先日のブログ記事「新型コロナ感染対策その1」で
アルコールによる手指消毒よりも、
まず石けん手洗い
とお伝えしました。
厚生労働省ホームページにも載っていますし、
実際の病院でも、
とりわけ清潔操作が必要な手術室に入るときには、
入念に手洗いを行っています。
手術に臨むときに、
「アルコールで十分なんや」
と言って手に70%エタノールを吹き付けすり込んで済ませるような
医療従事者はいません。
今から25年前ぐらいに
普通の抗生物質が効かない
MRSAという
多剤耐性黄色ブドウ球菌が
院内感染、特に接触感染で問題になり始めた時期がありました。
それまでも、「一処置一手洗い」といって
患者さんの診察や処置をしたら手を洗うことが
院内感染対策の基本でしたが、
大人数の患者さんを診察して回る病棟回診の時に、
業務効率化のためにエタノールスプレーを持ち歩きだしたのが、
手洗いの代わりにやむを得ない場合はアルコール消毒でもよいことになったきっかけのように記憶しています。
皆さん、
アルコール消毒が一番ではありません。
石けん手洗いの代わりにやむを得ない場合はアルコール消毒でもよい
のですよ。
また、
アトピー性皮膚炎の患者さんでは、
アルコール消毒で皮膚がガサガサになって皮膚炎が悪化することがよくあります。
石けん手洗い、アルコール消毒、どちらも選べるのなら
しっかり石けんで手を洗うことにしましょう。
次回は、「その消毒、ホントに有効?」消毒についてお話しします。