月別アーカイブ: 2015年3月

メンタルヘルス対策(その19)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の19回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】年功主義から成果主義への過度な移行が過重労働、サービス残業などをもたらし、さらには職場の人間関係をおかしくしたことが、今日的なストレスメンタルヘルス不調を生んだ大きな原因と言われます。しかし、多かれ少なかれ人事システムの見直しというのは、この先も、避けて通ることのできないメンタルヘルス課題です。
忘れてはならないのは、人事システムの見直しを行うに際して、従来の人事制度から新たな考え方に基づく人事制度に移行するのだということを、会社側の一方的な都合ではなく、さまざまな側面からその必要性を明らかにし、社内的なコンセンサスを得て、実現していくことです。しかし、実際には十分にできていない企業が多いように感じます。結果、やらされ感やノルマのある職場が増えていきます。ストレスは溜まりメンタルヘルス不調者は増えるばかりです。逆に言えば、これができている企業では過剰なストレスメンタルヘルス不調が起きている割合は低いです。この差はとても大きいです。
いずれにしても、人事制度の整備と正しい理解が社員個々の目標を明確なものとし、上司と部下のコミュニケーションの促進につながり、ひいては「個立」し「自立」できる人材を育成する社内風土作りにもつながっていきます。その意味で考えれば、人事システムの見直しは今日的なストレスを根治メンタルヘルス不全を解消するために絶好の機会だと思います(とはいえ、やり方を間違うとさらなる過剰なストレスを生み出しメンタルヘルス不全の原因になるのも確かだが…)
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その18)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の18回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】大胆に言えば、社員が上司を信頼してコミュニケーションがうまく図れ、仕事に傾注し、会社への満足度が高くなれば、過剰ストレスメンタルヘルス不全に陥る割合は極めて低くなると思います。問題となるのは、上司と部下の信頼関係、コミュニケーションをいかに確立するかという点です。その際に、部下それぞれの適性に応じて役割や業務内容の明確化を徹底し、その先にある目標をお互いに納得できる形で具体的に提示できるかどうか。このことがとても重要になってきます。
このようなメンタルヘルスマネジメントを実現するためには、不安定でブレがちな経営方針と部下の”緩衝材”としての管理職の機能を、これまで以上に当人が意識する必要があります。経営課題を部下が納得する形に落とし込み、部署としての目標を明確にします。その目標に対する到達方法を考え、実現のため部下にどのような役割を期待するのかを明確にしていきます。それを個々の目標として説明し、それが自分たちの部署にとって、また会社にとっていかに重要なことであり、何よりも目標を実現することが自分自身にどのようにプラスとなるのか。要は、各人における仕事の「意味」を的確に明示していけるかどうかです。
これが、今日的なストレスに対する攻めのメンタルヘルス対策の一つの回答だと思います。意味ある仕事の実現を通してこそ、ストレスは解消されメンタルヘルス不調も改善されます。これならメンバーは目標に向かって邁進することができるし、ストレスに対して強い耐性を確立しメンタルヘルス不調にも対応することにつながっていきます。
しかし、これらは管理職一人の力で100%できることではないです。いくら管理職が優秀でも、企業の人事システムが今日的なストレスメンタルヘルス不調を解消する方向で構築されていないと、管理職の努力にも限界があります。そのためにも、後方支援部隊としての人事部のサポートが不可欠です。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その17)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の17回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】ストレスメンタルヘルス不調者を出さない強い組織を作るには、前段で指摘したようなストレスを早期に発見、治癒できるメンタルヘルスマネジメント体制を確立することです。と同時に、人事部として考えなくてはならないのは、中長期的な視点で過剰なストレスメンタルヘルス不全を根本から断つ人事システムの構築です。
例えば、「社員一人ひとりに対するストレスマネジメントメンタルヘルスマネジメント教育の徹底を図る」「過剰ストレスの防止メンタルヘルス不全者を早期発見カウンセリング体制を確立する」「各種のストレス発散機会を提供する」などが具体的なメンタルヘルス対策となります。ただ、それにも増して重要なのは、部下を持つ管理職への過剰なストレスに対するメンタルヘルス対策を充実させることだと考えます。
過剰ストレスに陥ると、一定の「ストレスサイン」が出てきます。「仕事の能率が低下する」「ミスやロスが増える」「遅刻・早退・欠勤が増える」「態度が落ち着かなくなる」「口数が少なくなる」「考え込むようになる」など。こうしたサインをいち早く読み取り、適切な措置を取れるようにしておくことです。これらは、上司が部下の動向を緻密に観察していないとできることではないです。つまり、ストレスの早期発見においては、日頃からのメンタルヘルスマネジメントがより大切ということです。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その16)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の16回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】では、今日的なストレスメンタルヘルス不調に対して、企業が取る攻めのメンタルヘルス対策にはどのようなものがあるのでしょうか。いそれは大きく、以下の3点からのアプローチが考えられます。
『1.ストレスに強い人材を育成するフィールド作り
2.ストレスを早期に発見できるメンタルヘルスマネジメント体制の確立
3.ストレスメンタルヘルス不調者を発生させない人事システムの確立』
まず、第一の点に関しては、年功序列・終身雇用時代のような画一的な人材観ではなく、多様な価値観やバックボーンを持った人材を包含し、そうした人たちが活用できる企業風土を形成していくことが重要です。というのも、仕事や会社を唯一最大の拠り所としている社員だと、その拠り所を失うことの不安、失った時の衝撃には計り知れないものがあるからです。
会社や仕事一辺倒のライフスタイルというよりも、例えば、会社以外にも自己表現の場を持ち、昇進よりも仕事のやりがいを重視する、過大な収入より好きな仕事を求めるといったことに価値観を置くような人材。そういう人ならば、自分の仕事に対する自信やあくなき探究心も強く、今日的なストレスに対する「耐性」メンタルヘルス不全にも強いように思います。
会社に全面的に頼るのではなく、自分で道を切り開いていけるような人材を育成するためのフィールドを作ること。個が確立し自立した人材を輩出していくことが、今日的なストレスを前向きのエネルギーへと代え、過剰ストレスメンタルヘルス不全者を出さない組織へとつながっていくのです。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その15)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の15回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】メンタルヘルス対策は大事だが、企業が利潤を追求するものである以上、社員に一定の「ストレス」がかかることは避けられないです。「能力いっぱいの仕事が与えられる」「一定の役職に就くと、想像以上の重い責任がのしかかる」「複雑な人間関係の中で、円滑に仕事を進めていかなければならない」「仕事量が多く残業続きで、自由になる時間が全く取れない」「成果が出なくて、思うような収入が得られない」など、今日、ストレスとなる要因を挙げればきりがないです。
事実、連合が行った調査で「仕事上のストレスを感じる理由」を聞いているが、上位には「仕事量が多すぎる」41.2%、「長い時間神経を集中する」38.6%、「働く時間が長い」28.4%など、過重労働に関する理由が挙げられています。次いで、「自分の職場や仕事の将来が不安」25.7%といったキャリアに関する理由、さらに昨今の「不機嫌な職場」に代表されるような「職場の人間関係がよくない」21.6%、「拘束感がある」19.3%、「職場環境が悪い」19.0%などの理由が続いています。
いずれにしても、現在の職場には今日的とも言うべき多様な「ストレス要因」が山積しており、これらを全面的に排除していくのは難しいです。だから、少し発想を変えてみましょう。これまで述べたような「守り」に重点を置いたメンタルヘルス対策だけではなく、避けることのできないストレスならば、それとうまく付き合うことを考えてみてはどうでしょうか。守るだけではなく、「攻め」の姿勢が必要。攻撃こそ最大の防御だというではないでしょうか。そういう視点から、今後はメンタルヘルス対策も考えていく必要があると思います。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その14)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の14回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】ところでEAPを受けたくない理由としてよく挙げられるのが、「守秘義務は守られているのか」「カウンセラーは信用に足る人なのか」「カウンセリングは自分の問題解決に役立つ手法なのか」など。導入していく際には、こうした点からまず払拭していくことが当面のメンタルヘルス課題でしょう。
個々人のライフステージや役職の違いによって、抱えている悩みは違います。様相も異なります。EAPを活用していく上でも、社内の利用者を細分化し、各ターゲットに合わせたメンタルヘルスサービスを的確に提供していきます。さらに、その反応などを分析して、より利用率の高まるメンタルヘルスサービスを実施していくといったマーケティング的なアプローチが今後は欠かせないです。
以上、企業におけるメンタルヘルス対策を4つの視点から見ていったが、この先ニーズが増すと考えられる外部EAPについて、導入する際のチェックポイントを整理してみました。
『【対応】
●具体的なケースや質問などを聞いた時、躊躇なく応答ができているか
●セキュリティや相談した内容の秘密保持が厳格に守られているか
●スピィーディなブッキングができているか。1~2週間後などの対応は問題外である
●「連絡経路」や企業としての基本的な「管理体制」が整っているか
【サービス内容・コンテンツ】
●いろいろなケースに対応できる「ネットワーク(紹介先)」を確保しているか
カウンセリングは基本的にフェース・トゥ・フェースで行うもの。その点で、Web(電話)対応で十分としている業者は要注意。ただし、ストレスチェックなどはWebなどでも可能である
●質の高いカウンセラーを確保しているか、育成しているか
●精緻なカウンセラー養成プログラムを持っているか
【その他】
●料金があまりに安すぎはしないか。例えば、1人当たり年間500~1000円を提示してくる業者は異常である。これでは、まともなビジネスとして成り立たない。本場アメリカでも、25ドルが一般的と言われている
●利用率が低すぎる業者。5%以上が一つの目安と思われる』
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その13)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の13回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】そもそもEAPとは、アルコール問題が大きな社会問題となった1940年代のアメリカで、アルコール依存症になった社員の早期発見・早期治療を目的として始まったもの。その後、メンタルヘルス全般へ応用されるようになりました。
最近では、社員のストレスを減らして能力を存分に発揮できるよう支援することによって、組織の「生産性」を向上させることが大きな目的となっています。前述したように、働く人を取り巻く環境は大きく変化してきました。M&Aなども頻繁に行われるようになり、必然的に職場にストレスが溜まる要因が増えています。こうした環境下では、想定する以上に不適応を起こしてしまう人が少なくないです。チームとしての協同作業もうまく機能せず、コミュニケーションや効率性の面で低下している組織も多々見受けられます。
EAPは、「面談」によるカウンセリングが基本です。これも、EAPで扱う問題というのは、フェース・トゥ・フェースでなければ正確にアセスメントできない類のものだからです。さらに、その後のフォローアップ、それに対するカウンセリングやトレーニングが重要になってきます。電子メールや電話、ファックスなどはあくまで補助的なツールと考えます。
利用を考える際に安心してほしいのは、契約企業に対してこのような「利用履歴」を一切伝えることはないということ。このことで従業員は不安を感じることなく、カウンセリングを利用できます。その結果、ストレスによる欠勤や生産性のダウンなどを防ぐことが可能となります。
さらに言えば、企業経営の面から考えてもEAPは不可欠なツールです。アメリカの例であるが、EAPに1ドル投資することで、会社の利益として5ドルから15ドルの経済効果が上がることが実証されていると聞きました。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その12)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の12回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●《自社内の産業保健スタッフによるケア(内部EAP)》
ここからはメンタルヘルス対策としての「EAP」(従業員支援プログラム)について。EAPには、内部と外部があります。内部EAPは、自社内の産業保健スタッフなどが職場環境やストレスの状況について評価し、管理者と協力してその改善を図ることを主目的としています。
何より内部EAPでは、自社内に労働者のメンタルヘルス相談に応ずる相談機能を設置すると同時に、専門的な治療を要する労働者に対しては、適切な外部EAPを紹介し、メンタルヘルス問題を有する労働者の職場復帰リワーク)や職場適応を指導したり支援することが求められています。
『*EAP:Employee Assistance Program⇒メンタルヘルス対策として相談室を設けたり、カウンセラーを配置したりして、従業員を支援するプログラム』
●《外部の専門家によるケア(外部EAP)》
そして外部によるEAP。近年では、外部EAPを利用する企業が増えてきているが、その理由としては大きく2つあります。1つは「コスト」が安いこと。2つには内部EAPと比べて、「利用率」が高いことが挙げられます。外部EAPは社外にあるのでプライバシーが厳格に守られ、利用する側にとっても敷居が低くなり、結果的に疾患に至る前での早期対応が可能となるからです。
また、現在ではEAPに対する認知度が上がり、新たにEAPを扱う企業も数多く出てきて、利用者にとって比較検討しやすい状況となっています。さらに、EAPがアルコール依存症やうつ病などの疾病への対処だけではなく、メンタルヘルス問題の予防カウンセリング、そして家族やプライベートな問題、あるいはキャリアや将来的な問題にまでカバーするようになってきたことも、利用率を上げる誘因となっています。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その11)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の11回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●《ラインによるケア~管理者が行う職場環境の改善と相談への対応》
次は、管理者が部下のストレスにどう対処していくかについて、3つの段階に分けて考えてみます。まず、部下に病気の可能性があるケース。ここでは「早期発見・早期対応」ができるかどうかがポイントとなります。そして、外見上は健康に思えるケース。日々のコミュニケーションをうまく図り、部下のストレス低下に効果的なマネジメントをどう行っていくかということが求められてきます。最後は組織の風土。これもストレスに大きな影響を与えるので、自らリーダーシップを発揮して、健全なものに変えていくことが求められます。
ただこれらには、注意しなければならないことがあります。最初の病気かどうかの見極めについては、専門家(精神科・心療内科)でないと正しい判断を行うことはできないという点です。しかし、前兆を感じ取ることはメンタルヘルスケア対策として非常に重要なので、管理する立場にある者としては、専門家(精神科・心療内科)へのつなぎ役としての必要最低限の知識を身に付けておきたいです。この場合、状態に応じてどう接していけばいいのか、さらには相手とどのように話すのかといったスキルが欠かせないです。
一見、健康と思われる人でも、内面は違うことが少なくないです。実際問題、ビジネスの現場ではストレス要因が山積しています。管理者は日頃から部下がどういう状況の時に悲観的になるのか、落ち込むのかといったことを知り、メンタルヘルス対策について部下と一緒になって考え、前向きに仕事に取り組めるよう働きかけていく姿勢が大切です。
さらに一言。近年、管理職に対するコーチング研修などで「傾聴」のスキルが大切だと言われているが、ことメンタルヘルス対策に関して言えば、逆効果になる場合も少なくないです。まずは専門家(精神科・心療内科)を招いて、状況別の対処方法や部下にメッセージを伝えるときのコミュニケーションスキルを正しく身に付けることを考えていきましょう。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


メンタルヘルス対策(その10)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の10回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】一般的に、ストレスに対処メンタルヘルス対策をしていくためには、次のような行動やスキルの習得が有効です。
●「感情・思考」の記録を付ける
ストレスメンタルヘルス不調を感じた時、自分の感情や思考の状態を、記録として毎日付けていきましょう。できれば最低、2週間程度は続けたいです。なぜなら、人間には独自の考え方や思考の癖というものがあるからです。日々の感情・思考の記録を意識して付けることによって、自分の認知のパターンや傾向に気づき、ストレスを感じない別の考え方を探すことができるようになります。
●「リラクゼーション」スキルを習得する
「リラクゼーション」とはストレスを受けた結果、発生したメンタルヘルス不調や生理反応をできるだけ軽減していくことです。この方法を学びましょう。これも、体の反応を変えることで、メンタルヘルス不調も変えることができるからです。具体的には、「筋弛緩法」「呼吸法」「自律訓練法」などを学ぶことにより、ストレス感情の減少、肩こりなど筋肉の緊張の減少を図ると共に、ストレス性疾患(胃潰瘍、パニック不安など)やメンタルヘルス不調の予防を図っていくことができます。
●「対人関係」スキルを習得する
「対人関係」を良好に保つことは、現代社会では非常に重要な位置を占めています。ある意味、業務に関わる専門知識よりも重要ではないでしょうか。だからこそ、自分の意見や考えを相手に上手に伝えることができるようになれば、それは大きな自信につながっていきます。例えば、「アサーション」(言うべきことは言う)と呼ばれる対人スキルを習得することで、職場における人間関係を円滑に進めることができるようになります。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。