日別アーカイブ: 2012年12月14日

小児科豆知識その7 予防接種② 

予防接種は日進月歩で更新されており、ワクチン自体の安全性や効果が上昇し続けています。そのためこのブログも定期的に更新を加えています(2024年11月12日ver 現在、1歳までの全ての予防接種は公費負担で無料で接種できるようになっています)。

乳児期(0歳児)のスケジュールを示しておきます。

まず、生後2か月を超えたら

(1)「5種混合①、肺炎球菌①、B型肝炎①、ロタテック①」。

ここから4週間以上あけて、かつ生後3か月を超えたら

(2)「5種混合②、肺炎球菌②、B型肝炎②、ロタテック②」。

さらに4週間以上あけて

(3)「5種混合③、肺炎球菌③、ロタテック③」。

その後、病院の指示通りの期間(2~3か月)をあけて

(4)BCG、B型肝炎③

 

注意点をいくつか

①ロタテック3回接種とロタリックス2回接種は同等の効果であり、医療機関ごとに採用が異なります。ただし、2種類を混ぜてスケジュールを組むことはできません。

②ロタワクチンは1回目を生後15週までに開始することが推奨されており、当クリニックでもこの推奨に従っています。生後4か月以降からロタを希望されても接種できません。出産後、できるだけ早く予約を取りましょう。


小児科豆知識その6 予防接種①

「予防接種の副作用が恐いので受けません」

「その予防接種は安全ですか?」

など、お母さんとしては当然とも言える不安や疑問、持たれたことはないですか?

「予防接種を受ける」、というのは「飛行機に乗る」というのに近いイメージ。

どんな飛行機かというと、戦争で弾が飛び交っている国(例えばシリア)から、争いの少ない国(例えば日本)に逃げ出す飛行機。

飛行機に乗ると、時には疲れて熱を出したりなんてことはありますが、「乗らなきゃよかった」なんて一生後悔するようなことはゼロではないにしても極めてまれ。

予防接種を受けないという選択は、「飛行機に乗るのが恐いから、がんばってシリアに残ります」、というのに近いのかもしれません。

(もちろん様々な考え方があっていいし、お近くに非常にまれな飛行機事故に遭遇した人がいて、どうしても乗りたくないという人を無理やり飛行機に押し込むことはしてはいけないことでしょうから、十分に吟味した上での「受けない」には私は真摯に向き合います。もちろんみすみす接種しないという損な選択肢を選んで欲しくはないですから、全力で説得に当たりますが。)

予防接種は地域で接種率を上げていくことがとても重要です。

もう一方で、より安全な飛行機へと改良を同時並行で進めていくこともとても大事なことと思います。

どうかいつの日か、病院に来るのが予防接種を受けるためだけ、という時代が来ますように。