日別アーカイブ: 2022年12月9日

見えない力に守られている

10月7日のブログで、
インフルエンザワクチンと風邪について記事を書きました。
過去記事はこちら→

そのあと、
免疫について連載で解説記事を書こうとしていたのですが
悪戦苦闘の末、第5回まで下書きして
未完成のまま、早くも年末に。

「これではいけない」
「なんとかしなければ」

そこで今日のブログでは、
私たちの体を守る免疫について
なるべく簡単に説明してみようと思います。

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皆さんが、ワクチン、抵抗力、免疫力と聞いて、
聞いたことのある言葉は
「抗体」
ではないでしょうか。

あのトランプ大統領も受けた
「抗体カクテル療法」
てのもありましたね。

人体には
1)ある特定の細菌、ウイルスなどをやっつける
「抗体」(液性免疫)

のほかに

2)特定のウイルスに感染した細胞を排除して病気の拡大を防ぐリンパ球
「細胞傷害性T細胞」(細胞性免疫)

3)体に侵入しようとする病原体を手当たり次第に除去する白血球
「好中球やマクロファージ」(自然免疫)

の3種の免疫力がそなわっています。

一般的な検査で測定できるのは「抗体」価なので
抗体価が高いか、低いかで抵抗力ある、ないを判断しがちですが、
細胞性免疫、自然免疫の二つも、
検査できないだけで確かに存在しています。

また、
「抗体価」も
感染後やワクチン接種後しばらくの間は高値ですが、
その後徐々に低下します。

しかしながら
抗体をつくる能力がゼロになるわけではなく
「メモリー細胞」が残って
再度感染したときに活性化して抗体を作り、
抗体価も上昇して体を守ります。

いったん高まった抗体価が低下するのは
免疫が弱っているのではなく、
自然なことなのです。

インフルエンザワクチンを接種すると
3)の自然免疫も理論上は活性化する
と考えられます。

見えない自然免疫、細胞性免疫と
増えたり減ったりする抗体によって
私たちの体は確かに守られている。

そのおかげで、
感染しなかったり
感染しても症状が出なかったり(不顕性感染)
感染しても軽く治ったり
している、というわけです。

機会があったら
書きかけの「シリーズ・免疫の解説」も
公開したいと思います。。