胃がん検診の課題

森ノ宮胃腸内視鏡クリニック 院長の藤田です。

今回は「胃がん検診の課題」について解説します。

現在でも胃がん検診は「40歳を超えたら年に1回はバリウム検査を受けておきましょう」と指導されます。

しかし、本当にそれでいいのでしょうか?

胃がんにならないようにするには、胃がんを早期発見するには、これでいいでしょうか?

【胃バリウム検査】

バリウム検査は、口からバリウムを飲んで食道から胃に流れ、胃にたまったバリウムが十二指腸まで流れるのをレントゲンで確認する検査です。レントゲンが出る台の上に乗り、部屋の外から担当の技師さんがあれこれ態勢や台の傾きを変えながら、胃にたまったバリウムを移動させるようにして、レントゲン写真を撮ります。

あとで出来上がった写真(白黒のレントゲン画像)を医師が確認して、食道や胃、十二指腸に病気がないか確認しる検査です。

●胃バリウム検査の弱点 

①早期発見には向いていない。

バリウム検査の目的は「胃がんの死亡率を下げる」ことであって、「胃がんの早期発見」ではありません。胃がんの人を見つけて治療に回すことによって、全体として死亡率を下げることを目的としています。
胃がんは早期の段階では、凹凸は目立たず、粘膜のわずかな色調の変化(赤くなったり、白くなったり)で表れます。レントゲン画像は白黒画像なので、その評価が出来ず、あくまで凸凹の形の変化をとらえるだけです。そして胃粘膜が凸凹した段階ですでに胃がんが進行していることがほとんどです。

②レントゲン被ばくの問題 

胃バリウム検査では、検査中の長い間レントゲンが出続けています。これは、例えば胸のレントゲンのように1枚だけパシャッと撮影するのとは大きく異なります。被ばくの量でいえば、胃バリウム検査は胸のレントゲン写真の120枚分のレントゲンを浴びている計算になります。

③検査による副作用

実は、胃バリウム検査が嫌で診察に来られる方は結構おられます。
その理由は、バリウムが腸にたまって便秘になってしまう(バリウム後は下剤を処方されます)、検査台の傾きが強くて怖い、しんどい、などの理由です。

【胃バリウム検査のメリット】

では、逆に胃バリウム検査のメリットは何でしょうか。

一番は、バリウムを「飲むだけでいい」ということです。胃カメラのようにオエオエとすることがない、というのが一番のメリットになります。

次に「たくさんの患者さんを見ることができる」ことがあげられます。それはどういうことかというと、胃バリウム検査でマイクで指示を出しているのは通常、医師ではなく検査技師さんです。医師は人数が少ないですが、検査技師は人数がいており、その分検査を多くできるというわけです。(これは医療側にとってのメリットです)

【胃がん検診の課題】

これらのデメリット、メリットを見て どうお持たれたでしょうか?

結論を先に言いましょう。胃がんを早期発見するには、胃バリウム検査ではなく胃カメラです。

ただし、全員が胃バリウム検査ではなく胃カメラを行うとなると、内視鏡する医師の数が足らず検査がパンパンになってしまうのが現状です。

2010年代に入って、ようやく自治体によっては 胃がん検診として胃カメラを選択できるところも出てきました。それでも「50歳を超えて2年に1回 バリウムとの併用はダメ」という制限があります。また検診での胃カメラは、基本的には鎮静剤を使用することはできません。(覚醒した状態ですので、おえおえしやすいことがあります。実際胃がん検診で胃カメラを選択したものの、嘔吐反射が強くて、結局胃バリウム検査に戻ったという方もおられます。)

胃がんになりやすい人は、ピロリ菌に感染している人、またはかつて感染していた人(除菌後)です。そのような方は、胃がん検診ではなく、保険診療の適応となりますので、胃カメラを受けておくようにしましょう。(保険診療の胃カメラでは、鎮静剤を使用しているクリニックが多くあります)

 

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