アレルギー検査(5)~IgE抗体、OAS(口腔アレルギー症候群)

ハンノキ、シラカンバ、スギ、ヒノキ、草の花粉のIgEが高い人の中には、果物、野菜、ナッツなどの植物性食品で口がかゆくなるOAS(口腔アレルギー症候群)を起こすことがあるので注意が必要です。

ちょうどこの前NHKの番組、あしたが変わるトリセツショー「食物アレルギーのトリセツ」で取り上げられていましたね。

サーファーと納豆、医者とバナナ、鳥をペットにしている人の親子丼アレルギーなど、解説されていました。

口腔アレルギー症候群(OAS)
別名、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)

花粉のアレルゲンに一部似たところのある食物のアレルゲンが、花粉に対するIgE抗体に反応することで起こります。このような反応のことを「交差反応」といいます。

花粉のアレルギーと関連ある植物性食品のわかりやすい表がありましたので、転載します。

PFAS

食物アレルギー診療ガイドライン2021ダイジェスト版(一般社団法人日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会作成)より転載

花粉症のある人が、必ず発症するわけではありません。

  くちびるの腫れ、口の中の違和感などが主な症状ですが、まれに、のど~気管に症状が広がり、呼吸困難、また、アナフィラキシーに進行する場合があります。

症状のある人は、原因食物を除去するのが、治療の基本です。
ただし、原因となるアレルゲン物質(Bet v 1 ホモログやプロフィリン)は熱に弱いので、加熱調理された加工食品であれば、摂取できることがあります。

果物、野菜、ナッツなどを食べて、くちびるの腫れ、口の中、のどの違和感がある方は、一度血液検査を受けておくことをおすすめします。当院でも検査は可能です。

次回は、ラテックスアレルギーについて説明します。