今回は股関節の筋肉の柔軟性不足による腰痛についてお話します。
股関節とは
股関節という言葉は誰しも聞いたことがあると思います
股関節は大腿骨と骨盤によって形成される人体最大の関節です。
大きな関節であるうえに、関節の可動域も広いです。
屈曲 伸展 外転 内転 外旋 内旋 という動作を行ないます。
動作に置き換えると・・・
もも上げ、後ろに足を蹴る、開脚、チアリーダーのような足上げ、サッカーのキック、前後開脚、あぐらをかく・・・
自由自在に動かすことができます。
また、股関節には負荷が強く掛かります。
両足で立っているときは体重の2分の1
片足立ちでは、体重の4分の3
(体重の3倍以上かかるとすることもあります。バランスがぶれたりすると負荷が増減するため、個人差が大きいでしょう。)
歩いているときは体重の3~5倍
段差を昇る瞬間は体重の6~7倍
これだけ負荷がかかる股関節の筋肉はもちろん大きく、力強いです。
これは豆知識になりますが・・・
1位が大腿四頭筋(太ももの前) 2位が大殿筋(おしり) 3位三角筋(肩) 4位ハムストリングス(ももうら) なかでも大腿四頭筋が断トツで筋肉量が多いです。
ダイエットで足を鍛えなさい!と言われる理由ですね。
今回は、股関節の筋肉のなかでも腰痛に関わりやすい”お尻”の部分についてお話します。
腰痛と大殿筋
股関節には大殿筋と呼ばれる大きなお尻の筋肉が存在します。
大殿筋はお尻の筋肉ですが、胸腰筋膜(きょうようきんまく)と呼ばれる腰の強靭な筋膜と連結しています。大殿筋が硬くなることで、胸腰筋膜に負荷をかけて腰痛を起こすことがあります。それほど大きな筋肉なのです。
また、大殿筋そのものがトリガーポイントとなり、腰痛を起こすこともあります。
こちらの図の青く強調されているのが大殿筋
こちらの緑で囲っている部分が胸腰筋膜
胸腰筋膜の境目と大殿筋が密接なのがお分かりいただけると思います。
大殿筋が硬くなると腰に負担がかかるのは、この連結が関与しています。
大殿筋が硬くなりやすい方
次に当てはまる方は大殿筋が硬くなりやすいです。
・歩行量が多い方
→大殿筋は地面に足が付く瞬間や階段を上る時に力強く発揮します。運動量が多くなりすぎると、疲労が蓄積して硬くなります。また、上述しましたように、股関節に体重が重くのしかかります。それを支えて動かしている筋肉への負担も大きいです。
「歩いていると腰が痛くなる」という方は大殿筋が原因かもしれません。
・デスクワークの方
→椅子に座っている状態は大殿筋が伸張位で圧迫されるため、硬くなりやすいです。長時間座っていること自体が、胸腰筋膜を硬くします。
・前屈が硬い方
これは以前のコラムでもお話しましたので、ぜひご覧ください
当院の大殿筋による腰痛の治療法
痛みが強い場合はトリガーポイントブロックを行ないます。状態に応じてマッサージ療法、鍼灸療法、手技療法、運動療法の併用が効果的です。
大殿筋のストレッチ不足を改善させ、緊張を取り除くのがポイントです。
胸腰筋膜そのものにアプローチをかけることもあります。
緊張を取り除くのはご自身では難しいですが、セルフストレッチをおこなうことで時間をかけて解消することが可能です。
当院では患者様にストレッチを施行させていただきますが、ご自宅で出来るようにストレッチ指導も実施しております。
まとめ
大殿筋は股関節の大きな筋肉であり、硬化することで胸腰筋膜を緊張させて腰痛を引き起こします。
歩きすぎたり、デスクワークが長時間続くような方は大殿筋、胸腰筋膜への負担が増して腰痛を起こします。
治療には、トリガーポイントブロック・マッサージ療法、鍼灸療法、手技療法、運動療法の併用が効果的です。
必ずしも大殿筋や股関節の硬さが腰痛を引き起こしているとは限りませんが、原因をきちんと見極め対処していくことが必要です。
お困りの際には当院にご相談ください。
コラム監修医師
こじまクリニック 院長
小島 研太郎
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