日別アーカイブ: 2021年9月5日

備えあれば・・・

1976年、大阪府高槻市城南町に開業した森田歯科医院。
開院以来、患者さんひとり一人の立場に立った誠実な歯科医療によって、
多くの方々の口腔環境を守ってきました。
このブログでは当院に関心あるすべての方に、当院とここで働くスタッフの“今”を知って頂くために、日々思うことを医療にこだわらず“そこはかとなく”綴ったものです。

→:備えあれば・・・

(今回は併設する関連施設、森田内科に関するブログです。)
今、日本は新型コロナウイルス、デルタ株の感染拡大に伴い、東京では医療崩壊が現実のものになりつつあります。非常事態宣言の効果も乏しく、感染者数は増加の一途を辿り、制御ができていないのが現状です。唯一の積極的な対策が、ワクチン接種であり、森田内科でも全職員が力を合わせて取り組んでいるところです。ところで、このコロナワクチン、20万回に約1回の割合でアナフィラキシーという、生死に関わる重篤な副反応が起こることが報告されています。高槻市の人口は約35万人、全員にワクチンを接種しても2人起こるかどうかという稀な副反応です。起こるはずがないと思いながらも、副反応に対する治療薬や医療機器の準備、院内マニュアルの作成、救急搬送までの手順と役割分担について、話し合いを行ってきました。そして、ワクチン接種時に毎回、診察室に救急物品一式を運び入れ、万一に備えてきました。
あるワクチン接種日、接種後に待合室で待機していた患者さんが突然、呼吸困難を訴えて倒れてしまいました。慌てて、診察室に運び込み、応急処置を行った後、2次病院に救急搬送しました。幸い、2次病院での治療後、患者さんは速やかに回復されました。ワクチンの副反応対策のお陰で、チームメンバー全員が適切な役割を果たせたと思います。しかしながら、もし対策を怠っていたらと思うと、冷汗が出ました。
キリストが生まれる500年以上も前に中国の思想家、孔子は「遠き慮(おもんばか)り無ければ、必ず近き憂いあり。」と言い、老子は「無用の用」を説きましたが、「将来に備え、今は無駄であると思うことにも取り組むことの大切さ」を、身をもって学ぶことが出来ました。また、ワクチン接種の度に、毎回嫌がらずに最後まで救急物品の準備をしてくれたメンバーにも深い感謝と尊敬の念を抱きました。そして、搬送先の2次病院から戻った時、ワクチン接種再開の準備を完了させてくれた上で、時間を無駄にせず、他の仕事に励むメンバーの姿を見て、思わず涙腺が緩みそうになりました。素晴らしいメンバーと仕事をしている、みんなに遅れない様に「もっと頑張らねば!」としみじみ思った一日でした。


ワクチン

1976年、大阪府高槻市城南町に開業した森田歯科医院。
開院以来、患者さんひとり一人の立場に立った誠実な歯科医療によって、
多くの方々の口腔環境を守ってきました。
このブログでは当院に関心あるすべての方に、当院とここで働くスタッフの“今”を知って頂くために、日々思うことを医療にこだわらず“そこはかとなく”綴ったものです。

→:ワクチン

(今回は併設する関連施設、森田内科に関するブログです。)
現在、森田内科ではワクチン接種によるコロナウイルスの封じ込めに全職員一丸となって取り組んでいます。5月17日のワクチン接種開始当初は、1日わずか5人、週25接種程度でしたが、段階的に接種回数を引き上げ、7月5日より1日平均30人、週150接種まで増やしていく予定です。コロナワクチンは他のワクチンに比べ、一瓶に6人分が入っており、3週間隔で2回接種が必要など、制約が多く、副作用の頻度も高い扱い難いワクチンです。そのため、接種の予約から接種後の経過観察まで、事務員、看護師、医師がお互いに充分なコミュニケーションと取り合い、作業を進める必要があります。即席のチーム編成で行われる大規模接種などで、報道されている様な事故が起きてしまうのも、無理のないことだと思います。事故予防のため診療所によっては、薬剤の注文から管理、ワクチンの調整から接種まで、ほとんど全てを院長が行っているところもある程です。しかしながら、人間一人の能力には限界がるため、この方法では一定数以上の接種回数を増やすこと困難です。一方、森田内科では役割毎にその責任者(リーダー)を決め、会議を繰り返してワクチン接種を行っています。この方法は煩雑ですが、チーム力があれば接種回数を飛躍的に増やすことが可能です。ここで重要なことは、責任者(リーダー)を担うことのできる人材とその責任者(リーダー)をしっかり補佐できる主任(サブリーダー)の存在、最後に責任者及び主任の指示を正確に実行することのできるスタッフの存在です。素晴らしいチームは一朝一夕にはできません。
森田内科では、予約制を導入して、一日の来院患者数、内視鏡検査件数を大きく減らすことなく、間もなく週150接種を達成しようとしています。このことに、チームとしての更なる成長を実感するとともに、まだまだチームとしての潜在能力が残されていると感じています。これからも質の高いカンファレンスを繰り返して一歩ずつ成長していきましょう!あのイチローも言っています。「少しずつ前に進んでいるという感覚は、人間としてすごく大切」、「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」なのです。するべきあたり前のことを日々実行していきましょう!