森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック 院長の藤田です。
今回のテーマは「食中毒」です。
食中毒を防ぐ5ヵ条について解説します。
食中毒は、高温多湿になる6~9月に増えます。
【夏に多くなる食中毒】
●カンピロバクター
鶏肉を中心とした肉類に付着します。生野菜にも付着していることがあります。
熱に弱く 加熱すれば死滅します。75℃で1分以上で死滅しますので、中まで十分加熱することが重要です。
カンピロバクターの潜伏期は2~7日と長いのが特徴で、忘れたころに食中毒症状が出ます。症状は下痢、腹痛、発熱があります。場合によっては、血便が出ることもあります。
●サルモネラ
卵や肉に付着しています。
他には犬や猫、亀、鳥などに付着し、自然界に広く分布しています。
感染から発症までは8~48時間とカンピロバクターより短く、激しい吐き気と嘔吐を起こします。数時間後には下痢や腹痛、発熱を起こします。、血便まで認めることは稀です。
サルモネラは熱に弱く、75℃で1分以上で死滅します。
食肉を触った後、ペットを触った後は手洗いをしておくことが重要です。
●ウエルシュ菌
作りおきのカレーやシチューなど、多くは肉や魚をつかった料理で感染を認めます。
ウエルシュ菌は嫌気性で酸素を嫌い、食品のなかで増殖します。
熱に強いのが特徴で、45℃くらいが最も発育しやすい温度になります。カレーを作った後にゆっくり冷やしている間や、再加熱をしている間に増殖、毒素を産生します。
潜伏期は6~18時間で、軽い下痢と腹痛を起こします。症状は比較的軽く、嘔吐や発熱を認めることは稀です。
予防のためには食品内の増殖を防ぐことが大切で、小分けにして急速に冷却、再加熱は十分に行うことが重要です。
カレーは1日寝かせたほうが美味しいといいますが、くれぐれも室温放置は禁物です。
●黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、もともと健常人の2~3割が保菌しており、鼻腔、のど、腸管に存在します。また皮膚の傷口やニキビにも潜んでいます。
素手でおにぎりを握ったり、サンドイッチを作った時に食材に付着します。
黄色ブドウ球菌の毒素(エンテロトキシン)は熱に強いのが特徴です。
食後3時間くらいで激しい嘔吐、腹痛を起こします。
傷口のある手の素手で調理することは避けましょう
●腸炎ビブリオ
生の魚や貝などの魚介類に付着しており、塩分があるところで増えます。
逆に真水や熱に弱く、10℃以下で発育しません。また60℃で10分以上で死滅します。
食後4~96時間で激しい腹痛と下痢を起こします。症状は1~2日で改善することがほとんどです。
低温保存が重要であり、魚を買ってきたら速やかに冷蔵庫に保存しておきましょう
●アニサキス
さば、いわし、いか、さんまなどの内臓に住む寄生虫で、2~3㎝で直径1㎜の糸ミミズのような形をしています。内臓から肉に移動することもあります。
刺身などで生で食べることで感染します。食後4~8時間で急激な胃痛、嘔吐を起こします。
アニサキスは加熱冷凍で死滅します。60℃で1分以上、-20℃で24時間で死滅します。
アニサキスはお酢で締めたり、塩漬けにしても死にません。
予防には、摂取しないことが重要で、目視で確認したら取り除いておきましょう。
また魚は出来るだけ新鮮なものを選らず、できるだけ早く内臓を取り除いておくことが重要です。
以上を踏まえて、食中毒を予防するために大事なことを5つにまとめます。
【食中毒を防ぐ5ヵ条】
① 肉や魚を十分に加熱すること (75℃で1分以上)
② 肉や魚に触れたまな板や包丁などの調理器具を分ける
③ 調理前後、ペットを触ったあとは手洗いをしっかり行う
④ カレーなどを保存するときは十分に加熱後、小分けにするなどして急速に冷却する。
また再加熱も十分行う
⑤ 購入した要冷蔵食材は、出来るだけ速やかに冷蔵庫に保存する
夏場は細菌などが繁殖しやすいなりますので、食中毒に注意しながら食事をとるようにしましょう。
[森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック]
鎮静剤を使った楽な胃カメラ、鎮痛剤を使った痛くない大腸カメラをしている内視鏡専門クリニックです。2016年に開業し、年間約4000件の内視鏡検査を行っています。
JR森ノ宮駅直結、地下鉄森ノ宮駅から徒歩3分 ビエラ森ノ宮3Fにあり、
大阪市内で京橋、玉造、谷町4丁目、本町、東大阪からもアクセス良好です。
胃カメラや大腸カメラでお困りお悩みの方、
初めての検査で不安な方や、他の病院でしんどかった方は、お気軽にご相談ください。
《分院》大阪本町胃腸内視鏡クリニック
2022年10月3日開院
[善玉菌サプリCoColon]