高血圧、高脂血症、糖尿病も「体質ですから、、、」とついつい患者さんに言ってしまいますが、体質が変えられるならこんな素晴らしいことはないわけです。この本の著者の中尾光善先生は元小児科医で、現在は熊本大学発生医学研究所の教授、エピジェネティクスの研究者です。エピジェネティクスとはものすごく端折ってい言うと、遺伝子のスイッチをオン・オフする仕組みのことで、「体質は3年説」を主張されています。
その具体的な根拠は2つ示されていて、
① イスラエルの研究者の報告で、人間は一日当たり80±20gの細胞量が入れ替わっているという。これを体重70㎏の男性で計算すると、一日80gなら約2.4年で、60gなら約3.2年で体全体の細胞が入れ替わることになる。
②アレルギーの舌下免疫療法は、微量のアレルギー原因物質を定期的に投与して体を「慣れ」させて過剰なアレルギー反応を起こりにくくする方法であるが、治療の期間は3から5年が推奨されている。
具体的根拠というには少なすぎ、実際に「3年でこの体質がこのように変わりました!」という実例もデータも示されてはいませんので突っ込みどころ満載の説ではありますが、確かに体質を変えようというなら3年ぐらい頑張る覚悟は必要かもしれません。
最後に望ましい生活習慣として主張されているのは、ミトコンドリアを活性化するための「運動」「寒さ」「空腹」の3つです。エネルギーを消費して新陳代謝を活発にするのが良い、ということです。