わくわくするほど楽しい

広治氏

リサイクルショップに古着を出しに行った時、このような室伏広治さんの本が90円で売っており、面白そうだったので買って読みました。

私は本格的な陸上競技の経験はありませんが、このようなアスリートがどんな努力をしてきたのか、ということについては結構興味があって色々読んでいます。

大学生の時、室伏広治さんのお父さん、室伏重信さんの本を読んだことがあります。まだ自宅の本棚に残っていました。下の写真の本です。彼がスランプに陥った時、当時貴重だった8ミリで自分のフォームを撮影し、二か月間練習は全くやめ、動画を毎日毎日何時間も見て自分のフォームを研究してスランプを脱したという記述を覚えています。

重信氏

今でもハンマー投げの日本歴代記録は、一位が室伏広治さんの84m86(2003年6月29日)、二位が室伏重信さんの75m96(1984年7月15日)です。

広治さんは2004年アテネオリンピックで金メダルを取りましたが、30歳台後半となった2011年には世界選手権で金メダル、2012年ロンドンオリンピックでは銅メダルを獲得しています。この競技生活晩年期には20歳台のような量の練習をやめ、投擲回数を必要最小限に減らして一本一本綿密に練り上げた課題を持たせて練習していたようです。

スポーツといえば「つらい負荷に耐えて動作を繰り返して体に覚えさせる」という練習がつきものですが、そのような反復練習でなく、感覚を働かせて「機能の覚醒」を試みるため様々なトレーニングを工夫しました。バーベルの重りの代わりにハンマーをぶら下げて、それが揺れるのをバランスを保ちながら姿勢を保持する、あるいは新聞紙を片手で丸めて小さくしてゆく、などです。

広治さんはこのようなトレーニングや試合に臨む一連の取り組みを「わくわくするほど楽しい」と書いています。この流れが「ゾーンに入る」ということに繋がったのでしょう。

 






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