タイトルに惹かれて『減量の正解』(エリック・ヘミングソン著 2021年)という本を読んでみました。著者はスウェーデンの肥満研究者です。
高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は体重が減ればかなり解決できることはわかっていますが、実際には非常に難しい。「過体重の患者さんにどうしたら痩せてもらえるか」は我々内科医の永遠のテーマと言えます。
要旨を自分なりにまとめて書きます。
・食事制限(ダイエット)では痩せられない。大半がリバウンドする。なぜなら体は元々の体重
に戻ろうとするから。
・ダイエットで体重が戻る原因は、① 代謝が低下してカロリーを消費しなくなる ②満腹感がなくなり、もっと食べようとする ③脂肪細胞数は減らない。
・肥満の人が取り組むべき課題は「ストレス」である。ストレスから超加工食品(ジャンクフード)に手が伸びてしまって肥る。
・加工食品を減らし、できるだけ自然のものを食べる。
・運動をする。
・いたずらに体重を減らすことにこだわるより、精神的に安定する方が大切である。
食事制限は効果がなく、心の健康を維持するべきだと言い切っているところが斬新でした。実際には食事制限が効果的な人もあるので、著者の主張を100%正しいとは思いませんが、新し視点を与えてくる本でした。