食物を食べた後に、腹痛、下痢などの消化器症状を起こすときに
食物成分に対するアレルギーが原因になる場合と
アレルギーではないが似たような症状が起こる場合があります。
アレルギー性疾患
免疫反応によって症状が出ます。
問診、採血(特異的IgE抗体検査)などで診断します。
非アレルギー性疾患
仮性アレルゲン
食物に含まれるヒスタミンやセロトニンなどの化学物質により、腹痛、下痢などの症状が出ることがあります。
原因になりやすいのは、
・鮮度の落ちた鯖
・ほうれん草、長芋、トマト、なす、バナナ、キウイ、パイナップル(あくの強いもの、よく熟れたもの)
・ワイン、チョコレート
など
「普段は大丈夫だけど、たまたまサバにあたってかゆくなった」
→仮性アレルゲンの可能性が高い
乳糖不耐症
牛乳を飲んで下痢腹痛を起こす人の中には、牛乳に含まれる乳糖が十分に消化できない体質の人がいます。
食中毒
食材に含まれる毒素や、O-157、ノロウイルスなどの病原菌が原因です。
非アレルギー性疾患の場合は、原因として疑った食材の特異的IgE検査は陰性になります。
特殊なアレルギー性疾患
アニサキスアレルギー
アニサキス(寄生虫の一種)が寄生した魚介類を摂取することで発症します。
摂取した魚介の特異的IgEが陰性、アニサキスの特異的IgEが陽性になります。
刺身の中に運悪く生きたアニサキスがいて食べてしまったら、胃の中でアニサキスが暴れ回って激痛を起こすことがあります。これは「アニサキス症」という病気です。
消化器内科で胃カメラをしてアニサキス自体を摘出する必要があります。
食材の加熱、冷凍が「アニサキス症」の予防には有効です。
それに対して、アニサキスアレルギーは、
アニサキスの蛋白質に対する反応なので、アニサキスが死んでいても発症することがあります。
アニサキスの対する抗体検査は、View39には含まれていません。
個別の、特異的IgE抗体検査で調べることになります。