森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック 院長の藤田です。
今回のテーマは
アニサキスだけじゃない!「魚に寄生する虫」
アニサキスは有名なので ご存知の方も多いと思います。芸能人がかかったこともありネットニュースにもなっています。実際に当院でのしばしばアニサキスにかかった患者さんを認めます。
サバやイカなどの内臓に棲む寄生虫で、知らずに食べてしまうと食後4~8時間で激しい胃痛と嘔吐を認めます。
ただ魚にすむ虫は アニサキスだけではありません。
また逆に寄生虫がいるからと言って 必ずしも食中毒を起こすわけでもありません。
(多くの寄生虫は人体に無害です)
そこで 今回は食中毒を起こすものについて まとめて解説します。
●ノロウイルス
牡蠣やアサリなどが原因となることがあります。原因食材が分からないこともよくあり、
食品自体ではなく、調理や配膳しているヒトを通じて移ることがあります。集団感染することがあり、感染者は食中毒の中では最も多い。
予防は、加熱(85~90℃で90秒)です。人から人に移ることがあり、石鹸での手洗いは基本になります。また吐しゃ物や下痢便から移ることもあり、処理後は次亜塩素酸Naで消毒しておきましょう。
●腸炎ビブリオ
海水中にすむ細菌で、塩分を好みます。15℃くらいで活動が活発となるため、海水温が高くなる夏に発生します。
食材は刺身やお寿司で、食後8~24時間で下痢、腹痛を起こします。
予防は、真水で洗うこと、低温管理(4℃以下ではほとんど増殖しない)
また魚を調理したまな板や包丁は、他の食材と分けておくことも有効です。
●クドア
ヒラメの筋肉にすむ寄生虫です。寄生虫ですが、直径0.01mmと小さく目で見ることは出来ません。ヒラメの刺身を食べて、数時間後に下痢や嘔吐を認めますが比較的軽症で一過性の症状で終わることがほとんどです。
養殖場での管理徹底されるようになり、ここ10年で報告件数は1/10まで減っています。
予防は冷凍または加熱です。-20℃で4時間、または75℃で5分で死にます。
●旋尾線虫
ホタルイカ、スルメイカなどの内臓に寄生しています。
直径0.1mm 長さ5-10mmで目視での確認は困難です。
食後数時間から2日経ってから、下腹部の張りや腸閉塞を起こすことがあります。
皮膚爬行症といって皮膚に寄生虫が這い、線状に赤くなることがあります。
予防は冷凍または加熱です。-30℃で4日または沸騰水で30秒加熱することです。
●ヒスタミン
細菌や寄生虫ではなく、化学物質になります。
サバやマグロ、イワシなどの赤身肉にヒスチジン(アミノ酸)が含まれ、常温で放置すると菌によってヒスタミンに変わります。
ヒスタミンはアレルギーを起こす物質ですので摂取すると直後からアレルギー反応である顔面紅潮、吐き気、蕁麻疹を起こします。
ヒスタミン自体は加熱しても分解されませんので、予防はヒスタミンを作らないように冷蔵または冷凍保管することです。
以上 魚で食中毒を起こす代表的なものでした。
大事なことは
■魚は新鮮なものを選ぶ
■内臓はすぐに処理する
■魚は速やかに冷蔵庫で保存する
■魚の調理は流水で洗う
■まな板や包丁は分ける
■石鹸で手洗いをする
食中毒は年中報告はありますが、特に夏は室温が高く細菌が繁殖しやすくなりますので
十分に注意しましょう。
[森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック]
鎮静剤を使った楽な胃カメラ、鎮痛剤を使った痛くない大腸カメラをしている内視鏡専門クリニックです。2016年に開業し、年間約4000件の内視鏡検査を行っています。
JR森ノ宮駅直結、地下鉄森ノ宮駅から徒歩3分 ビエラ森ノ宮3Fにあり、
大阪市内で京橋、玉造、谷町4丁目、本町、東大阪からもアクセス良好です。
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《分院》大阪本町胃腸内視鏡クリニック
2022年10月3日開院
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