張仲景先生とわれわれ日常で飲んでいる漢方薬の関係

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  <傷寒論>という古医書は、医聖とよばれる中国東漢末の張仲景先生の著書です。
中国の中医は、日本の漢方にもとても深い関係と影響を与えています。
みんなが知っているツムラの処方の大半も、この先生が書いた処方を使用しております。
例えば、かぜによく効く葛根湯や、こむら返りによく使う芍薬甘草湯も
みんな<傷寒論>中の処方です。

先日に来院したアトピーのお子さんの例で、
処方したエキス剤より顔面の湿疹が改善したが、
時々、お腹の痛みが感じてしまうということがありました。
<傷寒論>中の小建中湯エキス剤などを使いましたところ、
痛みが劇的に改善し、アトピーの症状も悪化せず、軽快しています。

当クリニックに業務関係がある社長さんの息子が、
幼少時から寝汗で、アレルギ‐鼻炎にも悩まされていたそうです。
忙しい中、わざわざ当クリニックに息子さんを連れてきて下さいました。
<傷寒論>中の小青龍湯とその他のエキス剤の合包で、
2週間の治療により息子さんの症状が消え、社長さんにも大変喜んで頂けました。

また遠いとこから尋ねてきた若い夫妻が結婚7年間で子供が授からず、
女性の方は子宮筋腫はあるものの、西洋医(産婦人科医)の下で、
ホルモン関係・卵管などの検査は問題なく、漢方薬の当帰勺薬散を処方されたそうです。
当クリニックで診察したところ、自分の弁証より当帰勺薬散は
この方に合わないと考えまして、柴胡加竜骨牡蛎湯などを処方しました。
1か月半ほど経った先日、『妊娠しました』との嬉しい報告がありました。
おめでとうございます。
ちょっと残念な知らせもあります。九州からがん治療の依頼がありました。
終末期の方で、少しでも長く生きてもらうと、ご家族が連絡を下さいましたが
残念なことに、私が訪問する直前に患者さんがなくなってしまわれたそうです。
ご家族よりお知らせと感謝の電話を頂きましたが、
無念の気持ちがいっぱいです・・・

患者さんが改善されるたびに、<傷寒論>を著した張仲景先生の偉大さを
改めて感じます。

上記に掲載された<傷寒論>の序文を毎日一回は読み、
張仲景先生が<傷寒論>を書いた当時の心境を感じながら、
気を引き締めて、診察に臨んでおります。

 

 

 

 

 






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