7月4日(日)にWeb視聴しました。これで今年のA、B、Cセッション全て聴講しました。
もちろん、内容の全てを理解したわけではありませんが、いくつか実地診療に役立つ事柄がありました。演題と今回の学びを少し。
1.甲状腺診療における注意点 隈病院 赤水 尚史 先生
・甲状腺機能亢進症で、抗甲状腺薬開始後に一過性の肝機能変動が起きることがあるがたいてい一か月で治まる。ALT150までならすぐに副作用と考えなくてよい。
・甲状腺機能亢進症の寛解率は50%ぐらい。抗甲状腺剤を止めてみないとわからない。寛解バセドウ病で、抗甲状腺剤中止後一過性甲状腺中毒状態が約4割に起こる。TSHが減り、レセプター抗体も上昇する。数か月続くこともある。すぐに再発と判断しない。
2.日本人2型糖尿病の病態と治療 金沢大学 篁 俊成 先生
・糖尿病は、インスリンが空腹時の肝臓からのブドウ糖の漏れを抑えられないことと、食後の骨格筋と脂肪組織へのブドウ糖の取り込みを促進できないことが主なメカニズムである。
・膵臓のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)がブドウ糖の増加を正しく感知できないことも糖尿病の発症に関係している。
・膵臓のβ細胞だけでなく、α細胞(血糖を上げるグルカゴンを分泌する)にも異常があるかもしれない。糖尿病ではグルカゴンの過剰反応がある。
・日本人は脂肪組織にエネルギーを蓄積しにくい→脂肪に脂肪蓄積→脂肪肝→骨格筋のインスリン抵抗性増加、という流れもある。
3.悪性リンパ腫アップデート 鹿児島大学 石塚 賢治 先生
4.白血病診療の進歩 長崎大学 宮㟢 泰司 先生
・検診で軽度の白血球増加から慢性骨髄性白血病が見つかることもあるので注意が必要。
5.新型コロナウイルス感染症を念頭においた呼吸器感染症診療 長崎大学 迎 寛 先生
6.ウイルス感染症に関する最近のトピックス 東京大学 四柳 宏 先生
7.今,高齢者の音楽療法に求められること 日本音楽療法学会 三崎めぐみ 先生
・治療法としては比較的新しい分野ですが、身体活動・抑うつ症状の改善に効果があったという統計学的解析結果も紹介されました。
・パーキンソン病の歩行訓練に利用され、ダンスを踊るとすくみ足が出現しないという報告があった。
・手ごたえとしては、中・高・大学生の頃の歌が思い出しやすい。