カテゴリー別アーカイブ: アトピー

1学期の間にアトピーを良くしておこう

この春、京都に引っ越してきた学生の皆さん、入学進学おめでとうございます。

春は別れと出会いの季節といいますね。

まつもとクリニックでも、3月に卒業、就職で京都を離れることになった患者さんを何人か見送りました。新天地でもアトピーが落ち着いていればいいなと思いつつ。

4月になり、進学で京都に引っ越してきた人も、さっそく数人診察しています。

ここ1、2ヵ月間で印象に残っているのは、「卒業して就職先も決まったので、引っ越しするまでにアトピーを良くしたい」と来院された患者さんです。

聞くと、2週間後(!)に引っ越しするとのこと。

結構きつい痒み、発疹が全身にあり、最初の診察の時に、湿疹部位にステロイド軟こうをFTUでしっかり外用するよう、説明しました。

*FTUとは、湿疹アトピーがよくなる軟こうのぬりかたのことです。詳しくはこちら

1週間後に再診、症状改善を確認しました。改善部位には再発防止軟こうを外用していきますが、この患者さんにはモイゼルト軟こうを処方しました。

さらに1週間後、最後の診察でしたが、再発していないことを確認し、モイゼルトを継続処方し、転居後に落ち着いたら新しい自宅の近所のクリニックに通院するようお伝えしました。

心の中では、「2,3ヵ月早く来てくれれば、もっと改善できただろうなぁ」と思いました。

そこで、

新入生でアトピーで困っている方には、4月の入学行事、授業登録、クラブ・サークル選びが一段落した今の時期に、早めの受診をお勧めします!

アトピー性皮膚炎の治療は、最初が肝心。初回から3回目までは、1週間ごとの通院がベスト。
夏休みになれば、クラブ・サークル活動や、運転免許取得、帰省などで、京都にいないことも多くなることが予想されますので。

まつもとクリニックでは、アトピー性皮膚炎の診察、指導に時間を確保するため、予約診療をしています。診療内容、予約の取り方など、詳しくは、当院のホームページをチェックしてください。

予約電話は、診療時間内にお願いします。

 


まつもとクリニックのアトピー性皮膚炎・湿疹治療

新年にあたり
まつもとクリニックの
アトピー性皮膚炎・湿疹の治療について
まとめたものを載せておきます。

一度ごらんになってください。

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まつもとクリニックのアトピー・湿疹治療
~アトピー性皮膚炎診療ガイドラインを実践しています

日本皮膚科学会、アレルギー学会がつくった
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインには
治療のゴールや
ステロイド軟こう、その他の軟こう、
内服薬、注射薬の使い方などが
くわしく書かれています。

しかし、
くわしいガイドライン、治療の指針があっても
「アトピーがよくならない」
と、多くの患者さんが困っているのも現実です。

良くならないのには理由があります。
ステロイド軟こうのランク(強さ)が合ってない
軟こうの処方量不足
具体的な「ぬりかた指導」が出来ていない
入浴方法や市販の保湿剤がかえって皮膚に負担になっている
などです。

まつもとクリニックでは、
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインにそって
じゅうぶん治療効果がえられ
ブツブツ、かゆみ、かきこわしなどの
アトピー症状をしっかり改善できる
実践的な治療を行っています。

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年末から書きかけの
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの内容の解説記事は
ボリュームも大きいので
今後も連載形式でアップしていきます。


アトピー治療の目標~アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021(1)

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021では
アトピー治療の目標として、次のように書かれています。

20221221

治療によって、発疹、痒み、かきむしり、腫れ、赤み
などの症状の改善を目指し
良い状態を維持する。
症状の再発があっても、再度改善をはかる。

理想は症状ゼロだが、
ゼロでなくても
生活に支障ない軽い症状でのコントロールを目指す
ということですね。

そのゴールを目指すために
診療ガイドラインには
1)寛解導入療法
2)寛解の維持、プロアクティブ療法、リアクティブ療法
の二つの治療法が書いてあります。

次回以降、この二つの治療法と
なぜ、ゴール達成が難しいのか
について、説明していきます。


アトピーにステロイド軟こう使って、イイんです!

EBM(Evidence-Based Medicine)

医師が治療法や薬を選ぶときに
参考にするのが
EBM(Evidence-Based Medicine)
です。
日本語では「根拠に基づく医療」といいます。

ステロイド軟こうですが、
ネット上では賛否両論、
むしろ「否」の声の方が大きいこともありますが、

EBMでは、
アトピー性皮膚炎に対する外用剤治療での
ステロイド外用薬は、
推奨度1(強い推奨)、エビデンスレベルA(高い)
という評価を得ています。

この「1A」というのは、
医師は、推奨した治療を行うことが勧められる
つまり
アトピー性皮膚炎治療にステロイド軟こうを使うのが良い
(ただし適切な使用が前提で、副作用にも注意する。)
という意味なのです。

一方で、「皮膚科専門医」のなかには、
「アトピー性皮膚炎はステロイド軟こうでは治らない」
「私が研究した食事療法をすると良くなる」
などとホームページで発信している人がいます。

この人の「意見」は
EBM的に評価すると
エビデンスレベルC(とても低い)
結果を支持する質の高い研究がない、「専門家の意見」
となります。

個人の意見はCなのですね。

日本国内外のEBMに基づき作られたのが
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインで、
最新バージョンは2021です。

次回は、
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021の
治療セクションについて説明します。


FaSoLabo京都のニュースレターに寄稿しました

20220906


今年の春、FaSoLabo京都(旧称:アレルギーネットワーク京都ぴいちゃんねっと)のニュースレターの表紙に、サポーター団体紹介として、まつもとクリニックの紹介文を寄稿しました。

この紹介文が、クリニックの紹介としてわかりやすいかな
と思い、ブログにアップしてみました。
見えにくいときは、クリックすると拡大して表示されます。

FaSoLabo京都は、2005年、食物アレルギーの子どもたちのための任意団体「ぴいちゃんねっと」として設立されました。

食物アレルギーの子どもたちの相談、援助、勉強会などの活動をされています。
くわしい活動内容については、ホームページをご覧になってください。

FaSoLabo京都
ホームページ
活動内容(ご挨拶)

私(院長)も、勉強会「アレルギー大学」で、講座「子どものアトピー性皮膚炎」を担当しています。


「しっかりぬる」ことの大切さ

先日、全身アトピー性皮膚炎の患者さんを診察しました。

全身の炎症が強く、
前の皮膚科で「リンヴォック」という新しいアトピーの飲み薬を処方され
いったん改善したものの
「リンヴォック」の副作用、頭痛で内服続けることが出来ず、中止。
その後また全身かゆくなり
かゆみで夜間不眠というかたでした。

ステロイド軟膏と抗アレルギー剤を処方し
FTUでしっかり外用するように
診察室でFTUでしっかりぬることの大切さを説明し
看護師が実際にステロイドで外用処置を行い
1週間の再診を約束しました。
FTUの説明は、こちら

1週間後再診しました。
アトピーの炎症は改善していて
患者さんから
「リンヴォック飲んだのと同じくらいすっかり良くなりました。」
「頭痛などもなく、楽だった」
とうれしい感想もいただきました。

その後ステロイド外用から
コレクチム軟膏外用に切り替えて
継続して治療を行っています。

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アトピー性皮膚炎の新しい治療として
飲み薬「リンヴォック」
生物学的製剤の注射薬「デュピクセント」
などありますが

・治療費、患者さんの金銭的負担が大きい
・今回のような副作用の問題

など、デメリットもあります。

昔からある
ステロイド外用剤を
正しく外用することで
治療効果が上げられれば
それがベターなのでは、
と私は思っています。

正しい外用方法=FTU
を理解し実行するには
FTUを体験してもらうのが一番です。

まつもとクリニックでは
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに沿って
正しいステロイドの外用方法、
FTUを患者さんにお伝えするように
診療を行っています。

アトピー性皮膚炎に困っているかた、
当院では予約診療をしていますので
まずは、予約のお電話をお待ちしています。
予約方法は、こちら


コレクチム軟こう・アトピー性皮膚炎の新しい薬

6月24日から、コレクチム軟こうというアトピー性皮膚炎の新しい治療薬が使えるようになります。

コレクチム軟こうとは。

簡単に言うと、
ステロイドではないので毎日外用できる。
プロトピックのような刺激感、熱感がない。
という、「イイトコドリ」の軟こうなのです。

医学的な話を少しだけしますと
インターロイキンという、アレルギー反応を起こす物質をブロックして
皮膚の炎症やかゆみを改善していきます。

実際の治療では、
ステロイドとの組み合わせ
プロトピックとの使い分け
などがポイントになるかと思います。

コレクチム軟こう。私も、とても期待しています。

今年でプロトピック軟こう発売20年

一月遅れですが、、
明けましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします。

今年2019年11月で、
プロトピック軟こう0.1%(成人用プロトピック)が発売されて丸20年となります。

「十年一昔」といいますが
もうそんなに経ったのか、というのが実感です。

プロトピックは「商品名」で、物質、化合物の名前はタクロリムスといいます。

タクロリムスは初めは移植治療で使われる免疫抑制剤として開発されました。

タクロリムス発売によって移植の成功率が向上し、
“miracle drug”(奇跡の薬)とアメリカで評価されました。

注射薬・飲み薬であったタクロリムスを0.1%の濃度で外用剤にしたのが
プロトピック軟こうで、
同じように
“life changing medicine”(人生を変える薬)
これまで良くならなかったアトピー性皮膚炎が良くなるようになった
とアメリカで新聞に掲載されました。

ところが日本では、
プロトピックが発売された当初、
「顔に毎日塗って良いアトピーの新しい薬」
という触れ込みで、
炎症を起こしているかゆい顔にいきなり外用して
ヒリヒリしてぬり続けることが出来なかった
という副作用が頻発しました。

まつもとクリニック看護師長の松本看護師も、20年前のその被害者の一人です。。

刺激感ですが
ステロイドで炎症を改善してからプロトピックに切り替えることで
改善できることが多いです。

まつもとクリニックでは、
再発しやすいアトピー性皮膚炎の治療に
ステロイド軟こうとプロトピック軟こうを組み合わせて使う
プロアクティブ療法を行っています。


黄砂のせいでは?

連休もとうに過ぎてヒノキ花粉も終息し、
イネ科花粉症の時期になりました。

今年は例年になく眼、鼻のトラブルが続いている患者さんが多い印象です。
かく言う私も、そうです。

テレビの天気予報では
「黄砂」が観測された
とも。

黄砂のせいか!
イネ科にしては、きついと思った。。

梅雨になると症状改善も期待できますが
それまでの間、内服、点眼点鼻治療に加えて、
帰宅後洗顔、うがいなどのセルフケアを
続けるのが良いと思います。


ひのきの花粉にご注意!

4月になり花粉もヒノキへと変わっています。
ここ数日は、日によって多かったり、少なかったり変動があるようです。

ヒノキは、花粉粒子の大きさがスギより小さく、
のど、咳、喘息などの症状を起こしやすい特徴があります。

治療を受けている人も、そうでない人も
マスク、うがい、洗顔などのセルフケアは
症状改善、発症予防のため
習慣として続けてください。