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心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その22)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の22回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅪ)
職場のメンタルヘルス不調の背景因子職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑪~
勤労者のメンタルヘルス評価法勤労者の心療内科的健康評価法)ⓔ
B.メンタルヘルス評価心療内科的健康評価)とそのためのメンタルヘルス情報収集心療内科的健康情報収集)(ⅱ)
3.メンタルヘルス質問票調査心療内科的健康質問票調査
ストレス反応職業性ストレス因子、緩衝メンタルヘルス要因心療内科的健康要因)それぞれについて、メンタルヘルス評価のため心療内科的健康評価のため)のメンタルヘルス質問票が数多く開発心療内科的健康質問票が数多く開発)されています。
わが国で開発された職業性ストレス簡易調査票は、57項目からなり、メンタルヘルス対策心療内科的健康対策)を講じる上で特に重要と考えられるストレス反応職業性ストレス因子、および緩衝メンタルヘルス要因緩衝心療内科的健康要因)をメンタルヘルス評価できるように構成心療内科的健康評価できるように構成)されています。
NIOSH職業性ストレス調査票は、22尺度253項目、同NIOSH職業性ストレス調査票日本語版は21尺度、233項目と大きなメンタルヘルス質問票大きな心療内科的健康質問票)であるが、職業性ストレス要因だけでも、量的労働ストレス労働ストレスの変動、メンタルヘルス的要求心療内科的要求)、仕事のコントロール、技能の低活用、人々への責任、グループ内対人ストレスグループ間対人ストレス役割ストレス、役割の曖昧さ、仕事の将来の曖昧さ、雇用機会、物理的環境という13の側面をメンタルヘルス評価13の側面を心療内科的健康評価)できます。メンタルヘルス評価する側面を精選心療内科的健康評価する側面を精選)した短縮版も提唱されています。
その他、わが国で比較的多く使用されているストレス反応関連メンタルヘルス質問票心療内科的健康質問票)を表3に示しました。
◇表3 ストレス反応に関連したメンタルヘルス質問票(職場でよく使用されるもの)心療内科的健康質問票(職場でよく使用されるもの)
『●POMS→不安緊張抑うつ気分気分が憂うつ・落ち込み)、怒り、敵意、活気疲労、混乱/65項目(5段階回答)/過去1週間(教示により変更可)でのメンタルヘルス測定過去1週間(教示により変更可)での心療内科的健康測定
●STAI→状態不安特性不安/各20項目(4段階回答)/メンタルヘルス調査時点、普段心療内科的健康調査時点、普段)でのメンタルヘルス測定心療内科的健康測定
●CES-D→抑うつ気分が憂うつ)/20項目(4段階回答)/過去1週間でのメンタルヘルス測定過去1週間での心療内科的健康測定
メンタルヘルス自覚症心療内科的健康自覚症)調べ→ねむけ感、不安定感、不快感、だるさ感倦怠感)、ぼやけ感/25項目(5段階回答)/メンタルヘルス調査心療内科的健康調査時点でのメンタルヘルス測定時点での心療内科的健康測定
●THI(東大式メンタルヘルス調査票東大式心療内科的健康調査票))→メンタルヘルスの異常症状心療内科的健康の異常症状)(12尺度)/130項目(3段階回答)/過去数週間でのメンタルヘルス測定過去数週間での心療内科的健康測定
●CFSI(蓄積的疲労徴候インデックス)(注:目的は集団のメンタルヘルス評価集団の心療内科的健康評価))→不安徴候抑うつ状態などメンタルヘルス不調心療内科的健康不調)、イライラメンタルヘルス状態心療内科的健康状態)、一般的疲労感慢性疲労、身体不調、労働意欲低下/81項目(2段階回答)/メンタルヘルス調査時点心療内科的健康調査時点)(特定せず)でのメンタルヘルス測定特定せず)での心療内科的健康測定)』
メンタルヘルス質問紙調査心療内科的健康質問紙調査)は、ほかのメンタルヘルス検査ほかの心療内科的健康検査)に比べ、手間がかからず安価での実施が可能であることから、広く行われているが、そのメンタルヘルス質問紙調査だけその心療内科的健康質問紙調査だけ)でメンタルヘルス問題心療内科的健康問題)の所在やメンタルヘルス問題の大きさ心療内科的健康問題の大きさ)が確定できるものではなく、あくまで見立て(メンタルヘルス障害心療内科的健康障害)の場合はメンタルヘルススクリーニング心療内科的健康スクリーニング))としての利用という限界をわきまえて活用すべきです。
なお、使用するメンタルヘルス質問票使用する心療内科的健康質問票)は、高い信頼性・妥当性が確保されていること、メンタルヘルス学会心療内科的健康学会)発表などで既にメンタルヘルス報告心療内科的健康報告)されているほかの事業場のメンタルヘルスデータ心療内科的健康データ)と比較しやすいことなどから、新規に作成するより、既存のメンタルヘルス質問票既存の心療内科的健康質問票)を選択することが勧められます。信頼性とは、同じメンタルヘルス状態同じ心療内科的健康状態)の同一メンタルヘルス対象心療内科的健康対象)を繰り返しメンタルヘルス測定した際心療内科的健康測定した際)にメンタルヘルス結果心療内科的健康結果)が一致する程度をさします。妥当性とは、メンタルヘルス測定しよう妥当性とは、心療内科的健康測定しよう)としているメンタルヘルス事象心療内科的健康事象)を正しくメンタルヘルス測定する程度心療内科的健康測定する程度)を意味します。
4.管理監督者(上司)を通じて
⇒通常、管理監督者(上司)は、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフ心療内科的健康スタッフ)よりも、勤労者(部下)と接する機会がはるかに多いです。したがって、勤労者のメンタルヘルス不調勤労者の心療内科的健康不調)や過重ストレスによる勤労者のメンタルヘルス変化心療内科的健康変化)にも気づきやすいです。また、職場のメンタルヘルス職場の心療内科的健康)不調のメンタルヘルス症状心療内科的健康症状)の中には、メンタルヘルス不調者心療内科的健康不調者)本人よりも周囲のほうが早期にメンタルヘルス不調に気づきやすい早期に心療内科的健康不調に気づきやすい)ものがあります。
管理監督者メンタルヘルス教育心療内科的健康教育)において、この部下のメンタルヘルス変化への気づき心療内科的健康変化への気づき)の重要性を強調し、そのメンタルヘルス変化のポイント心療内科的健康変化のポイント)をわかりやすく解説するとよいです。その際には、部下のメンタルヘルス変化部下の心療内科的健康変化)に気づいた後、どのように声をかけ、話を聴いて、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフにつなぐか心療内科的健康スタッフにつなぐか)の具体的な方法を説明することも重要です。メンタルヘルス指針心療内科的健康指針)においても、管理監督者へのメンタルヘルス教育研修心療内科的健康教育研修)・メンタルヘルス情報心療内科的健康情報)提供の内容として、ストレスおよびメンタルヘルスケア心療内科的健康ケア)に関するメンタルヘルス基礎知識心療内科的健康基礎知識)、管理監督者の役割および心の健康問題に対する正しい態度(メンタルヘルス不調に対する正しい態度心療内科的健康不調に対する正しい態度))、勤労者からのメンタルヘルス相談心療内科的健康相談)対応(話の聴き方、メンタルヘルス情報提供心療内科的健康情報提供)およびメンタルヘルス助言心療内科的健康助言)の方法等)、事業場内産業保健スタッフなどの事業場内メンタルヘルススタッフ事業場内心療内科的健康スタッフ)等との連絡およびこの事業場内メンタルヘルススタッフを通じたこの事業場内心療内科的健康スタッフを通じた)事業場外資源との連携の方法などが挙げられています。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その21)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の21回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅩ)
職場のメンタルヘルス不調の背景因子職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑩~
勤労者のメンタルヘルス評価法勤労者の心療内科的健康評価法)ⓓ
B.メンタルヘルス評価心療内科的健康評価)とそのためのメンタルヘルス情報収集心療内科的健康情報収集)(ⅰ)
勤労者のメンタルヘルス状態勤労者の心療内科的健康状態)、そのメンタルヘルス状態心療内科的健康状態)が脅かされるメンタルヘルスリスク心療内科的健康リスク)、関連するメンタルヘルス要因心療内科的健康要因)は、さまざまな角度(例えば、管理監督者による部下の変化への気づきとメンタルヘルス対応心療内科的健康対応)や、メンタルヘルス評価対象別心療内科的健康評価対象別)(①メンタルヘルス疾患の有無心療内科的健康疾患の有無)、②メンタルヘルス不調の有無心療内科的健康不調の有無)、③ストレス反応、④ストレス因子、⑤緩衝メンタルヘルス要因緩衝心療内科的健康要因))にみた有用なメンタルヘルス情報元心療内科的健康情報元)(①職場での人事関連メンタルヘルス情報職場での人事関連心療内科的健康情報)、②職場でのメンタルヘルス職場での心療内科的健康)診断、③管理監督者(上司)、④個別メンタルヘルス相談心療内科的健康相談)、⑤職場巡視、⑥家族)など)からメンタルヘルス評価をすることが可能心療内科的健康評価をすることが可能)です。それらメンタルヘルス評価のうちそれら心療内科的健康評価のうち)、質問紙によるメンタルヘルス障害心療内科的健康障害)のメンタルヘルススクリーニングを目的心療内科的健康スクリーニングを目的)としたメンタルヘルス質問票心療内科的健康質問票)および産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフ心療内科的健康スタッフ)が行うメンタルヘルス科面接法心療内科面接法)については後で詳述することとし、ここでは、メンタルヘルススクリーニング心療内科的健康スクリーニング)およびメンタルヘルス科面接法などを除いた手段心療内科面接法などを除いた手段)について解説します。メンタルヘルス評価のため心療内科的健康評価のため)のメンタルヘルス情報心療内科的健康情報)をいかに多面的に収集し、その収集したメンタルヘルス情報を妥当な形で統合心療内科的健康情報を妥当な形で統合)するかは、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフの手腕心療内科的健康スタッフの手腕)の見せ所です。
1.人事関連メンタルヘルス情報人事関連心療内科的健康情報
⇒欠勤、遅刻・早退の増加は、メンタルヘルス状態に関する心療内科的健康状態に関する)もっともわかりやすいメンタルヘルス指標の一つ心療内科的健康指標の一つ)です。理由のはっきりしない不定期の欠勤、散発的ではあるがまとまった日数の欠勤などは、メンタルヘルス不調と関連心療内科的健康不調と関連)がある可能性があります。
うつ病などメンタルヘルス疾患心療内科的健康疾患)では、メンタルヘルス症状の日内変動心療内科的健康症状の日内変動)(朝メンタルヘルス症状心療内科的健康症状)が重く、午後になってメンタルヘルス症状が軽快心療内科的健康症状が軽快)する例が多い)のため、遅刻が目立つようになることがあります。アルコール依存症では、散発的な欠勤に加え、休日の多量飲酒(場合によっては、連続飲酒発作と呼ばれる特徴的な飲酒の仕方)によって、休日明けの欠勤が特徴的です。
こうした勤怠のメンタルヘルス問題心療内科的健康問題)は、断面ではなく、経年変化をみることで、より把握しやすくなります。
また、ほかの勤労者と比較して人事異動の回数が多い者、不定期の職場異動にも注意します。その中には、とくに大企業などで、職場での不適応症(適応障害)のために職場間の調整により異動のメンタルヘルス措置異動の心療内科的健康措置)がなされ、そのメンタルヘルス措置心療内科的健康措置)が産業保健スタッフなどのメンタルヘルススタッフには伝わっていない例心療内科的健康スタッフには伝わっていない例)があります。
2.メンタルヘルス診断心療内科的健康診断
⇒労働安全衛生規則で定められているメンタルヘルス診断項目心療内科的健康診断項目)で、メンタルヘルス不調ともっとも関連が深い心療内科的健康不調ともっとも関連が深い)のはメンタルヘルス自覚症状心療内科的健康自覚症状)のメンタルヘルス調査心療内科的健康調査)です。多くの事業場で、このメンタルヘルス自覚症状の確認心療内科的健康自覚症状の確認)のために、メンタルヘルス質問票の類心療内科的健康質問票の類)(メンタルヘルス項目アンケート心療内科的健康項目アンケート))が活用されています。メンタルヘルス質問票心療内科的健康質問票)には、イライラ気分の憂うつさ不眠といった直接メンタルヘルス不調を示唆心療内科的健康不調を示唆)するようなメンタルヘルス項目心療内科的健康項目)、頭痛、肩こり、消化器系の不調などのメンタルヘルス不調心療内科的健康不調)やストレスの高まりと関連が強いメンタルヘルス項目も含まれているのが一般的関連が強い心療内科的健康項目も含まれているのが一般的)です。
職場でのメンタルヘルス診断職場での心療内科的健康診断)では、勤労者に事前に記入を求めたメンタルヘルス質問票の回答心療内科的健康質問票の回答)を手がかりにメンタルヘルス科面接心療内科面接)が実施され、職場でのメンタルヘルス不調職場での心療内科的健康不調)の有無をメンタルヘルス評価有無を心療内科的健康評価)していくことになります。その際、前年のメンタルヘルス情報前年の心療内科的健康情報)が同時に参照できれば、その前年のメンタルヘルス情報と比較前年の心療内科的健康情報と比較)することで、メンタルヘルス自覚症状の変化心療内科的健康自覚症状の変化)がわかり、メンタルヘルス科面接の導入時の問いかけ心療内科面接の導入時の問いかけ)としても活用できます。
また、表情や問いかけに対するメンタルヘルス反応心療内科的健康反応)、身振りなども重要な手がかりです(表2)。以前のメンタルヘルス不調者心療内科的健康不調者)本人の職場での様子がわかっていると、メンタルヘルス問題に気づきやすい心療内科的健康問題に気づきやすい)です。
◇表2 メンタルヘルス科面接で注意心療内科面接で注意)したい非言語的なメンタルヘルス問題非言語的な心療内科的健康問題)の側面
『・着衣の乱れ
・髪の乱れ、化粧のメンタルヘルス状態化粧の心療内科的健康状態)(女性)
・衣服の色、アンバランス
・動作ののろさ
・動作のぎこちなさ
・落ち着きのなさ
・顔の表情(活気のなさ、疑い深い様子など)
・発汗』
ほかのメンタルヘルス項目ほかの心療内科的健康項目)では、体重、肝機能値(GOT、GPT、γ-GTP)がとくにメンタルヘルス指標心療内科的健康指標)となりやすいです。うつ病などメンタルヘルス疾患では、体重減少心療内科的健康疾患では、体重減少)は主要メンタルヘルス症状の一つ主要心療内科的健康症状の一つ)です。肝機能値、とくにγ-GTPは、飲酒量とよく相関することが知られています。他方、多量飲酒によってもγ-GTPが基準値内にとどまっている例もあり、こうしたメンタルヘルス指標を過信しないこと心療内科的健康指標を過信しないこと)にも留意したいです。
また、いずれも、身体疾患によっても、異常を来たすことに注意することは言うまでもないです。
なお、行政の新しいメンタルヘルス施策心療内科的健康施策)として、メンタルヘルス診断の枠外心療内科的健康診断の枠外)ではあるが、メンタルヘルス診断と併せて心療内科的健康診断と併せて)、職場でのストレス反応のうち、抑うつ気分が憂うつ・気分の落ち込み)、不安易疲労感に関するストレスチェックリストを実施することがメンタルヘルス的に検討心療内科的健康的に検討)されていました。
メンタルヘルス診断の場心療内科的健康診断の場)では、1人の勤労者にあまり多くのメンタルヘルス科面接時間心療内科面接時間)をかけられないところも多いでしょう。その場合は、後日再度メンタルヘルス科面接後日再度心療内科面接)したい旨を明確に伝えるとともに、メンタルヘルス科面接を無理なく行う心療内科面接を無理なく行う)にはどうすればよいか(例えば、職場を抜けて来やすい曜日、時間帯、上司に許可を得る必要がある場合には、産業保健スタッフなどのメンタルヘルススタッフからの連絡心療内科的健康スタッフからの連絡)の仕方など)を確認していくとよいです。再度のメンタルヘルス科面接のおよその所要時間再度の心療内科面接のおよその所要時間)も併せて知らせます。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その20)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の20回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅨ)
職場のメンタルヘルス不調の背景因子職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑨~
勤労者のメンタルヘルス評価法勤労者の心療内科的健康評価法)ⓒ
A.メンタルヘルス評価対象心療内科的健康評価対象)(ⅲ)
4.職業性ストレス因子ストレス要因
⇒職場には、数多くのストレス要因が存在します。勤労者がどのような仕事上のストレス要因を自覚しているかについて、勤労者が仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じているメンタルヘルス事柄心療内科的健康事柄)など勤労者メンタルヘルス状況調査勤労者心療内科的健康状況調査)(厚生労働省)のメンタルヘルス結果心療内科的健康結果)によれば、メンタルヘルス調査対象者心療内科的健康調査対象者)が自覚している割合が高いストレス要因が、必ずしもメンタルヘルス障害と関連が深い心療内科的健康障害と関連が深い)とは限らないことにも注意したいです。
複数のストレス要因を組み合わせて、ストレスの強さとそのメンタルヘルスリスク心療内科的健康リスク)をメンタルヘルス評価するモデル心療内科的健康評価するモデル)が開発されています。「仕事の要求度-コントロールモデル」は、仕事の要求度(仕事の量、スピード、複雑さなど)が大きく、コントロール度(仕事上の裁量権や自由度など)が小さい場合に、ストレスが高まりメンタルヘルスが脅かされやすい心療内科的健康が脅かされやすい)としています。
■職場不適応症(適応障害)など軽度メンタルヘルス不調について軽度心療内科的健康不調について
職場のさまざまなストレス、例えば過重な業務ストレス(仕事の質・量の問題)、仕事の適性、人間関係のメンタルヘルス問題心療内科的健康問題)などに対してうまくメンタルヘルス対応心療内科的健康対応)できず、うつ病などメンタルヘルス疾患心療内科的健康疾患)や心身症などの健康障害(メンタルヘルス障害心療内科的健康障害))を起こしてメンタルヘルス科治療心療内科治療)が必要になったメンタルヘルス事例必要になった心療内科的健康事例)を職場不適応症(適応障害)など軽度メンタルヘルス不調軽度心療内科的健康不調)と呼んでいます。職場不適応症(適応障害)など軽度メンタルヘルス不調は、個人の能力や性格軽度心療内科的健康不調は、個人の能力や性格)、行動様式などの個人的メンタルヘルス要因個人的心療内科的健康要因)と、業務の特性、業務遂行上のメンタルヘルス問題業務遂行上の心療内科的健康問題)や人間関係などの職場メンタルヘルス要因職場心療内科的健康要因)との不適合(ミスマッチ)によって生じます。メンタルヘルス科臨床診断名心療内科臨床診断名)は大部分がうつ病などメンタルヘルス疾患によるもの心療内科的健康疾患によるもの)、神経症自律神経失調症などであるが、一部に過敏性腸症候群などの心身症を単独で、あるいは合併症としてもっているメンタルヘルス事例合併症としてもっている心療内科的健康事例)があります。
メンタルクリニック心療内科クリニック)などメンタルヘルス科外来心療内科外来)を受診した職場不適応症(適応障害)など軽度メンタルヘルス不調60名軽度心療内科的健康不調60名)(20歳代~50歳代)について、その原因など職場不適応症(適応障害)による軽度メンタルヘルス不調の年代別軽度心療内科的健康不調の年代別)にみたストレッサーの内容を調べてみると、年代ごとにいくつかのメンタルヘルス的な特徴心療内科的健康的な特徴)がみられます。
20歳代の入社初期における勤労者では、自分の仕事に対する就職前のイメージと現実の仕事とのギャップ、共同作業への不慣れなど、新しい仕事や職場環境への不適応がみられます。過重労働による燃え尽き症候群などのメンタルヘルス状態心療内科的健康状態)は20、30歳代に多いです。40、50歳代では中間管理職としての職務遂行に伴うメンタルヘルス問題中間管理職としての職務遂行に伴う心療内科的健康問題)や、上司、部下間の人間関係での葛藤、新しい人事メンタルヘルス評価制度心療内科的健康評価制度)の導入、リストラに伴う出向・転籍などによる仕事内容や職場環境の激変などが、「人-職場間不適合」を引き起こし、うつ状態など職場でのメンタルヘルス不調職場での心療内科的健康不調)、うつ病など職場でのメンタルヘルス疾患職場での心療内科的健康疾患)、神経症の原因となっていることが多いです。
これら職場不適応症(適応障害)など軽度メンタルヘルス不調での初期のサイン軽度心療内科的健康不調での初期のサイン)は、「不眠」、「倦怠感」、「集中力の低下」、「(仕事に伴う)悩み、心配事が頭から離れなくなる」など、軽症うつ病のようなメンタルヘルス不調にみられる場合心療内科的健康不調にみられる場合)のメンタルヘルス症状心療内科的健康症状)が多いです。軽症うつ病などメンタルヘルス不調の発症の契機心療内科的健康不調の発症の契機)は就職、配置転換、昇進、出向、人間関係のメンタルヘルス問題人間関係の心療内科的健康問題)などで、これらの変化が生じてから早い人で1ヵ月後、多くは3~6ヵ月後、遅い人では約1年経ってからでもメンタルヘルス不調が発症心療内科的健康不調が発症)します。
5.緩衝メンタルヘルス要因緩衝心療内科的健康要因
同じストレス因子が存在しても、緩衝メンタルヘルス要因に恵まれているか緩衝心療内科的健康要因に恵まれているか)どうかで、ストレス反応およびストレスによる健康障害メンタルヘルス障害)のリスクは大きく異なって(心療内科的健康障害)のリスクは大きく異なって)きます。
おもな緩衝メンタルヘルス要因おもな緩衝心療内科的健康要因)としては、社会的メンタルヘルス支援(social support)社会的心療内科的健康支援(social support))が挙げられます。社会的メンタルヘルス支援社会的心療内科的健康支援)には、物質面、メンタルヘルス情報心療内科的健康情報)面、メンタルヘルス面心療内科的健康面)など、親族や職場関係者からのさまざまなメンタルヘルス支援心療内科的健康支援)が含まれます。上述した仕事の要求度-コントロールモデルに、社会的メンタルヘルス支援の軸社会的心療内科的健康支援の軸)を加えたモデル(仕事の要求度が高く、コントロール度が低く、社会的メンタルヘルス支援が少ない場合社会的心療内科的健康支援が少ない場合)に、高ストレスとなりメンタルヘルスが損なわれるリスクが高まる心療内科的健康が損なわれるリスクが高まる))もよく知られています。
なお、NIOSH(National Institute for Occupational Safety and Health)職業性ストレスモデルとは、職業性ストレッサーそれによって生じるストレス反応から健康障害(メンタルヘルス障害)健康障害(心療内科的健康障害))へ至る左から右への流れ、およびストレス反応の強さに影響及ぼす個人的メンタルヘルス要因及ぼす個人的心療内科的健康要因)、仕事以外のメンタルヘルス要因心療内科的健康要因)、ストレス反応を軽減する上司や同僚、家族・友人からの社会的メンタルヘルス支援などの関係社会的心療内科的健康支援などの関係)を示しています。このモデルにおける個人メンタルヘルス要因このモデルにおける個人心療内科的健康要因)には、遺伝的メンタルヘルス素因遺伝的心療内科的健康素因)、性格傾向などが含まれ、ストレス性の健康障害メンタルヘルス障害)の防止(心療内科的健康障害)の防止)には、この個人メンタルヘルス要因の一部への働きかけ個人心療内科的健康要因の一部への働きかけ)が有効である場合が少なくないです。しかし、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフ心療内科的健康スタッフ)の取り組みとしては、それよりも職業性ストレス要因メンタルヘルス評価心療内科的健康評価)と軽減、職場における社会的メンタルヘルス支援の強化社会的心療内科的健康支援の強化)に関する取り組みをまず優先すべきでしょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その19)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の19回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅧ)
職場のメンタルヘルス不調の背景因子職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑧~
勤労者のメンタルヘルス評価法勤労者の心療内科的健康評価法)ⓑ
A.メンタルヘルス評価対象心療内科的健康評価対象)(ⅱ)
2.メンタルヘルス不調の有無心療内科的健康不調の有無
メンタルヘルス不調心療内科的健康不調)とは、「勤労者の心の健康の保持増進のための指針(勤労者のメンタルヘルスの保持増進のための指針勤労者の心療内科的健康の保持増進のための指針))」(メンタルヘルス指針心療内科的健康指針))(厚生労働省、2006(平成18)年)で定義されているメンタルヘルス医学用語心療内科的健康医学用語)で、「メンタルヘルスおよび行動の障害心療内科的健康および行動の障害)に分類されるメンタルヘルス障害心療内科的健康障害)や自殺のみならず、ストレスや強い悩み不安など勤労者のメンタルヘルス、社会生活勤労者の心療内科的健康、社会生活)および生活の質に影響を与える可能性のあるメンタルヘルス的心療内科的健康的)および行動上の問題を幅広く含むもの」をいいます。すなわち、メンタルヘルス疾患心療内科的健康疾患)の有無あるいはそのメンタルヘルス疾患の種類心療内科的健康疾患の種類)によらず、何らかのメンタルヘルス面の不調何らかの心療内科的健康面の不調)により、生活などの多少なりとも支障が生じているメンタルヘルス状態心療内科的健康状態)であり、疾病性(メンタルヘルス科確定診断心療内科確定診断)、メンタルヘルス科重症度心療内科重症度)、メンタルヘルス科治療法心療内科治療法)など)より事例性(メンタルヘルス不調者心療内科的健康不調者)本人や周囲にどのような困難、メンタルヘルス問題心療内科的健康問題)が生じているか、またそのメンタルヘルス不調者本人その心療内科的健康不調者本人)や周囲の背景にどのようなメンタルヘルス事柄心療内科的健康事項)があるかなど)を重視したメンタルヘルス視点心療内科的健康視点)に立った概念です(図1)。以前に広い範囲で使用されていた「メンタルヘルス不全心療内科的健康不全)」は、メンタルヘルス不調とほぼ同義心療内科的健康不調とほぼ同義)であると考えられます。
職場のメンタルヘルス対策職場の心療内科的健康対策)にとっては、特定のメンタルヘルス疾患の罹患者心療内科的健康疾患の罹患者)だけでなく、メンタルヘルス不調者全体心療内科的健康不調者全体)に目を向けた取り組みも重要です。
◇図1 メンタルヘルス不調の概念心療内科的健康不調の概念
ストレス過多メンタルヘルス科診断基準心療内科診断基準)までは満たさないメンタルヘルス面の問題満たさない心療内科的健康面の問題)により、以下のようなメンタルヘルス状況心療内科的健康状況)に陥っている例
・出勤が困難である
仕事の効率が落ちている(仕事のパフォーマンスが低下している)
人間関係のメンタルヘルス問題人間関係の心療内科的健康問題)を起こしている
・多量多飲による体調不良を来たしている
・周囲に強い心配をかけている
・家事ができない、など』
3.ストレス反応
ストレス反応は、身体面メンタルヘルス面、行動面心療内科的健康面、行動面)の3つの変化に大別することが可能です(表1)。ストレス反応は、身体面、メンタルヘルス面の軽度心療内科的健康面の軽度)のものであれば、誰もが日常的に経験しており、異常として扱うべきではないが、通常より程度がひどく、持続期間も長い場合には、仕事や日常生活に支障を来たし、また健康障害(メンタルヘルス障害)健康障害(心療内科的健康障害))に進展する恐れもあることから、メンタルヘルス科専門心療内科的健康科専門)(精神科・心療内科)的な介入のメンタルヘルス対象心療内科的健康対象)となります。また、ストレス反応の大半非特異的なストレス反応であり、身体疾患を背景として出現する場合が少なくないことにも注意が必要です。
◇表1 おもなストレス反応
『●身体面のストレス反応
不眠傾向、易疲労感全身倦怠感食欲不振、胃腸障害(下痢・便秘)、動悸胸苦感頭痛、肩こり、悪心、腰痛など
メンタルヘルス面心療内科的健康面)のストレス反応
抑うつ気分が憂うつ)、不安イライラ怒り緊張焦燥感、自責感、無力感、意欲低下、判断力低下集中力低下など
行動面のストレス反応
→社会活動性の低下、ミスの増加仕事の効率の低下業務遂行能力の低下)、不安全行為、不法行為、反社会的行為、喫煙・飲酒量の増加、生活リズムの不規則化など』
ストレス反応には、種類によって、ストレスが高まるにつれて徐々にストレス反応の出現率が高くなるもの、ある一定水準を超えると急にストレス反応の出現率が増すものなど、ストレスとの関連に相違があることがメンタルヘルス報告心療内科的健康報告)されています(メンタルヘルス項目反応曲線心療内科的健康項目反応曲線))。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その18)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の18回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅦ)
職場のメンタルヘルス不調の背景因子職場の心療内科的健康不調の背景因子)⑦~
勤労者のメンタルヘルス評価法勤労者の心療内科的健康評価法)ⓐ
A.メンタルヘルス評価対象心療内科的健康評価対象)(ⅰ)
メンタルヘルス対策心療内科的健康対策)にとって、職場の現状把握はそのメンタルヘルス対策の第一歩心療内科的健康対策の第一歩)といえます。現状とは、一つは勤労者、もう一つは勤労者を取り巻く職場(環境)のメンタルヘルス評価心療内科的健康評価)です。メンタルヘルス対策として職場心療内科的健康対策として職場)でメンタルヘルス評価を行う勤労者の現状心療内科的健康評価を行う勤労者の現状)は、主として以下に示す5つ(①健康障害(メンタルヘルス障害心療内科的健康障害))の有無、②メンタルヘルス不調の有無心療内科的健康不調の有無)、③ストレス反応、④職業性ストレス因子ストレス要因)、⑤緩衝メンタルヘルス要因心療内科的健康要因))です。それらの関係は、「アメリカ国立安全衛生研究所(NIOSH)による職業性ストレスモデル」のようにまとめられます。
1.健康障害(メンタルヘルス障害)の有無健康障害(心療内科的健康障害)の有無
⇒現在、職場のメンタルヘルス職場の心療内科的健康)でもっともメンタルヘルス問題心療内科的健康問題)となっているのは、メンタルヘルス障害圏心療内科的健康障害圏)(うつ病などメンタルヘルス疾患心療内科的健康疾患)、躁うつ病などメンタルヘルス障害等心療内科的健康障害等))の病態です。労働安全衛生法で規定されている長時間勤労者に対するメンタルヘルス科面接指導心療内科的健康科面接指導)においても、うつ病などメンタルヘルス疾患の有無心療内科的健康疾患の有無)を確認することになっています。しかし、適応障害不安障害睡眠障害統合失調症発達障害パーソナリティ障害、アルコール使用障害など、多くの勤労者に苦痛を与えたり、業務の遂行に強い悪影響をおよぼしたりするメンタルヘルス障害業務の遂行に強い悪影響をおよぼしたりする心療内科的健康障害)はほかにも多く、産業保健スタッフなどメンタルヘルススタッフ心療内科的健康スタッフ)はそれらのメンタルヘルス障害にも目を向ける必要それらの心療内科的健康障害にも目を向ける必要)があります。
職業(産業)性ストレスによる健康障害(メンタルヘルス障害)健康障害(心療内科的健康障害)
⇒近年、塵肺や振動病などの単一の有害な職業上の原因によって引き起こされる職業病が減少する一方、さまざまな領域でのストレスの増加に伴うストレス病や高齢化、生活習慣の変化による生活習慣病も増加しています。これらの疾患のうち、発症や増悪に関連する多くのストレス因子のうちの1つに職業性ストレス因子が関係している疾患を作業関連疾患と呼んでおり、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、筋骨格系疾患、ストレス関連疾患職場うつ病など職場のメンタルヘルス不調職場の心療内科的健康不調)、消化性潰瘍など)等が含まれます。職業(産業)性ストレスによる心身の健康障害(メンタルヘルス障害)心身の健康障害(心療内科的健康障害))に関する職場のメンタルヘルス報告職場の心療内科的健康報告)は多数あるが、代表的なメンタルヘルス報告の一部のみを紹介心療内科的健康報告の一部のみを紹介)します。
Karasekらは、仕事のストレスは仕事の要求度が高くて、かつ仕事の段取りなどに対する自由裁量権が少ないときに高く(高ストレス群)なり、このことは虚血性心疾患や抑うつ気分が憂うつ)などのメンタルヘルス的健康障害の発症心療内科的健康的健康障害の発症)とよく相関することをメンタルヘルス報告心療内科的健康報告)しました。Johnsonらは、虚血性心疾患の症状出現や有病率が上司や同僚からの社会的メンタルヘルス支援社会的心療内科的健康支援)が少なくて、かつ高ストレス群で高いことをメンタルヘルス報告高いことを心療内科的健康報告)し、また縦断的メンタルヘルス研究縦断的心療内科的健康研究)でも冠動脈疾患の発症率や死亡率が高いことをメンタルヘルス報告死亡率が高いことを心療内科的健康報告)しています。
作業ストレスには、量的ストレスと作業の複雑さ困難性などの質的ストレスがあるが、長時間勤務メンタルヘルス不調心療内科的健康不調)や心疾患の危険ストレス因子になることや、量的ストレス質的ストレスのいずれも職務不満足、自己メンタルヘルス評価自己心療内科的健康評価)の低下や血圧、血清コレステロールの上昇、胃潰瘍、糖尿病、問題飲酒行動に関係することがメンタルヘルス報告問題飲酒行動に関係することが心療内科的健康報告)されています。交代制勤務と夜勤は消化性潰瘍、心血管障害、死亡率と関連していることもメンタルヘルス報告心血管障害、死亡率と関連していることも心療内科的健康報告)されています。役割ストレスも仕事の緊張感、職務不満足、高血圧や冠動脈疾患の発生に関係し、職場の人間関係でのストレスも心疾患の発症や高コレステロール血症の発生と関連することがメンタルヘルス報告高コレステロール血症の発生と関連することが心療内科的健康報告)されています。
Grain&Brownは、職業(産業)性ストレスを含めた強い生活上の困難過敏性腸症候群やfunctional dyspepsiaと関連し、タイムリミットに間に合わせるための努力や苛立ちを伴うgoal frustrationは、消化性潰瘍などの器質的疾患の発生とよく相関することをメンタルヘルス報告器質的疾患の発生とよく相関することを心療内科的健康報告)しています。また、goal frustrationが十二指腸潰瘍の発生と関連していることもメンタルヘルス報告十二指腸潰瘍の発生と関連していることも心療内科的健康報告)されています。
競争心が強く攻撃的で、時間に対する強い切迫感を特徴とするタイプA行動様式が、虚血性心疾患の重要な危険ストレス因子であることは、RosenmanらのWestern Collaborative Group Study以来、多くのメンタルヘルス研究報告多くの心療内科的健康研究報告)がなされているが、タイプAとそれ以外の人ではカテコラミン産生能、プロスタグランジン代謝などの生理的反応のほか、ストレス対処行動職務満足感などにも差があることを示唆するメンタルヘルス報告職務満足感などにも差があることを示唆する心療内科的健康報告)があります。
また、ストレスによる免疫能の低下や感染抵抗性の低下に関するメンタルヘルス報告感染抵抗性の低下に関する心療内科的健康報告)は数多くあるが、産業メンタルヘルス産業心療内科的健康)の分野でもストレス反応の客観的マーカーとして免疫グロブリン、リンパ球反応性、リンパ球サブポピュレーション、NK活性などを調べたメンタルヘルス報告NK活性などを調べた心療内科的健康報告)があります。リンパ球反応性は、職業(産業)性ストレスでも低下するようであるが、NK活性については必ずしも一定の傾向は出ていないです。
職業(産業)生活に伴う生活上のストレスメンタルヘルス評価法心療内科的健康評価法)を開発したNatsumeらは、ストレス点数が高くなると職場不適応例が高くなることをメンタルヘルス報告職場不適応例が高くなることを心療内科的健康報告)しています。
Kayabaらは、case control studyで、心疾患の患者は仕事の要求度が高いことをメンタルヘルス報告心疾患の患者は仕事の要求度が高いことを心療内科的健康報告)し、Kawakamiらは複雑な機械操作が拡張期血圧の上昇に影響することや、職務不満足がメンタルヘルス科医療機関心療内科医療機関)(メンタルヘルス科病院心療内科病院)、メンタルクリニック心療内科クリニック))への受診率やHbA₁cの増加と関係することなどをメンタルヘルス報告HbA₁cの増加と関係することなどを心療内科的健康報告)しています。また、Suzukamoらは、タイプA行動様式や職場ストレスライフスタイルに悪い影響を及ぼすことなどをメンタルヘルス報告ライフスタイルに悪い影響を及ぼすことなどを心療内科的健康報告)しています。
一方、職業性ストレス抑うつ傾向気分が憂うつなど)や神経症傾向などのメンタルヘルス状態心療内科的健康状態)や心身症自律神経失調症)の発症に影響することに関するメンタルヘルス報告は多い発症に影響することに関する心療内科的健康報告は多い)です。
Murakamiらは、職場におけるメンタルヘルス不調への介入研究職場における心療内科的健康不調への介入研究)で自律訓練法によって免疫能の一部が改善することを、Masudaらは、勤労者の疲労に関するメンタルヘルス研究心療内科的健康研究)でNK細胞活性がメンタルヘルス的心療内科的健康的)な疲労負の相関があることをメンタルヘルス報告負の相関があることを心療内科的健康報告)しています。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その17)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の17回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅥ)
職場のメンタルヘルス不調職場の心療内科的健康不調)の背景因子⑥~
職業(産業)性ストレスメンタルヘルス疾患との関連心療内科的健康疾患との関連)ⓑ
1.仕事のストレス要因うつ病などメンタルヘルス疾病心療内科的健康疾病)との関連(ⅱ)
役割ストレスうつ病などメンタルヘルス疾患との関連については、まだ1つ心療内科的健康疾患との関連については、まだ1つ)のメンタルヘルス研究心療内科的健康研究)しか報告されていないです。このメンタルヘルス研究では、役割の曖昧さ、および役割葛藤を強く感じている群この心療内科的健康研究では、役割の曖昧さ、および役割葛藤を強く感じている群)は、そうでない群に比べてそれぞれ約3.5倍、および1.7倍、うつ病などメンタルヘルス疾患の発症心療内科的健康疾患の発症)リスクがあることが明らかになっています。職の不安定さとうつ病などメンタルヘルス疾患との関連について心療内科的健康疾患との関連について)は、3つのメンタルヘルス研究3つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのうち、2つのメンタルヘルス研究2つの心療内科的健康研究)では、職の不安定さを強く感じている群は、そうでない群に比べて約1.3~1.4倍、うつ病などメンタルヘルス疾患の発症リスク心療内科的健康疾患の発症リスク)があることが明らかになっているが、もう一つのメンタルヘルス研究もう一つの心療内科的健康研究)では、メンタルヘルス疾患の発症リスクが1.0倍を下回っており心療内科的健康疾患の発症リスクが1.0倍を下回っており)、一貫したメンタルヘルス結果心療内科的健康結果)が得られていないです。また、職場でのいじめ・暴力と職場うつ病などメンタルヘルス不調心療内科的健康不調)との関連については、職場での2つのメンタルヘルス研究職場での2つの心療内科的健康研究)が報告されています。これら職場のメンタルヘルス職場の心療内科的健康)研究では、職場でいじめや暴力にあっている群は、そうでない群に比べて約1.5~4.8倍、職場うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスクがあることが明らか心療内科的健康不調の発症リスクがあることが明らか)になっています。
労働時間とうつ病などメンタルヘルス不調との関連心療内科的健康不調との関連)については、5つのメンタルヘルス研究5つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのメンタルヘルス研究では、労働時間が長い群これらの心療内科的健康研究では、労働時間が長い群)では、そうでない群に比べて約1.0~2.2倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスク心療内科的健康不調の発症リスク)があるとメンタルヘルス報告心療内科的健康報告)されているものもあるが、メンタルヘルス不調の発症心療内科的健康不調の発症)リスクが1.0倍を下回っているメンタルヘルス研究1.0倍を下回っている心療内科的健康研究)も多く、一貫したメンタルヘルス結果一貫した心療内科的健康結果)が得られていないです。労働時間については、メンタルヘルス不調の発症リスクを算出心療内科的健康不調の発症リスクを算出)する際の長時間労働群や参照群の定義のしかたがメンタルヘルス研究によってまちまち定義のしかたが心療内科的健康研究によってまちまち)であり、これらのメンタルヘルス結果を単純に比較心療内科的健康結果を単純に比較)することが難しいのが現状です。
上記に紹介したメンタルヘルス研究紹介した心療内科的健康研究)は、うつ病発症前などメンタルヘルス疾患発症前心療内科的健康疾患発症前)に仕事のストレス要因をメンタルヘルス評価心療内科的健康評価)するメンタルヘルス研究デザイン心療内科的健康研究デザイン)であり、人口統計学的なストレス要因や、メンタルヘルス研究によっては性格特性も調整心療内科的健康研究によっては性格特性も調整)しており、因果関係に近い関連性をメンタルヘルス的に明らか因果関係に近い関連性を心療内科的健康的に明らか)にできていると考えられます。しかし、ストレス要因によっては、日本人従業員をメンタルヘルス対象心療内科的健康対象)としたメンタルヘルス調査心療内科的健康調査)が実施されていないもの、メンタルヘルス調査対象業種心療内科的健康調査対象業種)に偏りがあり、多業種の従業員への一般化可能性が明らかでないものもあります。また、上司のメンタルヘルス支援上司の心療内科的健康支援)・同僚のメンタルヘルス支援心療内科的健康支援)や、職の不安定さについては、メンタルヘルス調査の追跡期間中心療内科的健康調査の追跡期間中)に変化している可能性があり、メンタルヘルス結果の読み取り心療内科的健康結果の読み取り)には注意が必要です。今後、日本においても、多業種をメンタルヘルス対象多業種を心療内科的健康対象)とし、多様なストレス要因とそれで発症したうつ病などメンタルヘルス疾患との関連を明らかにしていく必要心療内科的健康疾患との関連を明らかにしていく必要)があります。
2.仕事のストレス要因と物質依存などメンタルヘルス障害心療内科的健康障害)との関連
仕事のストレス要因と物質依存などメンタルヘルス障害との関連心療内科的健康障害との関連)については、これまでに海外で2つのメンタルヘルス研究が報告海外で2つの心療内科的健康研究が報告)されており、いずれも仕事のストレインとの関連が調べられています。これらのうち、1つのメンタルヘルス研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群)1つの心療内科的健康研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群))は、低ストレイン群(低要求度-高コントロール群)に比べて約2.3倍、物質依存などメンタルヘルス障害の発症心療内科的健康障害の発症)リスクがあることが明らかになっているが、もう一つのメンタルヘルス研究明らかになっているが、もう一つの心療内科的健康研究)では、高ストレイン群のメンタルヘルス障害の発症リスク心療内科的健康障害の発症リスク)は1.0倍を下回っており(約0.6倍)、むしろ、高要求度-高コントロール群で、物質依存などメンタルヘルス障害の発症リスク高要求度-高コントロール群で、物質依存など心療内科的健康障害の発症リスク)が最も高い(約1.8倍)ことがメンタルヘルス報告最も高い(約1.8倍)ことが心療内科的健康報告)されており、一貫したメンタルヘルス結果が得られていない一貫した心療内科的健康結果が得られていない)です。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その16)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の16回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅤ)
職場のメンタルヘルス不調職場の心療内科的健康不調)の背景因子⑤~
職業(産業)性ストレスメンタルヘルス疾患との関連心療内科的健康疾患との関連)ⓐ
職業性ストレスメンタルヘルス研究心療内科的健康研究)で、仕事のストレス要因との関連が最も多く調べられているメンタルヘルス疾患最も多く調べられている心療内科的健康疾患)はうつ病(大うつ病性障害)です。また、少数ではあるが、物質依存などメンタルヘルス障害との関連心療内科的健康障害との関連)も調べられています。ここでは前向きコホートによるメンタルヘルス研究前向きコホートによる心療内科的健康研究)、あるいはコホート内症例対照によるメンタルヘルス研究コホート内症例対照による心療内科的健康研究)をメンタルヘルス研究デザイン心療内科的健康研究デザイン)とし、メンタルヘルス科専門医心療内科的健康科専門医)(精神科医・心療内科医)によるメンタルヘルス科診断心療内科的健康科診断)、あるいはDSMやICDなどの操作的メンタルヘルス科診断基準操作的心療内科的健康科診断基準)に従って作成された構造化メンタルヘルス科面接構造化心療内科的健康科面接)によってメンタルヘルス判定心療内科的健康判定)されたうつ病などメンタルヘルス疾患心療内科的健康疾患)(一部、うつ病などメンタルヘルス疾患による長期疾病休業心療内科的健康疾患による長期疾病休業)や、自殺死亡をアウトカムとしたメンタルヘルス研究自殺死亡をアウトカムとした心療内科的健康研究)を含む)、および、物質依存などメンタルヘルス障害心療内科的健康障害)をアウトカムとした、より精度の高いメンタルヘルス研究報告を紹介精度の高い心療内科的健康研究報告を紹介)することにします。
1.仕事のストレス要因うつ病などメンタルヘルス疾病心療内科的健康疾病)との関連(ⅰ)
⇒仕事のストレス要因とうつ病などメンタルヘルス疾病との関連心療内科的健康疾病との関連)について調べたメンタルヘルス研究結果調べた心療内科的健康研究結果)の中で、仕事の要求度および仕事のコントロールとうつ病などメンタルヘルス疾病との関連については、これまでに6つ心療内科的健康疾病との関連については、これまでに6つ)のメンタルヘルス研究が報告心療内科的健康研究が報告)されています。これらのメンタルヘルス研究これらの心療内科的健康研究)では、一部、メンタルヘルス疾病一部、心療内科的健康疾病)の発症リスクが1.0倍を下回るメンタルヘルス研究もあるものの、仕事の要求度が高い発症リスクが1.0倍を下回る心療内科的健康研究もあるものの、仕事の要求度が高い)と感じている群は、低いと感じている群に比べて約1.1~3.5倍、仕事のコントロールが低いと感じている群は、高いと感じている群に比べて約1.0~3.6倍、うつ病などメンタルヘルス疾病の発症心療内科的健康疾病の発症)リスクがあることが明らかになっています。また、海外のメンタルヘルス研究海外の心療内科的健康研究)では、仕事の要求度のほうが仕事のコントロールよりも、うつ病などメンタルヘルス疾患とより強く関連心療内科的健康疾患とより強く関連)したとするメンタルヘルス報告が多い心療内科的健康報告が多い)一方、日本では一貫して、仕事のコントロールのほうがうつ病などメンタルヘルス疾病とより強く関連心療内科的健康疾病とより強く関連)しており、海外のメンタルヘルス知見心療内科的健康知見)とは大きく異なっています。仕事の要求度と仕事のコントロールを組み合わせた、仕事のストレインとうつ病などメンタルヘルス疾病との関連について心療内科的健康疾病との関連について)は、5つのメンタルヘルス研究5つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのメンタルヘルス研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群)これらの心療内科的健康研究では、高ストレイン群(高要求度-低コントロール群))は低ストレイン群(低要求度-高コントロール群)に比べて約1.0~3.0倍、うつ病などメンタルヘルス疾病の発症リスク心療内科的健康疾病の発症リスク)があることが明らかになっているが、女性よりも男性のほうが一貫してメンタルヘルス疾病の発症リスクが高く女性よりも男性のほうが一貫して心療内科的健康疾病の発症リスクが高く)、性差が認められています。
上司の社会的メンタルヘルス支援心療内科的健康支援)および同僚の社会的メンタルヘルス支援社会的心療内科的健康支援)と、職場うつ病などメンタルヘルス不調心療内科的健康不調)との関連については、職場での2つのメンタルヘルス研究職場での2つの心療内科的健康研究)が報告されています。これらのうち職場での一つのメンタルヘルス研究これらのうち職場での一つの心療内科的健康研究)では、上司の社会的メンタルヘルス支援上司の社会的心療内科的健康支援)および同僚の社会的メンタルヘルス支援が少ない同僚の社会的心療内科的健康支援が少ない)と感じている群は、多いと感じている群に比べてそれぞれ約1.3~1.4倍および1.2~2.1倍、職場うつ病などメンタルヘルス不調の発症心療内科的健康不調の発症)リスクがあることがメンタルヘルス報告心療内科的健康報告)されているが、職場でのもう一つのメンタルヘルス研究職場でのもう一つの心療内科的健康研究)では、メンタルヘルス不調の発症リスクが1.0倍を下回っており心療内科的健康不調の発症リスクが1.0倍を下回っており)、一貫したメンタルヘルス結果心療内科的健康結果)が得られていないです。また、職場での上司の社会的メンタルヘルス支援職場での上司の社会的心療内科的健康支援)と同僚の社会的メンタルヘルス支援同僚の社会的心療内科的健康支援)を合わせた、職場の社会的メンタルヘルス支援職場の社会的心療内科的健康支援)と職場うつ病などメンタルヘルス不調との関連心療内科的健康不調との関連)についても、職場での2つのメンタルヘルス研究が報告職場での2つの心療内科的健康研究が報告)されています。これら職場のメンタルヘルス職場の心療内科的健康)研究では、職場の社会的メンタルヘルス支援が少ない職場の社会的心療内科的健康支援が少ない)と感じている群は、多いと感じている群に比べて約1.3倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスク心療内科的健康不調の発症リスク)があることが職場でのメンタルヘルス研究職場での心療内科的健康研究)結果で報告されており、一貫したメンタルヘルス結果一貫した心療内科的健康結果)が得られています。
努力-報酬不均衡モデルとうつ病などメンタルヘルス不調との関連について心療内科的健康不調との関連について)は、まだ1つのメンタルヘルス研究1つの心療内科的健康研究)(ただし、2つのコホートをメンタルヘルス対象心療内科的健康対象)としている)しかメンタルヘルス報告されていない心療内科的健康報告されていない)です。このメンタルヘルス研究では、努力-報酬不均衡(高努力-低報酬)この心療内科的健康研究では、努力-報酬不均衡(高努力-低報酬))を感じている群は、そうでない群に比べて約1.7~1.9倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスクがあることが明らか心療内科的健康不調の発症リスクがあることが明らか)になっています。また、組織的公正とうつ病など職場組織のあり方とメンタルヘルス不調職場組織のあり方と心療内科的健康不調)との関連については、2つのメンタルヘルス研究が報告関連については、2つの心療内科的健康研究が報告)されています。これら職場組織のあり方に着目したメンタルヘルス研究職場組織のあり方に着目した心療内科的健康研究)では、手続き的公正および相互作用的公正が低いと感じている群は、高いと感じている群に比べてそれぞれ約1.3~1.6倍および1.4~2.5倍、うつ病などメンタルヘルス不調の発症リスクがあることが、近年特に明らか心療内科的健康不調の発症リスクがあることが、近年特に明らか)になっています。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その15)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の15回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅣ)
職場のメンタルヘルス不調職場の心療内科的健康不調)の背景因子④~
職業性ストレスメンタルヘルス研究で用いられている理論モデル心療内科的健康研究で用いられている理論モデル
⇒ここでは、これまでのメンタルヘルス研究これまでの心療内科的健康研究)で、仕事のストレス仕事のストレス要因)がどのように定義され、どのようなメンタルヘルス疾患との関連心療内科的健康疾患との関連)が調べられてきたのかを明らかにし、これまでの職業性ストレスメンタルヘルス研究で用いられている心療内科的健康研究で用いられている)理論モデル、および、メンタルヘルス疾患心療内科的健康疾患)について述べた後、その具体的な知見について紹介します。
1.古典的な仕事のストレス要因
これまでの職業性ストレスメンタルヘルス研究心療内科的健康研究)では、①仕事の要求度-コントロールモデル(または要求度-コントロール-社会的メンタルヘルス支援モデル社会的心療内科的健康支援モデル))、②努力-報酬不均衡モデルを、職業性ストレスの二大理論モデルとして、メンタルヘルス疾患や身体疾患との関連心療内科的健康疾患や身体疾患との関連)が調べられています。
仕事の要求度-コントロールモデルは、仕事の要求度(量的ストレス)の影響を、仕事のコントロール(裁量権や技能の活用)が和らげるとするモデルです。本モデルでは仕事の要求度が高く、かつコントロールが低いメンタルヘルス状態仕事の要求度が高く、かつコントロールが低い心療内科的健康状態)を、高ストレインと定義し、高ストレイン群でメンタルヘルス障害が起きやすい高ストレイン群で心療内科的健康障害が起きやすい)と考えています。なお、現在では職場の社会的メンタルヘルス支援社会的心療内科的健康支援)(上司や同僚のメンタルヘルス支援心療内科的健康支援))が、ストレス要因の影響を緩和し、また、職場の社会的メンタルヘルス支援自体職場の社会的心療内科的健康支援自体)がメンタルヘルス疾患の発症心療内科的健康疾患の発症)と関連することが知られていることから、仕事の要求度-コントロールモデルに職場の社会的メンタルヘルス支援職場の社会的心療内科的健康支援)を加え、三次元に拡張した、要求度-コントロール-社会的メンタルヘルス支援モデルが提唱社会的心療内科的健康支援モデルが提唱)されています。本モデルは仕事の要求度が高く、コントロールが低く、かつ社会的メンタルヘルス支援が少ない社会的心療内科的健康支援が少ない)、三重苦の場合にメンタルヘルス障害が起きやすい心療内科的健康障害が起きやすい)と考えています。
一方、努力-報酬不均衡モデルは、仕事と個人の相互関係に着目し、従業員が組織に対して投資する「努力」と、その見返りとして期待する「報酬」(金銭、尊重、キャリア)とのメンタルヘルスバランス心療内科的健康バランス)が崩れた場合に、メンタルヘルスに影響を及ぼすとするモデル心療内科的健康に影響を及ぼすとするモデル)です。本モデルでは、高努力かつ低報酬のメンタルヘルス状態心療内科的健康状態)をストレス高いメンタルヘルス状態と定義高い心療内科的健康状態と定義)し、高努力-低報酬のメンタルヘルス状態高努力-低報酬の心療内科的健康状態)でメンタルヘルス障害心療内科的健康障害)が起きやすいと考えています。
2.新しい仕事のストレス要因
⇒近年では、仕事の要求度やコントロールといった、個人の仕事の特徴を決定づけている職場組織のあり方に着目した組織の公正性(組織的公正)と、そのメンタルヘルスへの影響心療内科的健康への影響)との関連が調べられています。組織的公正は、①手続き的公正(組織におけるメンタルヘルス評価組織における心療内科的健康評価)や処遇の手続きに関する公正性)、②相互作用的公正(上司の部下に対する接し方に関する公正性)、③分配的公正(組織におけるメンタルヘルス評価や処遇組織における心療内科的健康評価や処遇)のメンタルヘルス結果心療内科的健康結果)に関する公正性)の三メンタルヘルス要素三心療内科的健康要素)からなります。このうち分配的公正は、努力-報酬不均衡モデルと概念的にほぼ同義であることから、職業性ストレスメンタルヘルス研究では、主に手続き的公正と、相互作用的公正に着目心療内科的健康研究では、主に手続き的公正と、相互作用的公正に着目)して、メンタルヘルスへの影響との関連心療内科的健康への影響との関連)が調べられています。
3.その他のストレス要因
メンタルヘルスへの影響との関連が調べられて心療内科的健康への影響との関連が調べられて)いるその他の仕事のストレス要因として、役割ストレス(果たすべき役割や、仕事の内容や手順・手続きが明らかでない「役割の曖昧さ」、同時に2人以上の人から期待される役割が矛盾・対立することによって生じる「役割葛藤」からなる)、職の不安定さ、職場でのいじめ・暴力などがあげられます。また、これまでにあげた仕事のストレス要因は、自己記入式のメンタルヘルス尺度心療内科的健康尺度)によってメンタルヘルス評価心療内科的健康評価)される主観的なメンタルヘルス指標主観的な心療内科的健康指標)であるのに対し、客観的なメンタルヘルス指標客観的な心療内科的健康指標)として、労働時間とそのメンタルヘルスへの影響労働時間とその心療内科的健康への影響)との関連を調べたメンタルヘルス研究関連を調べた心療内科的健康研究)も行われています。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その14)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の14回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(ⅩⅢ)
職場のメンタルヘルス不調職場の心療内科的健康不調)の背景因子③~
職業性ストレスモデルの中での危険因子
他の著名な職業性ストレスの理論モデルとして、仕事の要求度-コントロールモデル、要求度-コントロール-社会的メンタルヘルス支援モデル社会的心療内科的健康支援モデル)および努力-報酬不均衡モデルがあげられます。
3.仕事の要求度-コントロールモデル
⇒Karasekは、管理監督者のメンタルヘルス管理監督者の心療内科的健康)的緊張をより正確にメンタルヘルス予測心療内科的健康予測)するために仕事の要求度と裁量度によって数々のストレス反応との関連メンタルヘルス的に検討心療内科的健康的に検討)することを提唱しました。これを「仕事の要求度-コントロールモデル」といい、仕事上のストレスを、仕事の要求度(量的ストレス役割ストレスなど)と仕事のコントロール(裁量権や技能の活用)の2軸でメンタルヘルス評価心療内科的健康評価)するモデルです。仕事の要求度の高低と仕事のコントロールの高低とによって4群に分類し、仕事の要求度が高く、かつコントロールが低いメンタルヘルス状態心療内科的健康状態)を高ストレインと定義し、ストレス反応メンタルヘルス障害心療内科的健康障害)が最も高く表出される群は、4群のうちで「高ストレイン群」であることが明らかにされています。
JohnsonとTheorellは、仕事の要求度-コントロールモデルに、ソーシャルサポート(職場の社会的メンタルヘルス支援心療内科的健康支援))を加え、3次元に拡張した3メンタルヘルス要因心療内科的健康要因)からなる「仕事の要求度-コントロール-社会的メンタルヘルス支援モデル(Job Demand-Control-Support Model)仕事の要求度-コントロール-社会的心療内科的健康支援モデル(Job Demand-Control-Support Model))」を提唱しました。ソーシャルサポート(職場の社会的メンタルヘルス支援社会的心療内科的健康支援))をメンタルヘルス予測変数心療内科的健康予測変数)として追加した場合、ストレス反応の説明率がさらに上昇したことから、「仕事の要求度」「コントロール」「ソーシャルサポート(職場の社会的メンタルヘルス支援職場の社会的心療内科的健康支援))」の3メンタルヘルス要因3心療内科的健康要因)をメンタルヘルス測定することが現在では一般的心療内科的健康測定することが現在では一般的)になっています。このモデルはすでにNIOSHの職業性ストレスモデルに包含されているとも言えるが、仕事の要求度とコントロール度を二大メンタルヘルス要因仕事の要求度とコントロール度を二大心療内科的健康要因)として取り上げた点で特徴的といえ、職場での一つのメンタルヘルス的な視点心療内科的健康的な視点)を与えています。
4.努力-報酬不均衡モデル
⇒Sieglistらは金銭的報酬、他者からの尊重、昇進などの報酬と、個人が報酬を得るために費やした努力の2メンタルヘルス要因2心療内科的健康要因)を取り上げ「努力-報酬不均衡モデル」をつくり、報酬と努力の不均衡が種々のメンタルヘルス疾患心療内科的健康疾患)や睡眠障害などのストレス反応を引き起こすことを明らかにしました。「努力」は仕事の要求度、責任、ストレスメンタルヘルス測定心療内科的健康測定)するメンタルヘルス項目心療内科的健康項目)から構成され、「報酬」に関しては経済的報酬に加え、心理的報酬(セルフエスティーム)、キャリア(仕事の安定や昇進)の3メンタルヘルス要素からなる3心療内科的健康要素からなる)としています。
このモデルのもう一つの特徴は、仕事に過度に傾倒する個人の態度や行動パターンを「オーバーコミットメント」と呼び、危険な個人メンタルヘルス要因危険な個人心療内科的健康要因)としてメンタルヘルス測定しようとする点心療内科的健康測定しようとする点)にあります。仕事で過度な要求をされるメンタルヘルス状況心療内科的健康状況)において、努力と報酬の不均衡状態が交感神経系緊張に及ぼす影響は、「オーバーコミットメント」という個人のメンタルヘルス特性個人の心療内科的健康特性)によって増強されることが指摘されています。努力-報酬不均衡モデルは、この20年間職業性ストレス研究をリードしてきた「仕事の要求度-コントロールモデル」との相補的な関係が実証され、また、社会学的なメンタルヘルス状況要因心療内科的健康状況要因)と心理学的な個人メンタルヘルス要因の統合個人心療内科的健康要因の統合)を試みている点で、環境へのアプローチとともに個人へのアプローチをも含めたメンタルヘルス理論心療内科的健康理論)に基づくストレス対策へのメンタルヘルス介入心療内科的健康介入)と考えられています。
職業性ストレスモデルを用いたストレスチェック制度によるメンタルヘルス判定心療内科的健康判定
⇒2015(平成27)年12月に法制化されたストレスチェック制度(労働安全衛生法)では、ストレスチェックとして職業性ストレス簡易調査票の使用が推奨されているが、そのストレスチェック結果をもとに作成することのできる「仕事のストレス判定図」は、要求度-コントロール-社会的メンタルヘルス支援モデル要求度-コントロール-社会的心療内科的健康支援モデル)に基づいています。努力-報酬不均衡モデルは、努力(成果や業績)と報酬(金銭、尊重、仕事の安定)のメンタルヘルスバランス心療内科的健康バランス)が崩れた、高努力-低報酬状態をストレスの高いメンタルヘルス状態と定義心療内科的健康状態と定義)し、メンタルヘルス障害が生じやすい心療内科的健康障害が生じやすい)としています。
ストレス反応引き起こすメンタルヘルス因子引き起こす心療内科的健康因子)には、職場のメンタルヘルス要因職場の心療内科的健康要因)(職場の物理的環境、対人葛藤、仕事のコントロール、量的ストレス、技能の活用、職務満足感、雇用機会など)のほか、個人のメンタルヘルス要因個人の心療内科的健康要因)(年齢、性別、ストレス対処行動など)、家庭のメンタルヘルス要因家庭の心療内科的健康要因)(子どもの進学、親の介護、家族のメンタルヘルス疾患家族の心療内科的健康疾患)、経済状況など)も含まれており、場合によってはストレス反応弱めるメンタルヘルス要因弱める心療内科的健康要因)もあります。メンタルヘルス不調心療内科的健康不調)の背景因子を整理する際、これらの職業性ストレスモデルを用いることで、職場のメンタルヘルス不調の背景因子職場の心療内科的健康不調の背景因子)を多面的に捉える助けになるかもしれないです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス(その13)

千里中央大阪府豊中市北摂千里ニュータウン)、心療内科メンタルヘルス科)・復職支援リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科医の役割勤労者のメンタルヘルス勤労者の心療内科的健康)」の13回目です。引き続き、心療内科医の役割と勤労者のメンタルヘルス心療内科的健康)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場のメンタルヘルス概観職場の心療内科的健康概観)〗(Ⅻ)
職場のメンタルヘルス不調職場の心療内科的健康不調)の背景因子②~
職業性ストレスモデルの中での危険因子
2.職業(産業)性ストレスの理論モデル(NIOSH)
⇒就労に伴うストレス、すなわち職業性ストレスに伴って生じるメンタルヘルス障害心療内科的健康障害)に関しては、メンタルヘルス不調心療内科的健康不調)の背景因子を捉えるうえでベースとなりうる、職業性ストレスの理論モデルがいくつか提唱されています。代表的なものとして、米国国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health:NIOSH)の職業性ストレスモデルがあげられます。これは、職場における種々のストレス要因曝露されると、急性のストレス反応が生じ、曝露が慢性的に持続すると、何らかのメンタルヘルス障害が生じる心療内科的健康障害が生じる)ことを示しています。この職業性ストレスモデルで重要なのは、原因(ストレッサー)と結果(急性ストレス反応あるいはメンタルヘルス疾病心療内科的健康疾病))との間で、個人的メンタルヘルス要因個人的心療内科的健康要因)(性格や年齢)、仕事外のメンタルヘルス要因仕事外の心療内科的健康要因)(プライベートのメンタルヘルス問題心療内科的健康問題))、緩衝メンタルヘルス要因緩衝心療内科的健康要因)(上司や家族のメンタルヘルス支援心療内科的健康支援))によって修飾され、同じストレス要因にさらされた場合でも、表出するストレス反応が異なってくることを明示した点であり参考になります。この職業性ストレスモデルは、Hurrelらがそれまでにメンタルヘルス報告心療内科的健康報告)された膨大なメンタルヘルス研究報告膨大な心療内科的健康研究報告)をメンタルヘルス分析心療内科的健康分析)して作成したもので、この職業性ストレスモデルメンタルヘルス対応心療内科的健康対応)した職業性ストレス質問票があります。
わが国でもこの職業性ストレス質問票を使って大規模メンタルヘルス調査心療内科的健康調査)が行われており、仕事の多忙や仕事の将来への不安上司からのメンタルヘルス支援上司からの心療内科的健康支援)の低さがうつ状態関連していることがメンタルヘルス報告関連していることが心療内科的健康報告)されています。この職業性ストレス調査票を用いた地方公務員に対するメンタルヘルス調査地方公務員に対する心療内科的健康調査)で、重回帰メンタルヘルス分析重回帰心療内科的健康分析)によって「仕事の要求量の変動」、「グループ内の人間関係における不調和」、「自己評価の低さ」、「職務満足感の低さ」、「社会的メンタルヘルス支援の低さ社会的心療内科的健康支援の低さ)」などが職員のメンタルヘルス度心療内科的健康度)の低さと強く相関していることを示すメンタルヘルス結果心療内科的健康結果)が得られました。最近、わが国ではこの職業性ストレス調査票をもとに簡略化した職業性ストレス簡易調査票が開発され、NIOSHの職業性ストレスモデルに基づくメンタルヘルス評価尺度心療内科的健康評価尺度)として、NIOSH職業性ストレス調査票(General Job Stress Questionnaire:GJSQ)や、職業性ストレス簡易調査票が使用されています。NIOSH職業性ストレス調査票は、仕事のストレッサー、急性ストレス反応メンタルヘルスへの影響心療内科的健康への影響)、修飾メンタルヘルス要因心療内科的健康要因)などを包括的にメンタルヘルス測定包括的に心療内科的健康測定)でき、モジュールごとの使用も可能なメンタルヘルス尺度心療内科的健康尺度)となっています(表1)。
表1 NIOSH職業性ストレス調査票メンタルヘルス測定心療内科的健康測定)される職業性ストレス
『1.職場の物理的環境    10.メンタルヘルス的要求心療内科的健康的要求
2.役割葛藤と役割の曖昧さ  11.社会的メンタルヘルス支援社会的心療内科的健康支援
3.対人葛藤         12.仕事外のメンタルヘルス活動心療内科的健康活動
4.仕事のコントロール    13.職務満足感
5.量的労働ストレス     14.ストレス対処行動
6.労働ストレスの変動    15.仕事の将来の曖昧さ
7.技能の低活用       16.雇用機会
8.人々への責任       17.仕事によるメンタルヘルス疾病 
9.仕事上の危険        (仕事による心療内科的健康疾病)、ケガ』
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科 精神科メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。