ステロイドの使い方NG集・その2「セレスタミン」

花粉症より、アトピー性皮膚炎の方が若干多い印象がありますが、
医師、薬剤師からきちんとした説明を受けずに
セレスタミンを飲み続けている患者さんが時々おられます。

セレスタミン
=ベタメサゾン(ステロイド)+d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(ポララミン)

ステロイド内服薬なので、
花粉症やかゆみには確かによく効きます。

この前、セレスタミンで眠くて困っている患者さんを診察しましたが、
それは、ポララミンという古い世代の抗ヒスタミン剤成分のせいなのです。

前医よりセレスタミンを処方されていて、
高雄病院やまつもとクリニックで私が診察した患者さんには
幸いに内服ステロイドの全身副作用が出た人はいませんでした。

ですが、飲み続けると
糖尿病、高血圧、高脂血症、胃潰瘍、骨粗鬆症などが悪化する
危険性や
副腎機能抑制といって
自分の体の副腎皮質ホルモン分泌能力が低下してしまうこともありますので
長期間の定期的服用はNGです。

まつもとクリニックの初診時問診で、
前医から
「セレスタミンはステロイドが入っているから」
と説明された覚えのある患者さんは皆無ですから、
医師サイドでは
単なる、「よく効くアレルギーの薬」ぐらいにしか
認識されていないのではないか、と疑いたくなります。

ちなみに、今はジェネリック薬がありますので
エンペラシン、クロコデミン、サクコルチン、セレスターナ、ヒスタブロック、ビヘルス、プラデスミン、ベタセレミン
もセレスタミンという薬に該当します。

もし、現在これらの薬を知らずに飲み続けている方、
怖いと思っていきなり中止することは絶対に避けてください。
「副腎抑制」「アトピーのリバウンド」など
いきなり内服中止することで体調を崩したり、病気が悪化することがあります。
セレスタミンは、医師の診察の元で病状、体調をみながら
徐々に減量していけば、安全にやめることができます。

まつもとクリニックでは、
アレルギー疾患に対して
絶対に内服ステロイドは出さないのではなく、
・必要なときに、必要な量を処方する
・患者さんに必ず説明する
方針をとっています。

例えば、
全身じんましんや、顔面じんましん、眼球の浮腫などに対して
数日に限って処方するようにしています。

追記

ごくまれに、
「外用ステロイドは出さずにアトピーをよくします」
といいつつ
こっそり内服ステロイドを出したりする医療機関もありますので
薬剤情報など気をつけてみるようにすることをお勧めします。