YouTube「妊娠中の胃カメラについて」
今回のテーマは「妊娠中の胃カメラについて」です。
また胃薬は大丈夫なのかについても解説します。
大前提として
全妊娠のうち、約3〜5%に先天異常は起こります。
自然流産も15%で、母体年齢とともに上昇します。
その多くは原因不明で、薬剤が原因であるものは1%です。
また、比較実験ができず、出産後のデータを使って解析しており
「薬が原因」と証明するのは非常に困難です。
妊娠中と授乳中は条件が異なるため、
今回は「妊娠中」についてお話をします。
妊娠の期間
①着床前期(妊娠〜3週):All or Non 妊娠が継続するか、しないか
②胎芽期(4〜9週):各器官が形成される重要な時期=催奇形物質の影響を最も受けやすい。
③胎児期(10週):大半の器官が形成され、胎児が発育する時期。胎児毒性で発育に影響が出る。
時期によって薬の影響を考える必要があります。
催奇形性や胎児毒性などのリスクがある医薬品
妊娠初期:サイトテック、ワーファリン、多量のビタミンA
妊娠後期:NSAIDs(ロキソニン、ボルタレンなど)
下記の一覧も参照ください。(医学書院 医学会新聞より抜粋)
妊娠と気付かずに薬を飲んだ…
添付文書に「禁忌」の記載があっても、胎児への影響のない薬も多数あり。
消化器系だと、便秘薬のセンナ・センノシド、吐き気止めのナウゼリン、
ニューキノロン系抗生剤のクラビットがあります。
そのため、添付文書に「禁忌」の記載があっても
過剰に心配して、安易に人工中絶を選択しないように。
まずは、以下に相談しましょう。
・主治医や薬剤師
・国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」
アルコールについて
アルコールには催奇形性があり、安全量も不明なので注意が必要です。
妊娠中は禁酒すべきです。
妊娠中に胃カメラ受けられるか?
できないことはありません。
症状や母子の状態から総合的に判断して、検査をすべきと判断すれば
胃カメラを実施します。
胃カメラで使用する薬剤に
表面麻酔:キシロカイン
鎮静剤:ドルミカム
鎮痙剤:ブスコパン、ミンクリア
がありますが、いずれも禁忌ではありませんが、「絶対安心」でもありません。
リスクを減らすために
・妊娠4〜9週は避ける
・鎮静剤を使用しない経鼻カメラで受ける(鼻から挿入する細い胃カメラ 径5〜6mm程度)
妊娠と胃薬
ほとんどが問題なしです。
ガスター・パリエット・タケキャブ・ムコスタは内服可。
吐き気止めのナウゼリンは動物実験で催奇形性があり禁忌となっていますが、
人間にはほとんどリスクになりません。心配であればプリンペランに変更を。
※サイトテックは子宮収縮により流産リスクがあるので避けましょう。
妊娠と漢方薬
・漢方だからといって「安心」というわけではない。
・漢方は研究報告が乏しいのが実情。
以下も成分は添付文書に「妊婦の投与しないことが望ましい」と記載あり。
大黄(ダイオウ)
※子宮収縮作用、骨盤内充血促進作用→流産・早産のリスク
甘草(カンゾウ)
※母体の高血圧(妊娠高血圧症との判断困難)、低カリウム血症→流産・早産のリスク
桃仁(トウニン)
芒硝(ボウジョウ)
まとめ
・胃カメラは可能。
・絶対安全というわけではないので検査するメリットとリスクのバランスで判断。
・妊娠4〜9週は避ける。
・リスクを減らすなら、鎮静剤は使用せず経鼻カメラ。
・胃薬は内服可。
・サイトテックやロキソニンには注意。
・漢方も内容によって注意。
[森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック]
鎮静剤を使った楽な胃カメラ、鎮痛剤を使った痛くない大腸カメラをしている内視鏡専門クリニックです。2016年に開業し、年間約4000件の内視鏡検査を行っています。
JR森ノ宮駅直結、地下鉄森ノ宮駅から徒歩3分 ビエラ森ノ宮3Fにあり、
大阪市内で京橋、玉造、谷町4丁目、本町、東大阪からもアクセス良好です。
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初めての検査で不安な方や、他の病院でしんどかった方は、お気軽にご相談ください。
《分院》大阪本町胃腸内視鏡クリニック
2022年10月3日開院
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