作成者別アーカイブ: くぼこどもクリニック

子育てその41 歴史マンガ

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歴史大好き長男(中3)の蔵書の中に、期限切れた前の免許証の顔写真を忍ばせる。

伊達政宗にジャストフィット。

歴史マンガになったパパは発見されるその時をそっと待つ。

隣の立花宗茂にめっちゃ見られてて草。

程なく発見されにけり。


手足口病(再掲)

今年は相当な手足口病の当たり年になっていますので、以前の記事を再掲しておきます。

「かぜ」という言葉を、ウイルス性の自然によくなる早く治す薬のない病気という意味に拡大するならば、手足口病は「夏かぜ」の一つと言えます。

冬のかぜのように咳や鼻水はほとんどなく、文字通り手、足、口に発疹が出る病気です。

発疹の出やすい場所は手のひらの表裏、足の表裏、肘、膝です。

なぜか肛門周囲にもぶつぶつとした発疹がよく出るので、最初はおむつかぶれかな、と思うお母さんもいます。

「手足口おしり病」なんて冗談で言う先生もいます。

体の発疹は、痛かゆい感じがある程度で10日ほどで自然によくなりますから、困ることは多くなりませんが、湯船やプールに入ったりはせず、とびひにならないように優しく洗って清潔に保ちましょう。

手足口病のしんどさは熱の高さにもよりますが、一番は口の症状の強さで決まります。

ひどい例では口の中が口内炎だらけになって、痛みのせいで食事が取れなくなります。

つばを飲むのも痛いので、乳児ではよだれをだらだら垂らしながら受診することもよくあります。

子どもによって手足は軽いけれど口の症状が重篤な子、手足はひどいけれど口の症状がほとんどない子と様々です。

痛くて経口摂取が低下する場合は、解熱剤で使うカロナールやアンヒバ・アルピニー座薬などを熱がなくても痛み止めとして使うことで快適に時間を過ごすことができます。

2,3日で痛みはピークを越えて、徐々に食事も戻るでしょう。

かぜのカテゴリーの一つですから、複数回かかって免疫が育っていきます。

 

手足口病のウイルスと兄弟のようなウイルスが、ヘルパンギーナの原因となります。

ヘルパンギーナは、「口病」というイメージで、手足の発疹がなく「熱+強い口の症状」という夏かぜです。

対応の仕方は同じと考えてください。

最初、ヘルパンギーナと言われてから、手足にもぶつぶつが出てきたら、呼び方だけ手足口病に変えておくとよいでしょう。

いずれも熱がなくなり、元気で痛み止めが不要になれば登園・登校は可能です。

他のかぜ同様、感染力はだらだら1週間から10日前後持続しますが、数日休んでも流行の拡大を防ぐ効果がないので、うつさない訳ではないけれどしょうがないから行っていいということになります(熱があったり、元気がない間はまき散らすウイルス量がその中でも多い期間ですから休みましょう)。

原則的には登園許可証は特に医学的な意義はなく、うちも含めて多くの医療機関は発行していません。

しかし、普通の園生活、学校生活はするにしても、マナーの問題やとびひの併発を避けるためにも発疹が目立つ間はプールや公衆浴場などは避けるようにしましょう。

 

※様々な感染症での登園・登校許可証の価値についてはまた項を改めてお話しします。


どうでもいいことその27 映画スーパーマリオ

マリオ見てきました!

私自身子どもの頃からマリオのいる時代を生きてきました。

普通のマリオはもちろんのこと、特にマリオカートには多大な時間を費やしてきました。

スーパーファミコンの時代からやり込み、DSでもSwitchでも息子たちにこれだけは負けられんと鍛錬を積んできました。

今回の映画はそんな長い思い入れのあるマリオが、初めて自分のコントローラーからの指示なく動くのを見るという作品でした。

期待通り、どっぶりとマリオの世界観に浸ることができて楽しかったです。

 

読者の皆さんにこっそりストーリーのネタバレです。

なんとマリオがピーチ姫を助けてクッパをやっつけます!


医者という仕事その14 小児科学会へ

さて、院長は4月14日(金)~16日(日)まで日本小児科学会へ出席するためクリニックをお休みいたします。今回は東京です。

開業した医師が一番苦労するのは、いかに最先端の医療を維持するのかという課題です。

複数のドクターで常に相談し、カンファレンスで意見を交換できた勤務医の時代から、1人で地域を守る開業医になった瞬間からその戦いは始まります(実際には市民病院の先生方に後ろに控えて頂いているので厳密には一人で戦っているわけではないのですが、それは今回はさておき)。

数十年前の開業医の先生方がその目標を達成することは中々難しく、実質的には学会や研究会に出席することでなんとかキャッチアップするとういうのが関の山だったことと推察します。

私は32歳というひと昔前から考えると非常に早い年齢で開業しましたが、その背景にはインターネットの発達により最新の情報に常にアクセスし続けられるという自信があったからです。

さらにこの数年はコロナも相まって研究会レベルのほとんどはオンライン対応になり、出席できる率も大幅にアップしました。

そんな中でも小児学会は小児科医にとって最も大きな年一回の全国規模の学会であり、日本中からものすごい数の専門医が集結します。

比較的たくさんの患者さんを診察させてもらっているおかげで、私は毎日さらに経験を積み、より高みへと一歩一歩前へ進んでおりますが、しょせん一人の医師がみている数など大阪全体、日本全体、ましてや世界全体では誤差の範囲です。

例えば私のみた2000例程度のコロナ患者さんのデータは、ややもすると非常に偏った特殊な症例群の可能性だってあります(実際重症の方は最初から市民病院クラスを受診する傾向があります)。

ですので、医療で大事なことはいかに多数のデータで話をできるかということに尽きます(ただしまれな病気や新しく発生した病気などは数少ない自分の経験を元に手探りで診察します。初期のコロナはまさにそれ)。

学会では多数の医師がそれぞれの経験した症例を持ち寄り、それを膨大なデータへと昇華し、お互いに知恵をしぼりあい、時には熱く議論しながらようやく正解に近いであろう仮設が生まれるという作業を繰り返しています。

一方で現在、SNSの発達により一般の方が個人の病気の経験を世界に発信できる時代となりました。

これはもちろん一般の患者さんに有用な情報をもたらす可能性があるのは言うまでもありませんが、このたった一例の症例を経験した発表者の発信力が強かった場合に、まるでそれがあたかも全ての人に当てはまる一般論であるかのような誤解を与えることがよくあります。

周囲で数人の人がたまたま軽症で終わった人が、コロナの対策なんて全く不要と吹聴したりするのはまさにこの例です。

同様に、経験の浅い新人の救急隊員が熱性痙攣は全員すぐ止まるから救急車は一切呼ばなくていいと言ってみたり、保母さんや学校の先生などの中に便秘は薬なんか飲まなくてもみんな食生活を気を付ければ必ず治ると信じ込んでいる方がいるのも、このように自分の経験した数少ない症例を全員そうだと思い込むという致命的な誤解が原因です。

そのように重症例を見たことがない、あるいは大規模なデータを知らない、一見説得力がある誤った知識を持った人が近くにいることは非常に不運なことです。

厄介なことにそのような方の中には本当に良かれと思って脅してくるような人までいますので一度捕まってしまうとその思考から抜け出すのは困難です。

そして医師も(私も)例外ではありません。

気を抜くとすぐに自分のみた数百例や数千例程度の経験が全てに適応できると勘違いしてしまうのです。

そのために我々は常に自分の経験していない症例をも経験値に加えるために、学会や研究会に足しげく通うのであります。

それでは行ってきます!またパワーアップして帰って参ります。


子育てその40 日常の落とし穴part7 おうちに潜むキケン

ベランダから幼い子どもが転落するという痛ましい事故が最近立て続けに起こりました。亡くなったお子さんはもちろんのこと、その御両親や御家族の悲痛さを思うと本当につらくなります。

車の行きかう道路や駅のホームは危険と隣り合わせであることは誰もが意識しています。

ところが普段暮らしている我が家は安心、安全の象徴であり、そこにも小さな子ども達にとってはたくさんの危険があることはついつい忘れがちです。

NPO法人「Safe Kids Japan」の実験では120㎝の柵を3歳児は65.7%、4歳時は72.5%、5歳児は90.2%が30秒以内に乗り越えることができたとのことです。

これは大人の想像をはるかに上回るものではないでしょうか。

さて、このような事故があると、「なぜ親が見ていないんだ」という意見が必ず出ます。

親が子を見守るのは当然のことですが、トイレにも行きますし、子育ての疲れからうとうともします。

現実的には、「少し目を離しても大丈夫なように対策をする」ことが重要です。

ベランダには足場になるものを決して置かない、ベランダに出るドアの上部に追加錠をつけるなど、小さなお子さんを育てる御家庭ではぜひ今日からすぐに対策を始めて下さい。


好きなこと・好きな人その12 中国語 その深淵なる魅力

私の趣味の一つに外国語学習がありますが、その中で今一番ハマっているのが中国語です。

14億人という国民を抱え、経済的にも急成長の国であるとともに4000年の歴史を持つ奥の深い国でもあります。

今後、ますますニーズの高まっていく言語でしょう。

実は我々日本人は中国語学習において相当なアドバンテージがあります。

それはとにもかくにも「大量の漢字を知っている」からに他なりません。

現在、漢字を使用する国は中国以外には日本しかありません。

韓国も以前は漢字を使用していましたが、今は教育からも削除され年々漢字を理解できる人は減っているとのことです。

地球上の様々な文明が生み出した文字のほとんど全てにおいて一字一字が「一つの音」を表すのに過ぎないのに対して、漢字は一つの文字が単独で「意味」を持ちます。

つまり、他の言語は全てひらがな表記だけであるのに対し、漢字だけは一つの絵やイメージを表しているということです。

これはtwitterなど文字数が制限された時に特に力を発揮します。

例えば、ひらがなでは「いえ」、英語では「house」とそこそこ文字数を消費するのに対して、漢字なら「家」と一文字で済みます。

中国の漢字という素晴らしい発明品の恩恵を我々日本人も毎日享受しているのです。

 

そして、日本人は中国語を読んだ時にそのおおよその意味を学習なしで推測することができることがちょいちょいあります。

「今天天気非常冷。」

今日は寒いです、という意味が何となく予想できるのではないでしょうか。

もちろんこれはとても初歩的な中国語で、同じ漢字でも結構意味が違うものがあったりそもそも発音は相当違うのでやはりかなり習得の難しい言語ではあるのですが、少なくとも欧米の方よりも学びやすいことは間違いありません。

 

最後に、日本語にもある熟語なのに意味が予想外に違うため、日本人だからこそ間違ってしまう中国語単語をお教えしましょうか。

中国語   ⇒  日本語

手紙       トイレットペーパー(全然違う!)

老婆       奥さん(日本で使ったらめっちゃ怒られるでしょう)

顔色       色(顔色ではなく、純粋に色)

愛人       配偶者、恋人(後ろめたい意味はありません)

工作       仕事

 

中国から日本に伝わるどこかで伝達ミスが起こったのでしょうか。非常に興味深いですね。


コロナ感染拡大

前回のブログを書いた直後からまたコロナ感染が増えてきました。

熱中症対策と感染対策は基本的には逆方向なので、ある程度は仕方ないのかもしれませんが。

検査キットが足りなかった前の波では、大阪では検査をせずにみなし陽性が認められましたが、今は流通が追い付いており、できるだけ検査をして確定するようにと通達が出ています。

うちの検査基準としては、38度以上の熱をひとつ目安にしていますが、37度代でも場合によっては検査対象になります。

基本的には37度代はウイルス量が少ないのでやるとしても原則、発熱2日目以降を検査日とします。

熱出てすぐの受診は、全身状態不良の時などを除き避ける方が賢明です。


コロナ ここまでの振り返り

コロナ禍が始まりを告げて、もうすぐ2年半になります。

例のごとく、あえて細かい数字は抜きにしてここまでを大まかに振り返ってみたいと思います。

まず、コロナウイルスは主要な株だけをみてもアルファ、デルタ、オミクロンとそれぞれ相当に性質が違い、また同じ株でも感染した人の年齢や持病でも相当に結末が違う敵ですので、一言で総括することは困難です。

「コロナは~である」という短絡的な決めつけの論調の意見は全てコロナのごく一部の側面をみているに過ぎないと言えます。

特に近場に若い健康な人しかいない場合には感染しても重症者を見聞きすることがないため、その狭い見識を元にコロナは大したことない、対策やワクチンは全く不要だという極端な断定的思考に陥るようです。

医学は過去の多数のデータをみて話をする学問ですので、「私は2年前から~だと思っていて、ほらその通りになったでしょ。」という無責任な意見には基本的に耳を貸しません。

 

日本で大きく流行した株の中で一番破壊力が強かったのは去年の秋ごろに流行したデルタ株でしょう。

高齢者はもちろんのこと、30代や40代の健康な働き盛りの方でも時に激烈な経過をたどり、ワクチン接種の有無で若い人でも経過に比較的差が出た株です(その時期、私も10代以上の方にワクチン接種を推奨しました)。

あのままデルタ株が居座っていれば、社会が日常を目指すというのはなかなか難しかったかもしれません。

しかし、結果的には年末の少し前には相当に収束傾向となりしばし平和な時間が訪れました。

その後、年明けからオミクロンが主流となり一気に小児の世界にまで感染が広がりました。

オミクロンは感染力がずば抜けた株で、マスクやソーシャルディスタンスを心がけてインフルエンザがほとんど流行できないレベルの感染対策をした冬の日本社会でもあれほど大流行を起こしました(ゼロコロナを目指していた国でも方向転換を余儀なくされました)。

一方で破壊力はデルタよりだいぶん下がり、重症者の発生率は減少しました(ただ感染者数が今までの中で抜群に多かったので、結局死亡者数はオミクロンによるものが最多)。

小児の世界でも制御不能な感染拡大になりましたが、特に小児科世代で深刻な基礎疾患のない児では重症者はおろか、医学的に入院が必要な例も極めて少数に留まりました(入院の大部分は、症状の強い親御さんの付き添い入院)。

この半年で日本での小児のデータも相当蓄積されましたが、そこから言えることは「重篤な基礎疾患のない日本人の小児にとって、コロナのオミクロン株は人生を揺るがすウイルスではない」ということです。

これらのデータを元にすると、夏場の小児にとってコロナのオミクロン株より熱中症の方がよっぽど危険であることが分かり、屋外ではマスクをしなくていいではなく、屋外ではマスクを外すようにという推奨が出されるに至るわけです。

一番流行したオミクロン株が普段健康な日本人小児にとって大事にならなかったのは、ただのありがたい結果論であって「コロナなんてただのかぜなんだから、私は最初からマスクはいらないと言っていた。」という風に無責任に語ることを医学はしません。

実際、コロナウイルス全体を通して日本でも高齢の方を中心にたくさんの犠牲者が出ましたし、若い世代でも後遺症に悩まされている方もいます。また他国ではたくさんの小児も亡くなっています。

国や世代、株によるこれらの差を最初から断定することは不可能でしたので、特に日本はかなり慎重な路線を選択しましたが世界の中では今のところトータルで最も被害が少ない国の一つに数えられます。

今後の課題は、いかに締めるところは引き続き締め、緩めるところは緩めるかというところです。

小児や若者の教育や学び、恋愛の機会を取り戻すことも大事ですし、一方で高齢者など感染させてはいけない集団にコロナを届けないという努力ももちろん大事です。

小児に関しては感染を恐れ過ぎずに、夏場特にクーラーのないところや屋外ではマスクを外し様々な活動を再開していくこと、密になる室内では引き続きマスクなど感染対策をすることがおおむねの方針となるでしょう。

コロナワクチンに関しては、アルファ、デルタに対するよりも効果が落ちることも判明しており、小児に関しては今は接種を急ぐ必要はないかもしれません(重篤な基礎疾患のある児や、高齢者と同居している児などは主治医と相談の上、接種することは悪い選択肢ではありません)。

今後もコロナ事情は変化し続けますが、2022年6月28日時点の私の考えを示しました。


日本脳炎ワクチン

まだまだ供給は戻っていませんが、今回少しまとまった数の入荷があり、土曜日に新たに枠を空けています。なお、今まで土曜日は院長の先輩である野村先生という女医の先生に手伝って頂いておりましたが、先生が6月から大阪市阿倍野区で開業されることになり、今後当分土曜日のワクチンも全て院長が行います。ワクチン時に診察、処方希望の方はWeb問診にその旨を記載して下さい。紹介がいるなど、時間のかかる診察は困難なため、後日改めて受診して下さい。


感染対策と暑さ対策のバランス

まだ4月だが、昼はすでに暑くなりテントでも汗をかきかき診療している。

これから本格的な夏が来るにあたり、感染対策として守るべき部位はしっかり守りつつクールビスをつきつめると、カンダタという一つの完成形に行き着く。

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明日からこれで闘う。