が推測可能になり、必要な治療期間の目安にもなります。
例えば近畿地方においては、スギ花粉症なら2~3月、ヒノキ花粉症なら3~4月に症状が出やすいので気をつけましょうということになります。
――本日はどうもありがとうございました。(2008.2.12)
お話を伺った先生:松田 泰明先生(松田耳鼻咽喉科・大阪市鶴見区)
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