大腰筋から起こる腰痛

今回はとある筋肉にフォーカスしたコラムになります。
 
皆様、腸腰筋(ちょうようきん)・大腰筋(だいようきん)と呼ばれる筋肉は知っていますか?

 

小腰筋、大腰筋、腸骨筋を併せて腸腰筋と呼びます。

大腰筋は腸腰筋を構成する筋肉の一つで、サイズが大きいため

腸腰筋と分けて説明することがあります。

 

今回は、大腰筋から起こる腰痛についてお話します・

大腰筋の作用・役割

大腰筋の主な作用は股関節を動かす筋肉であり、腰椎から大腿骨の内側に付着しています。

腸腰筋として機能することで、股関節を屈曲させる動作と、股関節を外に回す動作(外旋)を行ないます。

日常的な動作に置き換えると、走る、歩く、ももあげ、前かがみ、しゃがむなどでしょうか。

大腰筋としては、上記に加えて腰椎を前に引き付けてS字カーブを安定させる作用があります。

大腰筋が硬化、緊張、筋力低下を起こすことで、腰痛や股関節の痛みを引き起こします。

 

大腰筋が硬くなる要因

基本的に筋肉は同じ姿勢で使い続けたり、動かさない状態でいることで緊張したり、筋力が弱ったり、硬くなります。

そして大腰筋は上述したように、歩いたり、しゃがんだり、太ももをお腹に近づける動作で機能します。

大腰筋にとって筋肉を”同じ姿勢で、動かさない状態”というのは椅子に座っている状態が当てはまります。椅子に座っている状態というのは、大腰筋が縮んでしまう姿勢です。

 

特にこちらのイラストのように椅子に浅く腰かけている方は腰が曲がった状態でいるため、大腰筋が硬くなりやすいです。

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大腰筋による腰痛

 

大腰筋は図のように腰椎の真横から大腿骨に向かってついています。

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硬化したり、緊張を起こすことで、お腹側ではなく腰側に痛みを起こします。

また、大腰筋は腸骨筋と共に股関節の内側に付着するため股関節の前側に詰まったようなだるさや痛みを引き起こすこともあります。

 

腰、足、お尻をストレッチ・マッサージしてもなかなか腰痛がとれない場合は

大腰筋の異常が根幹にあることが考えられます。

 

セルフでできる大腰筋の改善法

 

①     大腰筋を意識的に使う

日常的に歩くことが少ない方、何もない所でつまずきやすい方などは大腰筋を使ったり、鍛えたりすることが必要です。

自分の足の甲が見えるくらいの歩幅でウォーキングをしたり、デスクワークの休憩に立ったり歩いたりしてみましょう。

 

②     ストレッチを行う

大腰筋はストレッチが効果的です。

大腰筋を狙って伸ばすのは難しく、ダイナミックな足の動作が必要となります。

骨盤の立て方、足の引き方、腰の位置などが正しくないとかえって腰椎に負担がかかることもありますので、専門家の指導の一度受けていただくことをオススメします。

当院では、ストレッチ指導もおこなっておりますので、ご安心ください。

 

③     姿勢

日頃の姿勢を正すことも必要です。

特に椅子の座り方が重要です。

お尻を浅く、背中を背もたれに預けて腰が浮くような座り方は、大腰筋の緊張を高めるだけではなく、腰椎への負担を高めます。

↓NGな座り方!

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なるべく背骨をまっすぐに立てて、可能であればお尻を深く座るように意識しましょう。

↓ここまで極端にピン!としなくても良いですが、これくらいをイメージされるといいでしょう。

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当院での治療法

腰痛の原因が大腰筋由来のものが考えられる場合は、手技療法やマッサージで緊張をゆるめたり、運動療法で伸ばしたり動かすことが有効です。

 

大腰筋の筋力不にはパーソナルトレーニングをおこないます。

 

また、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症のような神経痛が主となる疾患でも大腰筋が硬く、緊張しやすい状態になります。患者様の状態にもよりますが、大腰筋の状態を改善することで腰痛を緩和させることも期待できます。

神経ブロック注射と手技療法・マッサージ療法で併用して行うことを推奨しております。

 

まとめ

 

全ての腰痛が大腰筋由来だ!ということはありませんが、腰痛治療の際に押さえておくべき筋肉のひとつです。

 

どう動かすと痛いか、いつだるくなるのか、痛みの場所、今までの腰痛治療の効果などを照らし合わせて

 

神経ブロック、マッサージ療法、手技療法、鍼灸療法、運動療法などを併用して

患者様に必要な治療を院長が提案させていただきます。

 

腰痛でお困りの際は一度ご確認ください。

 

コラム監修医師

こじまクリニック 院長

小島 研太郎

 

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