高濃度ビタミンC点滴をうけるにはなぜG6PD酵素の検査を受けたほうがいいの?

G6PD(グルコース-6-リン酸脱水素酵素)は、赤血球に含まれる酵素で、主に酸素を運ぶ役割を担っています。G6PD欠損症は、この酵素が生まれつき少ない、または機能が不十分なために起こる遺伝性の病気です。
G6PD欠損症では、急性の病気や薬を使用した後に赤血球が破壊され(溶血)、貧血が起こりやすくなります。赤血球の破壊により、皮膚や白眼の部分が黄色くなったり(黄疸)、暗色の尿が出たり、ときに背部や腹部が痛んだりするなどの症状が引き起こされることがあります。
G6PD欠損症は、特定の民族集団(例、アフリカ系アメリカ人、地中海盆地に祖先をもつ人々、アジアに祖先をもつ人々)で発生率が高いです。
急性疾患(例、感染)、薬物(例、サリチル酸系)、酸化ストレスを引き起こす物質(例、ソラマメ)などによって上記のような症状が引き起こされることがあります。
ビタミンCの投与でも同様な異常が引き起こされますが、一般的に食事などで体内に入る量では全く問題はありません。高濃度のビタミンCを投与する場合は G6PD欠損がある場合障害が起きる可能性があります。現在報告されているものとして15g以上のビタミンC投与では障害が発生していることが確認されます。
当院では高濃度ビタミンC点滴はビタミンC含有量が15gを超えないように調整しております。
ただし超高濃度ビタミンC点滴の場合は高濃度ビタミンC点滴の倍量のビタミンCを含むためご自身のG6PDに欠損がないかどうかを確認されてから投与されることをお勧めします。
超高濃度ビタミンC点滴を希望される方は、G6PD検査の予約をしていただき、検査結果を確認してからの投与開始が望ましいと考えています。






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