今回は腰方形筋によって起こる腰痛ついてお話します。
腰方形筋とは
腰方形筋とは、骨盤(腸骨稜)から腰椎(腰椎横突起)、肋骨(12番目)に付着する筋肉です。
マニアックに掘り下げると、腰方形筋は、骨盤から肋骨に向かう外側繊維と、骨盤から腰椎に向かう内側繊維があります。外と内の繊維のはっきりとした機能の違いは解明されてはいません。
解剖学的には、脊柱起立筋や腹筋群よりも、更に深い位置に存在しています、
腰方形筋が筋筋膜性腰痛症の原因になります。
筋筋膜性腰痛症については→こちらの記事をご覧ください。
腰方形筋の作用
腰方形筋は、片側だけの作用と両側の作用があります。
両側の作用
・腰部伸展
背筋を後ろ反らすような動作
・12肋骨の固定
努力呼吸時に12番目の肋骨を固定します。努力呼吸とは、全力で運動したあとの呼吸や、異常時に起こる呼吸です。
・腰椎の安定
片側のみの作用
・腰部側屈
体幹を真横にお辞儀させるような動きです。
・片側の骨盤挙上
片方のお尻を挙げるような動作に関与します。
脳卒中患者様の歩行時の代償動作などにみられます。
・中殿筋と筋膜で連結
硬化・緊張・コリ、急性の損傷を起こす理由
基本的に他の腰回りの筋肉と同じ様に使い過ぎ、姿勢の悪さで硬化します。
反り腰の方は、腰方形筋が持続的に緊張している可能性があります。
急性の損傷は、前かがみの姿勢、荷物を持ち上げるときに発生しやすいです。
上記の動きは腰方形筋が伸びる姿勢になるため、元々硬く緊張している方は筋肉の損傷を起こしやすいです。いわゆるぎっくり腰ですね。
腰方形筋による腰痛
腰の奥の方が痛むような腰痛を起こします。
腰方形筋がトリガーポイントとのなり、以下の図の位置に痛みを発生させることがあります。
また、中殿筋と筋膜で連結しており、中殿筋が硬くなることで腰方形筋を伸張させ、緊張を起こすこともあります。
腰方形筋の治療
基本的には、運動療法、手技療法、鍼灸療法、マッサージ療法を用いて腰方形筋の改善を図ります。
後述しますが、腰方形筋はストレッチで効かせることが難しく、効いているのかわかりにくい筋肉です。その点を踏まえて、有効なストレッチを指導させていただきます。
痛みの強さ、日常生活動作が困難な程の激痛である場合、神経ブロック注射、トリガーポイントブロックを行なう場合もあります。
腰方形筋のセルフケア
腰方形筋はストレッチが可能ですが、非常に伸びを感じにくく伸ばしにくいです。
特に腰痛持ちの方が行うとかえって痛みを起こしたり、腰を痛める可能性があります。
腰方形筋ピンポイントで伸ばそうとせず、腰やお尻を全体的に伸ばすことをお勧めします。
また、指圧機やフォームローラーなどでのセルフマッサージも腰方形筋に効かせることは困難と言えます。
筋膜で連結している中殿筋をほぐすのがオススメです。
テニスボール等で、お尻の真横から斜め後ろ程を寝転んでグリグリをほぐしてあげましょう。
まとめ
腰方形筋は筋筋膜性腰痛症の原因になります。
治療には、手技療法、運動療法、鍼灸療法、マッサージ療法をベースにおこないますが
激痛であったり、日常生活動作に支障をきたしている場合は神経ブロックやトリガーポイントブロックもおこないます。
セルフケアは可能ですが、ストレッチでピンポイントに効かすことが難しいです。
当院でストレッチ指導をさせていただきます。
腰痛でお困りの際は当ぺインクリニックまでご相談ください。
多角的な腰痛治療をご提案させていただきます。
コラム監修医師
こじまクリニック 院長
小島 研太郎
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