大阪府保険医協会主催の糖尿病についてのWeb講演会を聴講しました。
「心血管腎合併・高度肥満合併など難治性の糖尿病への取組み ー最新の糖尿病治療薬の進歩を含めてー」 国立循環器病センター 糖尿病・脂質代謝内科部長 細田公則先生
・持続血糖モニタリングを行えば、HbA1cに替わる指標として以下が国際的に目標とされている。
①正常血糖時間帯割合(血糖値70-180㎎/dL)が70%以上
②高血糖時間帯割合(血糖値180㎎/dL 以上)が25%以下
③低血糖時間帯割合(血糖値70㎎/dL 以下)が4%以下
高齢者はそれぞれ、50%以上、50%以下、1%以下となっています。
つまり、血糖値はできるだけ70~180㎎/dL の間に保つべきで、高齢者の患者さんの場合はもう少し緩くても良いが、低血糖は極力起こさないようにすべき、ということです。
・最近使われ始めたGLP-1 受容体作動薬は血糖の高い時にインスリン分泌を促すので低血糖になりにくい。HbA1cは1~2%、体重も減る。心血管死、脳卒中も減らすデータがある。
・SGLT-2阻害薬は脳卒中を減らす効果は認められていないが、当初心配されたような脳卒中を増やすことはない。心筋梗塞の再発予防効果はありそう。
・どんどん新しい薬が開発されてきています。私はあまり新薬には飛びつかない方ですが、安全性をみて診療に取り入れていきたいと思います。