栗、バナナとラテックスアレルギー
一度に39項目測定できる血液検査、View39。
ラテックスは最後の項目にあります。
ラテックスは天然ゴムの成分です。
テレビや映画の医療ドラマで外科医が手術の時に着用する黄色い手袋を一度は見たことがあると思いますが、あれがラテックス手袋です。
ラテックス、天然ゴムは、滅菌ゴム手袋や、カテーテル・絆創膏などの医療用具のほかに、炊事用手袋、ゴム風船、コンドームなどの日用品として日頃から接触する機会が多い物質です。
そのラテックスに接触する機会が多いと、ラテックスに対するアレルギーを起こすことがあります。皮膚の接触が原因でアレルギーを起こすようになることを「経皮感作(けいひかんさ)」といいます。
あしたが変わるトリセツショーの「食物アレルギーのトリセツ」でも取り上げられていましたが、ラテックスに対する「交差反応」で、ラテックスアレルギーのある人が栗やバナナにアレルギーを起こすことがあります。
わかりやすい表がありましたので、転載します。
食物アレルギー診療ガイドライン2021ダイジェスト版(一般社団法人日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会作成)より転載
最近の医療現場では、ラテックスへの経皮感作を減らすために、また、滅菌手袋を使う必要のない処置では、ラテックスではなく、プラスチック手袋やニトリル手袋を使うようになってきています。
ラテックスアレルギーは、血液検査で診断が出来るので、怪しい症状のある方は検査をおすすめします。当院でも検査は可能です。
おまけ
ペットの鳥と、卵、鶏肉アレルギー
あしたが変わるトリセツショーの「食物アレルギーのトリセツ」で、鳥を飼っている人が、卵や鶏肉アレルギーになることがある、ともいわれていました。
これも表がありましたので、転載しておきます。
bird-egg症候群、大人の卵、鶏肉アレルギー
食物アレルギー診療ガイドライン2021ダイジェスト版(一般社団法人日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会作成)より転載
調べてみたところ、「Gal d 5」というアレルゲンは特殊で、健康保険では検査することが出来ません。bird-egg症候群は、問診(鳥飼育の有無)と、卵、鶏肉アレルギーの検査から、総合的に診断することになります。