千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の3回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラム(復職支援プログラム)の深化ー心理療法の導入〗
これまで述べたようにリワークプログラムは集団を対象(復職支援プログラムは集団を対象)に行うので集団療法としてのメンタルヘルス(心療内科的健康)視点が基本的にあるのだが、メンタルヘルス科的な手法(心療内科的な手法)としてのSST(社会技能訓練)などはこれまでも多用されてきました。しかし、メンタルヘルス科リハビリテーション(心療内科リハビリテーション)の領域で心理療法をそのメンタルヘルス科治療(心療内科治療)としてのリワークプログラムに系統的に取り入れた(復職支援プログラムに系統的に取り入れた)のは、メンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)などの「抑うつ状態」をメンタルヘルス科治療対象(心療内科治療対象)としたこのリワークプログラムがおそらく最初(復職支援プログラムがおそらく最初)です。
当初、リワークプログラムの一環(復職支援プログラムの一環)として復職後(リワーク後)に集団認知行動療法がクローズドグループで開始されました。当時のリワークプログラムの内容(復職支援プログラムの内容)はまだまだ手探り状態で、運動リワークプログラム(運動復職支援プログラム)として卓球、自作のテキストを用いてメンタルヘルス疾患の勉強(心療内科的健康疾患の勉強)をするメンタルヘルス疾患教育(心療内科的健康疾患教育)、休職のメンタルヘルス原因(心療内科的健康原因)を探る自己分析、オフィスワークなどが主なものであったことから、メンタルヘルス科専門病院(心療内科専門病院)で実施されていた集団認知行動療法のメンタルヘルス専門スタッフ(心療内科的健康専門スタッフ)を講師として招き、復職支援施設(リワーク施設)のメンタルヘルススタッフ(心療内科的健康スタッフ)も加わって復職後の再休職(リワーク後の再休職)に対する予防目的のリワークプログラム(予防目的の復職支援プログラム)として取り入れられました。
その後、全国のメンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)が集まりうつ病患者などメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)を対象としたリワーク研究会(復職支援研究会)が発足したが、その頃より認知行動療法等の心理療法をリワークプログラムに導入(復職支援プログラムに導入)する復職支援施設が増えて(リワーク施設が増えて)きました。2008(平成20)年度より厚生科学研究でリワークプログラムの標準化をテーマ(復職支援プログラムの標準化をテーマ)としたメンタルヘルス調査研究(心療内科的健康調査研究)の結果、2010(平成22)年には「標準化リワークプログラム(標準化復職支援プログラム)」の一つのメンタルヘルスカテゴリー(心療内科的健康カテゴリー)に心理療法が位置づけられ、リワークプログラムを形成(復職支援プログラムを形成)する一つの重要なメンタルヘルス要素(心療内科的健康要素)となりました。現在では全国のメンタルヘルス科医療機関(全国の心療内科医療機関)で行われているリワークプログラムのうち、約20%(復職支援プログラムのうち、約20%)が心理リワークプログラム(心理復職支援プログラム)で構成されています。行われる心理療法は認知療法、認知行動療法、行動療法、対人関係療法、サイコドラマなど多彩です。
このように、メンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)による休職中のメンタルヘルス不調者(休職中の心療内科的健康不調者)が復職や再休職(リワークや再休職)の予防という共通のメンタルヘルス目的(心療内科的健康目的)を持つ均一なメンタルヘルス集団(心療内科的健康集団)が構成できたことは、リワークプログラムの成立(復職支援プログラムの成立)には重要な点であるが、加えて心理療法的アプローチがリワークプログラムを通してなされ、再休職予防(復職支援プログラムを通してなされ、再休職予防)へのメンタルヘルス効果(心療内科的健康効果)が発揮されています。そもそも職場で働くということは対人関係が主要なメンタルヘルス要素(対人関係が主要な心療内科的健康要素)であり、集団療法と心理療法を取り入れたリワークプログラムの成り立ち(復職支援プログラムの成り立ち)は自然なものであったと考えられるが、うまく融合した形でリワークプログラム化(復職支援プログラム化)されていることが大事です。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
月別アーカイブ: 2022年2月
コロナ禍のメンタルヘルス(その2)
メンタルヘルス面(心療内科的健康面)での不安の対象としては、「自分や家族の感染への不安」が6割以上と最も多く、中でも50歳未満の女性のメンタルヘルス面(女性の心療内科的健康面)での不安に対する割合が高かったです。働き盛りである30~49歳男性のメンタルヘルス面(男性の心療内科的健康面)や20~49歳女性のメンタルヘルス面(20~49歳女性の心療内科的健康面)では、「自分や家族の仕事や収入に関する不安」の割合が高かったです。15~19歳の若年層のメンタルヘルス面(若年層の心療内科的健康面)においては「自分や家族の勉強や進学に関する不安」の割合が高かったです。
さて、新型コロナの第6波に備えて昨年12月以降、医療従事者から優先的に新型コロナワクチン3回目の接種(いわゆるブースター接種)が開始されましたが、2回目接種後から概ね8ヶ月間経過した方が対象です。コロナ禍の状況では、自らの感染予防だけでなく、周囲への感染拡大防止のためにも、外出時や当クリニックへの受診時には、必ずマスクを着用するようにしましょう!ところで、相変わらず職場での人間関係に馴染めず、精神的ストレスにより、夜眠れなくて中途覚醒や早朝覚醒したり、朝がきても熟眠障害で疲れがとれなくて起床できず、日内変動など朝のメンタルヘルス(心療内科的健康)不調は続いてませんか?不眠症による生活リズムの乱れで昼夜逆転して、毎朝会社へ出勤するのが億劫で、最近、欠勤や遅刻・早退など勤怠の乱れが増えてませんか?何とか会社へ出勤できても、朝のメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)により、気分の憂うつや落ち込み・集中力の低下で、仕事がはかどらずにミスをくり返すなど、仕事でのパフォーマンスや業務遂行能力の低下は認められませんか?また、日中と夜間・早朝の寒暖差や天候不良の影響で、頭痛・めまい・動悸・倦怠感など自律神経失調症や食欲不振による体調不良はないですか?夕方以降も漠然とした不安や焦り・イライラなどのメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)が続いてませんか?休日、ストレス発散や気分転換したり、セルフメンタルヘルスケア(セルフ心療内科的健康ケア)してもメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)が回復せず、更なるメンタルヘルス不調の悪化(心療内科的健康不調の悪化)が続く場合、うつ病などのメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)の可能性もあるため、注意が必要です。メンタルヘルス疾患の早期発見(心療内科的健康疾患の早期発見)・早期治療や、メンタルヘルス不調で会社を休業(心療内科的健康不調で会社を休業)・休職する前に、メンタルヘルス全般(心療内科的健康全般)についてご相談のある方は、是非一度、豊中市 千里中央・心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」へ早期の受診をお勧めいたします。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その2)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の2回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラム(復職支援プログラム)の黎明ー集団療法としての側面〗
リワークプログラムの先駆け(復職支援プログラムの先駆け)は1997(平成9)年より始められた職場復帰援助プログラム(リワーク援助プログラム)(RAP)であるが、当時は休職中のメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)を集め、リワークプログラムへ通所(復職支援プログラムへ通所)してオフィスワークなどの机上での作業や卓球などの運動を集団で行う集団療法の域を出るものではなかったです。それでもメンタルヘルス科診察室(心療内科診察室)内でのメンタルヘルス科診療(心療内科診療)で得られるメンタルヘルス情報(心療内科的健康情報)と比べると、集団の場でのメンタルヘルス(心療内科的健康)不調者の言動は多くの貴重なメンタルヘルス情報(貴重な心療内科的健康情報)が得られる点で大きなメンタルヘルス効果(心療内科的健康効果)がありました。
2005(平成17)年1月より診療報酬上でのメンタルヘルス科デイケア(心療内科デイケア)でリワークプログラムが始められた(復職支援プログラムが始められた)が、リワークプログラム中(復職支援プログラム中)に軽躁状態がかなり多い、あるいは、適応障害とはいうもののそのメンタルヘルス背景(心療内科的健康背景)に発達障害あるいはそのメンタルヘルス傾向(心療内科的健康傾向)が潜んでいることなどが見られたことから、集団の場から得られるメンタルヘルス情報(得られる心療内科的健康情報)からメンタルヘルス科診断(心療内科診断)が変更されることも珍しくないことがありました。したがって、リワークプログラムの役割(復職支援プログラムの役割)はメンタルヘルス科診断の場(心療内科診断の場)であると考え、薬物療法を見直す、あるいは、メンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)やメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)に焦点を当てたリワークプログラムを開発(復職支援プログラムを開発)することにより、より深いレベルでのメンタルヘルス科診断(より深いレベルでの心療内科診断)に基づくメンタルヘルス科リハビリテーション(心療内科リハビリテーション)ができることとなりました。これらのことは集団療法としてのリワークプログラムの存在価値(復職支援プログラムの存在価値)が位置づけられたといえるでしょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
コロナ禍のメンタルヘルス(その1)
新型コロナウイルス感染症によるメンタルヘルス面(心療内科的健康面)への影響が指摘されています。
厚生労働省では、令和2年9月に新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルス(心療内科的健康)に関するインターネット調査を15歳以上の国民に行っています。メンタルヘルス調査(心療内科的健康調査)結果では、国民の半数程度の人が何らかのメンタルヘルス面(何らかの心療内科的健康面)での不安を感じており、「神経過敏に感じた」「そわそわ、落ち着かなく感じた」などとメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)を訴えています。
さて、新型コロナの第6波に備えて昨年12月以降、医療従事者から優先的に新型コロナワクチン3回目の接種(いわゆるブースター接種)が開始されましたが、2回目接種後から概ね8ヶ月間経過した方が対象です。コロナ禍の状況では、自らの感染予防だけでなく、周囲への感染拡大防止のためにも、外出時や当クリニックへの受診時には、必ずマスクを着用するようにしましょう!ところで、相変わらず職場での人間関係に馴染めず、精神的ストレスにより、夜眠れなくて中途覚醒や早朝覚醒したり、朝がきても熟眠障害で疲れがとれなくて起床できず、日内変動など朝のメンタルヘルス(心療内科的健康)不調は続いてませんか?不眠症による生活リズムの乱れで昼夜逆転して、毎朝会社へ出勤するのが億劫で、最近、欠勤や遅刻・早退など勤怠の乱れが増えてませんか?何とか会社へ出勤できても、朝のメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)により、気分の憂うつや落ち込み・集中力の低下で、仕事がはかどらずにミスをくり返すなど、仕事でのパフォーマンスや業務遂行能力の低下は認められませんか?また、日中と夜間・早朝の寒暖差や天候不良の影響で、頭痛・めまい・動悸・倦怠感など自律神経失調症や食欲不振による体調不良はないですか?夕方以降も漠然とした不安や焦り・イライラなどのメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)が続いてませんか?休日、ストレス発散や気分転換したり、セルフメンタルヘルスケア(セルフ心療内科的健康ケア)してもメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)が回復せず、更なるメンタルヘルス不調の悪化(心療内科的健康不調の悪化)が続く場合、うつ病などのメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)の可能性もあるため、注意が必要です。メンタルヘルス疾患の早期発見(心療内科的健康疾患の早期発見)・早期治療や、メンタルヘルス不調で会社を休業(心療内科的健康不調で会社を休業)・休職する前に、メンタルヘルス全般(心療内科的健康全般)についてご相談のある方は、是非一度、豊中市 千里中央・心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」へ早期の受診をお勧めいたします。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その1)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」というタイトルで、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
リワークプログラム(復職支援プログラム)とは、メンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)とりわけメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)によって休職しているメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)を対象とする復職プログラムで、メンタルヘルス科医療機関のデイケア(心療内科医療機関のデイケア)などで再休職の予防を最終目標とするメンタルヘルス科治療(再休職の予防を最終目標とする心療内科治療)のための職場復帰プログラムです。現在、日本全国で220ヵ所以上のメンタルヘルス科医療機関(220ヵ所以上の心療内科医療機関)でリワークプログラムが実施(復職支援プログラムが実施)されています。そのようなリワークプログラムの発展(復職支援プログラムの発展)の経緯を検討すると3つの大事な要素があると考えられます。それは、①集団療法であるという点、②心理療法がリワークプログラム化(復職支援プログラム化)されていること、③時代性という背景、です。つまり、リワークプログラムは単なる集団療法(復職支援プログラムは単なる集団療法)ではなく、集団療法と心理療法が一体として提供されていることが重要です。リワークプログラムを必要(復職支援プログラムを必要)とする背景として、メンタルヘルス障害圏(心療内科的健康障害圏)のメンタルヘルス疾患の非定型化(心療内科的健康疾患の非定型化)を基とした広がりや発達障害などを背景とするメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)による休職者が増加した社会的背景があったことも関係しています。また、リワークの分類(復職支援の分類)には、メンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)で行われるメンタルヘルス科治療(心療内科治療)としての医療リワーク(医療復職支援)、メンタルヘルス(心療内科的健康)障害者職業センターで行われる職業リハビリテーションとしての職業リワーク(職業復職支援)、そして、職場やEAPで行われる復職可否(リワーク可否)の見極めを行う職場リワーク(職場復職支援)に分けられ、それぞれリワークの役割(復職支援の役割)が異なることが指摘されます。リワークプログラムの概要(復職支援プログラムの概要)では、リワークプログラムの治療構造(復職支援プログラムの治療構造)についても言及し、復職後(リワーク後)にはじめてスタート地点に立つという意味で、復職後のフォロー(リワーク後のフォロー)とメンタルヘルス科治療も重要(心療内科治療も重要)である点に触れます。また、次回以降では、リワークプログラムの概要(復職支援プログラムの概要)やリワークプログラム終了後(復職支援プログラム終了後)の就労継続性を指標としたアウトカムデータも示し、今後のリワークプログラムの課題(復職支援プログラムの課題)についても述べます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。