5月19日に大阪府医師会 学術講演会「高齢者の非アルコール性脂肪性肝疾患診療を考える」(大阪医科薬科大学病院肝疾患センター長 福西新弥先生)をWebで聴講しました。
C型肝炎ウイルスが内服薬でかなり治せるようになりましたが、今度はアルコールが原因でない脂肪肝が問題になってきました。これは「非アルコール性脂肪性肝疾患」、英語の略でNAFLD(ナッフルドまたはナッフルディー)と呼ばれています。講演で参考になった事項は、
・NAFLDの診療ではとにかく肝臓の線維化の有無を見ることが大切。血小板数とFIB-4値(年齢、血小板数、肝機能検査から計算)に注目する。
・脳、心血管疾患になる人が多い。
・治療はまずカロリー制限。運動も有効。
・体重5%減少でQOLの改善、7%減少で脂肪化改善の報告がある。
・薬剤はSGLT-2阻害剤が注目されている。肝機能数値の低下、脂肪変性改善も報告されている。
・GLP-1受容体作動薬も効果がある。
・ペマフィブラート(高脂血症の薬)も有効である。 肝機能数値、FIB-4値改善効果もある。高齢者でも使える。
・高齢者の糖御尿病合併NAFLDではSGLT-2阻害剤、GLP-1受容体作動薬を考慮すべきである。