今回は僧帽筋による肩こりについてお話します。
僧帽筋とは
僧帽筋は表層に存在し、背中、首、肩にかけて存在する大きい筋肉です。
僧帽筋は上部・中部・下部で筋肉の繊維の方向が違うのが特徴です。
上部中部下部で作用が違います。
僧帽筋の働き
僧帽筋は首と肩甲骨の動きに大きく関与します。
上部繊維(または下行部)
肩甲骨と鎖骨外側を上方に引き上げる…肩をすくめるような動作
首を横に倒したり、上を向いたりする
ラグビー選手やレスリング選手、北斗の拳のキャラクターのような太い首はこの部分の発達によってみられます。
僧帽筋の中でもいわゆる”肩こり”の時に悪さをしている部分です。
肩甲骨の上方回旋・内転・挙上
頚部の伸展、側屈
中部繊維(横行部)
肩甲骨を内転させる…胸を張るような動作
猫背の方は、僧帽筋の中部繊維の筋力が弱いことがあります。
下部線維(上行部)
肩甲骨の上方回旋・内転・下制
僧帽筋が緊張を起こし、コリを起こす原因
① 長時間の緊張状態
毎日のデスクワーク、長時間の運転などにおいて、肩がすくむような姿勢でいることにより
僧帽筋の上部繊維が常に緊張状態となります。一般的想像される”肩こり”の部分が、カチカチになります。
② 運動不足
僧帽筋全体においては、運動不足による血行不良も考えられます。僧帽筋は主に肩甲骨を動かす筋肉であり、ダイナミックな動きを得意としています。デスクワークや長時間
の運転は肩甲骨を大きく使うことが出来ず、血行不良を起こします。
③ 力仕事、ハードトレーニングによる緊張
運動不足とは真逆になりますが、使い過ぎによって僧帽筋が過緊張を起こしてしまうこともあります。
重たいリュックサック、ハードなトレーニング、荷物を運ぶ等が当てはまります。
僧帽筋による症状の特長
僧帽筋は肩や首の張り感、重さ、凝り、背中のだるさを引き起こします。
また、上部繊維が慢性的な緊張を起こしていると、肩が盛り上がったようにみえます。
僧帽筋の治療法
トリガーポイントブロック、手技療法、マッサージ療法、鍼灸療法、運動療法などを併用しておこないます。
僧帽筋は表層の筋肉ですので、マッサージ療法で血行を改善させやすいと言えます。ストレッチも簡単で硬い方は伸びを感じやすい筋肉です。
患者様の状態に合わせて運動不足を解消させ、筋力をつけるためにパーソナルトレーニングを提案させていただくこともあります。
僧帽筋のセルフケア
ストレッチで伸ばすことが効果的です。
僧帽筋上部のストレッチ
左側の僧帽筋上部にストレッチをかけています
大事なポイント
①首は真横ではなく、少し斜めに倒す
②肩甲骨をロックする。
左手をご覧ください。丸椅子を掴むことで、左の肩甲骨をロックすることができます。肩甲骨が固定されることで、僧帽筋上部繊維をより伸ばすことができます。手ごろな椅子がない場合は、手のひらをお尻の下で踏んづけても同様の作用が期待できます。
赤く塗りつぶしているところに効いている感じがあればOKです!
まとめ
僧帽筋は3つの繊維にわけることができます。特に上部繊維が凝りやすく、日常的に緊張を起こします。
僧帽筋の治療にはトリガーポイントブロック注射や、運動療法、マッサージ療法、パーソナルトレーニングが有効です。患者様に合わせて治療方針をご提案させていただきます。
肩・首の凝りでお困りの際は当ぺインクリニックまでご相談ください。
多角的な肩こり治療をご提案させていただきます。
コラム監修医師
こじまクリニック 院長
小島 研太郎
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