作成者別アーカイブ: くぼこどもクリニック

ワクチン接種間隔が変更になります

10月1日から、ワクチン同士の接種間隔が変更になります。

今までは生ワクチン(ロタ、BCG、MR、水痘、おたふくかぜ)を接種した後は4週間他のワクチンは受けられない、不活化ワクチン(インフルエンザ、ヒブ、肺炎球菌、四種混合、B型肝炎、日本脳炎など)を接種した後は1週間他のワクチンは接種できないというルールでした。

それが、種類の違うワクチンなら、原則間隔を空けなくても接種できると一気に制限がなくなります。

例えば、今朝A病院でMR・水痘・おたふくかぜを接種して、午後にB病院でヒブを接種するとか、昨日保健センターでBCGを接種して、本日当院でB型肝炎を接種するなどが可能になります。

唯一の例外として「生ワクチンと生ワクチンの間のみ4週間空ける」というのだけ注意が必要ですが、当院での一般的なスケジュールでは生ワクチンを2回連続で接種することはありませんので特に心配は不要でしょう。

これにより、当院のようにインフルエンザワクチン枠と一般ワクチン枠が別になっている医療機関が最も恩恵を受けます。

インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので、前日や当日に他にどんなワクチンを接種していても接種が可能になり、またインフルエンザを接種した後、どんなワクチンでも接種することができます(ほとんどないと思いますが、生ワクチン⇒インフル⇒生ワクチンという時に、生ワクチン同士が4週以上空くのだけは注意)。

つまり、一般ワクチンとインフルエンザワクチンは、まるでお互い無関係な作業のように全く独立してスケジュールを立ててよいということです。

この変更を当院で把握する前にインフルエンザワクチンと一般ワクチンとのスケジュールの兼ね合いを相談して頂いた親御さんには、従来の間隔を空ける必要がある前提でのアドバイスをしていましたが、今後は難しく頭を悩ませる必要がなくなって、とても分かりやすくなりました。

これから予約をされる方は参考にして下さい。


子育てその37 愛すべきバカ息子達の華麗なる軌跡

意地でもさざえ持ち帰るマンな次男(小1時)。

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ただただ、下ネタを連呼したいだけの豆まき作文。鬼役のバスの運転手のおっちゃんまじ不憫。次男(年長時)。親の顔が見てみたい。

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長男(小2時)が休み時間2週間分を投入した大作漫画。てきの妙な歯茎と足の長さに腹筋崩壊必至。

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長男(小1時)の日記。何だか独特の口調でね、お届けしたみたいなんですよ。

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次男(小1時)の作品。まあ小1ならこんなもんかと思って裏の名前確認したら長男(小5時)の作品であることが判明し、びっくりしすぎて変な声出た。小5でこれは右脳が壊死していると思われる。

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長男(小6)の浜学園のノート。リトライってことは戦場において、すでに一度やられてるやろ。

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長男(小6)の風鈴。彼女がそんなに激しいタラコ唇やったとは知らなんだ。

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パソコンを駆使して長男(小5時)がくれた誕生日プレゼント。なかなかセンスある。送り主の自分に天才を付け忘れないところも細かい。

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後期健診・一般ワクチンのネット予約について

2020年10月1日受診分より、後期健診・一般ワクチン予約もネットで事前予約をしていただく仕様になります。

また、同時に10月1日からワクチン同士の間隔も従来のように生ワクチンなら4週間、不活化ワクチンなら1週間と空けなくてよくなりました。これにより、一般ワクチンとインフルエンザワクチンとのスケジュールの兼ね合いを調整する必要がなくなり、それぞれ無関係な独立した作業のように進めることが可能となりました。

予約は4日後~62日後まで可能ですが、接種に関しては「手続きした日の月齢」ではなく、来院当日の月齢が大事ですからよく確認をして下さい。ネットからのキャンセル、変更は5日前まで可能です。

後期健診は水曜日14時〜15時のみです。

ワクチン専用枠は火曜日13時半〜15時(第5火曜日はなし。)、金曜日14時〜15時、第1、3、5土曜日14時〜16時です。水曜日、金曜日は午後診察時間内にも少し枠を設けています。

土曜日は、原則院長以外の小児科専門医が担当し、健康相談、処方、鼻汁吸引などはできません。純粋にワクチン接種のみ行います。

ワクチンは3から番号を振っていますが、順調なら3から16まで順番にこなしていくことになります。イレギュラーな場合は18以降から選択して下さい。

当院ではロタワクチンは2回接種のロタリックスを採用していましたが、2021年2月5日以降の初回接種分から3回接種のロタテックに切り替えを行っています。これらのワクチンの効果は同等で、納入の安定性など業務上の理由による変更です。

下記のどれにも当てはまらない組み合わせの場合は電話でご相談下さい。

2  後期健診

注意点:無料。当日に0歳9か月から1歳未満であること。水曜日14時~15時のみとなります。市町村から配布されている後期健診票を必ず持参して下さい。なければ受診できません。一人あたりの時間を十分取るために枠がかなり限られておりますので、一杯の場合は他院で予約をお願いします。予約当日に来院できなかった場合は別の日の再予約はお断りさせて頂いております。園や学校などの健康診断はこの枠ではなく、診察時間内に対応します。

3  ロタテック⑴、ヒブ⑴、肺炎球菌⑴、B型肝炎⑴

注意点:無料。赤ちゃんのワクチンデビュー!!当日が0歳2か月~0歳3か月未満であること。ロタリックスは生後15週未満で初回を接種する必要があるので、もし予約が一杯で0歳3か月を越えてしまう場合は確認がいりますから電話で連絡を下さい。

4  ロタリックス⑵、ヒブ⑵、肺炎球菌⑵、B型肝炎⑵、四種混合⑴

注意点:無料。0歳3か月を越えており、かつ前回から4週間以上空いていること(同じ曜日でも可)。ロタリックスは2回目で終了ですが、生後24週までに接種を完了する必要があります。

5  ヒブ⑶、肺炎球菌⑶、四種混合⑵

注意点:無料。前回から4週間以上空いていること(同じ曜日でも可)。

6  四種混合⑶、BCG 

注意点:薬液の準備、接種後の乾燥などの手順が他のワクチンより時間がかかり、枠をたくさん用意できないため、生後最初からのワクチン3回(3、4、5)全て当院で接種した児のみ、5の終了時に窓口で予約を受け付けています(ネットでは予約不可)。院内に1時間~1時間半ほどいて頂くことになります。そのため一般枠ではなく、火曜日~金曜日の朝8時半に専用枠を設定しています。

7  B型肝炎⑶

注意点:無料。B型肝炎⑴から20週以上経過しており、かつ四種混合(3)・BCGから4週間以上空いていること(同じ曜日でも可)。順調に進んでいれば0歳7か月~8か月頃になります。B型肝炎は3回目で終了で、今回で1歳までのワクチンは全て済みです。

8  MR⑴、水痘⑴、おたふくかぜ自費⑴

注意点:1歳になったらすぐ接種しましょう。MRと水痘は無料。おたふくかぜは自費で6350円必要ですが、必ず接種した方がよいです。子育て応援券も活用しましょう。おたふくかぜを希望されない場合は18または19を予約して下さい。

9  ヒブ⑷、肺炎球菌⑷

注意点:無料。ヒブ⑶から7か月以上経過しており、かつMR・水痘・おたふくかぜから4週間以上空いていること(同じ曜日でも可)。ヒブ、肺炎球菌は4回ずつで終了です。

10  水痘⑵、四種混合⑷

注意点:無料。標準的には水痘⑴から6か月以上経過しており(期限が迫っている場合などは最低3ヶ月以上空ければ可)、かつ四種混合⑶から1年以上経過していること。順調なら1歳半過ぎくらいになります。1歳7か月健診の際、これらを接種しているか確認しましょう。水痘は2回で、四種混合は4回で終了で、これで3歳までに接種すべきワクチンは全て済みです。3歳を越えると水痘は有料。7歳半を越えると四種混合は有料。

11   日本脳炎⑴ 

注意点:無料。1期初回1回目。3歳になったらすぐ接種しましょう。1期は計3回接種で、7歳半を越えると有料。

12  日本脳炎⑵   

注意点:無料。1期初回2回目。⑴から1週間以上空けると接種できるが、標準は3~4週以上空けて接種。

13  日本脳炎⑶

注意点:無料。1期追加。⑵から1年空けて接種。順調なら4歳台のはずです。7歳半の期限が迫っている場合などは6か月以上空ければ接種できます。

14  MR⑵、おたふくかぜ自費⑵

注意点:年長の学年で接種。MRは小学校入する4月になると有料になるので注意。おたふくかぜ2回目(6350円)も忘れずに一緒に接種しましょう。MR、おたふくかぜとも2回で終了で、これで小学校入学までに接種すべきワクチンが全て済みとなります。

15  日本脳炎⑷

注意点:無料。2期。9歳になったらすぐ接種しましょう。13歳になると有料になるので注意。日本脳炎は4回で終了です。

16  二種混合

注意点:無料。11歳以上13歳未満で接種ですが、忘れる子が多いので注意しましょう。二種混合は1回で終了です。2期の日本脳炎(9歳~13歳未満)の打ち忘れがある場合は同時接種の28を予約して下さい。

18  MR⑴、水痘⑴

注意点:無料。1歳から開始のワクチンの際、おたふくかぜ自費を希望されない方で最後に接種したヒブから7か月以上空いていない児はこのメニュー。

19  MR⑴、水痘⑴、ヒブ⑷、肺炎球菌⑷

注意点:無料。1歳から開始のワクチンの際、おたふくかぜ自費を希望されない方で最後に接種したヒブから7か月以上空いている児はこのメニュー。

20  MR

注意点:年長の学年の4月から3月末までの1年間に接種する場合は無料。1歳以上2歳未満で接種する1期や、この年長の2期を逃した方は有料になりますが、特に麻疹は命に関わる可能性が十分ある感染症ですから必ず計2回接種しましょう。

21  おたふくかぜ自費

注意点:6350円。2年以上空けて計2回接種しましょう。標準は1歳時と年長児で、MRと一緒に接種すると考えると分かりやすいでしょう。

22  水痘

注意点:3歳未満は無料。2回接種しましょう。3歳を越えて1回しか接種していない方も是非8400円の自費で2回目をお勧めいたします。1回目から6ヶ月以上空けて接種(最低3ヶ月以上空ければ可)。

23  B型肝炎(1歳以上で自費の児)

注意点:1歳を越えると自費になります。10歳未満 5250円/回、10歳以上 6350円/回。3回接種しましょう。低年齢で接種するほど抗体獲得が良好というデータがあります。

24  四種混合

注意点:7歳半まで無料。計4回接種。

25  MR⑵、日本脳炎

注意点:年長の学年で接種する無料MR⑵の際に、日本脳炎1期計3回接種が完了していない場合はこのメニュー。MRは小学校入学の4月になると有料、日本脳炎1期は7歳半を越えると有料。

26  MR⑵、おたふくかぜ自費⑴

注意点:年長の学年で接種する無料MR⑵の際に、おたふくかぜ接種開始を希望される方はこのメニュー。おたふくかぜは自費で6350円。

27  MR⑵、日本脳炎、おたふくかぜ自費

注意点:26にさらに日本脳炎1期計3回接種が完了していない場合はこのメニュー。MRは小学校入学の4月になると有料、日本脳炎1期は7歳半を越えると有料。

28  二種混合、日本脳炎

注意点:11歳以上13歳未満で接種する二種混合の際、日本脳炎2期が未接種の場合はこのメニュー。無料。


子育て29 謀反

今朝、次男のノート見て指導しておりましてね。
「数字もっと揃えて書かないと。綺麗に整えて。」
ほんとにふとした出来心で、「パパの顔みたいにな。」ってめっちゃ小さい声でポソって言ってしもたんです。
横にいた長男から、「いやー、パパの顔はほぼ応仁の乱っしょ。」というよく分からないけど殺傷能力の高い言葉の暴力を受けまして。
長男を「絶対処すリスト」に載せました。


マスクの副作用

前回、何かをすることには必ずメリットだけでなくデメリット、すなわち副作用を伴うこと、そして感染対策も例外ではないことをお話ししました。
今回は世界中の人達が一斉にマスクを着用するようになりはっきりしてきたマスクによる副作用について記します。

まずいつもお伝えしているように、一般の方が通常の機能のマスクをするメリットは、少しの守備力アップと大幅な攻撃力のダウンです。
理論的には全く無症状で健康な人が常時マスクをすることには大きな意味はないかもしれませんが、軽い症状を意識していないだけかもという観点からつけられる人が全員つけておくというのはそれほど悪い作戦ではありません。
一方で副作用として、熱中症や窒息のリスクがあり、実際に報告が増えてきました。
人間は呼気から常時結構な量の余計な熱を外に排出しているのですが、マスクでそれが邪魔され熱がこもってしまうのです。
元々マスクを使う文化のある日本でも今まで冬のインフルエンザシーズンや春の花粉症シーズンの着用が主で、真夏に屋外でつけることはほとんどなかったためそれほど意識されていなかった副作用と言えます。
また、運動時の着用や、年少児では咳き込んでの嘔吐物などにより窒息や死亡例が報告されています。
これを受け、少なくとも2歳未満の児はつけるべきでないという強い勧告が各学会からも通達されました。
医学的な観点からだけでなく、集団生活の中でも4〜5歳前後くらいまでは現実問題としてしっかりつけるのは難しそうと多くの保母さんや園の先生方、保護者の方は実感しておられると思います。
園や学校がほぼ完全再開して3週間、小学校以上の児は免疫が高いこともありますが、手洗いやマスク着用、給食時の対策が大きく効果を発揮してほとんど熱の子は受診していません。
未就学児に関しては、三密でもあり、マスク着用も年長さんくらいしか難しくやはり様々な感染症の子の受診が増え始めています。
ゼロリスクを追い求めるのは不可能ですから、これらの世代の子は熱が出たり、咳や下痢がひどい間はしっかり休むという今までと同様(あるいは若干厳しめに)の方針でやっていくしかないようです。


今後の院内での感染対策について

大阪も緊急事態宣言解除からこの週末で1か月を迎えることになります。
コロナとの闘いは長丁場で、これからまだ年単位で続いていくでしょうからまだまだ油断は禁物ですが、日本のみんなが一丸となって対策をした結果として今のところとてもうまくいっていると思います。
「Stay Home」によって、コロナだけでなくあらゆる感染症がいったん激減し、当院を含めて医療崩壊をきたすことなく色々な対策をする時間を数か月かせぐことができました。
今後の見通しとして、経済と教育を回していくに伴い、コロナとその他の感染症がまた次第に増えていくことになります。
コロナはどうも撲滅に向かう感染症でなさそうですので、これは避けられないことです。
コロナがいない平和な世界というのは非現実的で、「コロナの患者さんは毎日そこそこ発生しているけれど、経済はそこそこ回っており、教育もそれなりに機能しており、医療が何とか回っている状態」という「With Corona」が目標になります。

さて、新型コロナという未知の敵が現れてすぐの情報が乏しい時期には、欧米での惨事を目の当たりにしながら大げさに、少し過剰なくらい対策するのは非常に適切な選択でした。
日本全体レベルで言えば、外出自粛、学校の停止、仕事であっても県外への移動の抑制などがそれに当たります。
当院レベルで言えば、体調不良の児は全てコロナ疑いとして車の中やテントで診察をしていたというのがそれに当たります。
しかし感染対策もやればやるほどいいという訳ではなく、必ず副作用を伴います。
それは日本全体レベルで言えば経済の大停滞や教育の大幅な遅れであり、当院レベルで言えば、テント内の診療に伴う熱中症のリスクであったり、設備のための費用であったり、診察のための手間の増大であったりします。
だんだん時間がたつにつれて、おそらくたくさんの要因が積み重なって日本での被害は欧米諸国よりずいぶん小さく(今のところというだけかもしれませんが)済んでいることが明らかになってきました。
これからはリスクに応じて、慎重に色々な規制を緩めていく必要があります。

当院でもテントは一定の役割を果たしたと考え、今後は院内での診療にシフトしていきます。
少しでも鼻水や咳があれば隔離対応をしていましたが、マスクをしっかりできる年齢層ではそこまでの対応も不要と考えられますので、⓵熱のある児、ぐったりしている児、⓶咳がひどい児、⓷ひどくない咳ではあるがマスクが不十分な未就学児、⓸その他、嘔吐など周囲への影響がありうると考えられる児を隔離対象とします。★(その後、小児では大多数のコロナが軽い症状で終わることが明らかになってきたこと、クリニックの隔離室運営の能力が充実したことから、軽くても咳や鼻水、嘔吐や下痢があればトリアージの上で一旦は隔離室対応としています。ご了承下さい。)

さらにフードコートでよく活躍しているような呼び出しベルも手に入りましたので、車でお越しの方はそこを安全な個室の待合室としてお待ち頂き、とにかく院内にいる時間を減らすことも可能になりました。
ベルは毎回新品の袋に入れてお渡ししていますので、多数の人が触ったものを持つ心配も不要です。
また、ある程度消毒液が届く状態になってから行っているエントランスでの患者さん全員の手指消毒も今後もずっと継続していきますのでご協力をお願いいたします。

コロナの時代に大事なのは一貫した方針とか決意ではなく、激動する変化に柔軟に対応していく臨機応変さで、医療機関は最もそれを求められる施設と考え対策を続けていきます。


どうでもいいことその25 コロナ自粛に関する緊急アンケート調査

自粛中、退屈している子供らのために家でタコ焼きを作った者は正直に手を挙げなさい。

おめでとうございます。関西人試験に見事合格です!!

おそらく大阪(関西)限定の現象と思われますが、今日スーパー行ったらタコ焼き粉売り切れとりました。

みんな同じこと考えてまんねんなー。


電話をする前に

その場所まで行かず、対面せず意思疎通が可能な電話の便利さはわざわざ説明をする必要はありませんが、電話の持つマイナス面というのもこのコロナ騒動の際にもう一度みんなで考え直す機会にしたいと思います。

クリニックはむしろ騒ぎの前より空いているところが大半ですが、市民病院クラスは感染対策のために余剰の労力を取られ、疲弊しています。

しかし、大きい病院よりも先に全国の保健所の方が限界を迎えそうな様相です。

もちろん重要なたくさんの電話相談の対応を全力で行って頂いているわけですが、それ以外にたくさんの不要不急の電話に手を取られているのが現状のようです。

「昨日は何人コロナが出ましたか?」「さっきからの熱ですが、どうしたらよいですか?」「もっと検査をするようにしっかりやれ!」など、そのたびに職員の方の時間と精神が削られていっています。

まず私自身も今後気をつけようと思うことですが、お店や役所に気軽に電話しすぎていることがあるのでは?(「とりあえず電話」と命名)

今は手元に便利な情報ツール、スマホがあります。

何時まで役所がやっているか、駐車場はどこかなど、ほとんどの情報はHPに載っていますし、Q&Aなども用意してくれていることが多いでしょう。

どれくらいの患者さんがいつ陽性判定を受けたかなども保健所HPに詳しく記載されていますが、「とりあえず電話」をかけると、職員の方は作業を中断してその対応をすることになるでしょう。

これから患者数の増加に従って、検査数も増やしていかなくてはなりませんが、いかに保健所の不要な業務を減らすか、「とりあえず電話」をかける前に一度立ち止まって考えてみましょう。

コロナのことはもちろん心配ですが、体調がいい時から、「こういう状態になったら保健所に電話をした方がいいのだな。」と調べておいて、いざという時に備えておきたいものです。

クリニックに関しても、電話は診察の最中に何の前触れもなく入ってきますので、そのたびに皆の業務を中止し、場合によってはカルテを開け、確認をしてなど相当な時間を取ります。

その間、病院に来る労力を払って受診している患者さんは割込みを受け、待たされてもいます。

「病院に行くと感染が怖いから」とか「スタッフの方や先生がお忙しそうで、受診したらお手数をかけてしまいそうで、、、」と恐縮しきりにかけてきて下さることが多いですが、本音を言うと電話の方が受診して頂くよりこちらの労力と時間を取られています。

また、電話ではやはり実際診るのとは違い情報量が少なく、なかなか正確なことは言えません。

しかしお答えするとある程度責任はどうしても生じるので当院では原則、受診した方がいいかや病気や薬の一般論などの質問(解熱剤を使ってよいか)などには電話ではお答えしておりません。

元気なうちにブログを見たり、学会や政府など公的なサイトを確認して、備えておいて頂くことが重要と思います。

それでもどうしても困った時はお電話をください。スタッフと私がお助けします!


受診に際して

感染対策を限られた人員、物品で試行錯誤しています。
そのため日々受診の際のお願い事項が変更している可能性があります。
お知らせを必ず確認して下さい。
また、窓やドアを開け放っているので、少々冷えますから、暖かい上着などお忘れなく。


感染症、医療崩壊についての一般的知識

私が以前勤務していた大阪市立総合医療センター小児感染症科は、成人の感染症科と連携しコロナの最前線で攻防を繰り広げています。

現在私はクリニックで地域を守る役割についているため、直接コロナ患者を治療する立場にはありませんから、コロナそのものについての情報(治療の実際や予後、ワクチンや治療薬の見通しなど)に関しての発信はするべきではありません(するのに必要な経験症例がそもそもありません)。

そのためむやみに憶測をブログに書いて混乱を招かないよう、内容に関して慎重に考慮を重ねていました。

しかしこの1、2週間で日本も深刻な段階に入り、皆さんに新興感染症と医療崩壊の一般的な知識について取り急ぎ伝えるべきだと思いここに記します。

 

①まず感染症との戦いのイメージについて

今までに医学が戦ったことのない新たな感染症が広がりをみせた時、その実態が掴めるまで中々深刻度は伝わりにくいものです。

正しい戦略というものもどんな専門家も誰も知りません。

選択がどうだったかは結果論で判断するしかないため、私を含めて全ての医療者はその瞬間にもっとも正しいと思われる行動を取り、歴史や後の科学的検証の批判を甘んじて受ける覚悟を持ってこれからの戦いに臨みます。

まず一般の方が肝に命じておかなければならないことは、感染症との戦いは自動的に全員強制参加の集団戦であるということです。

2人3脚という言葉がありますが、言うなれば「1億2000万人1億2000万1脚」。

誰かがつまずくと近い人ほど一緒に引きずり込まれますが、その影響はそこから波及的に遠くの人にも伝わっていくのです。

目指す理想は誰一人倒れて命を落とすことなく歩きゴールまでたどり着くことですが、手強いコースが待ち受けている場合には途中でメンバーを失い、そしてその空いた分の隙間をつめて新たに足を結び直しまたひとつながりで歩き続けることになります。

1億2000万人の中には歩くのに周りの支えが必要な人、あるいは完全に抱えてもらわなければならない人もたくさんいます。

そのような助けを必要とする人の周囲の人は自分が歩くだけではなく、その人を介助しながら進んでいなくてはならず大変な労力を要します。

元気な人達が自分勝手にどんどんと進んでいくと、そのような人達の付近の人達は必死に声を荒げて「やめてください!足並みを揃えて下さい!」と悲痛な叫びをあげます。

元気でもっと自分は早く走れると息巻いてる若者達も知らなければなりません。

ひとつながりの中に自分の大事な人達がいることを。

感染症との戦いに自分や家族や恋人や友達がみな同じひとつながりで強制参加させられていることを。

②感染症の対策を0か100かで考えない

以前にもお話しましたが、感染症との戦いはいかに「少しでも可能性を下げる」かの勝負です。

コロナの場合でも、外に出る回数を1回でも減らす、人と会話する時の距離を10cmでも長く取る、10分でも長くマスクをするなどを少しずつ積み上げることで確率を減らすことができるのです。

ここが理解できていない人は、「インフルエンザはワクチンをうったら無敵。」とか、「満員電車で通勤しているから、どうせその他の努力は無意味なので好き放題外出する。」などという勘違いを起こします。

自分が入院した時に、「コロナは感染力が強く、手洗いやアルコール消毒をしても院内感染を起こすことがゼロではありません。どうせ完全には防げないので私は手洗いはしない主義です。」と笑顔で話す医者や看護士に治療を受けたいと思いますか?

自分や家族に飛んでくるウイルスを国や政治家や医者がハエたたきでたたき落としてはくれません。

国や政治家は医療や経済の大きなバランスをみながら舵を取るのが役割です。

医者は治療の必要な患者さんの対応をするのが役割です。

ウイルスから自分や家族を守れるのは自分自身の継続的な努力のみです。

③医療崩壊とは

例えば600床の病院にコロナ患者さんが2人入院していると聞いてどう感じますか?

それほど危機的状況ではないようには思いませんでしたか?

強い感染症の患者さんが1人いるだけで、実は膨大な時間、人手、医療資源が使われます。

普通一人のスタッフは複数の患者さんを同時に受け持ち、慌ただしく動き回っています。

しかし、特殊な感染症の部屋に入る担当のスタッフ達は通常その部屋だけを担当し(これはマンパワーに余裕がある時の話で、枯渇すれば必ずしもそうではありませんが)、また出入りの度に手洗い、消毒、手袋の入れ替え、資源に余裕がある場合はガウンも着替えます。

これは相当時間と手間を取る作業です。

医療に携わる者は、これらをどれだけきっちりやっても先ほどお話しした100にはならないことを知っているので、自分がうつらないか、うつったら致命的になる他の重症の別の病気の患者さんにうつしてしまわないか大変なストレスに晒され続けています。

感染症の患者さんが入っていると知った近くの病室の患者さんや御家族から、他の部屋に移りたい、感染したらどう責任を取るのかなどの要望や質問をもらうこともあります(でもこれはとても自然な感情でしょうし、本当によく分かります)。

ひとたび医療者に感染があると、接触した可能性のある患者さんの検査などはもちろんのこと、結果が出るまでの間、誰が感染者で誰が非感染者か分からない暗闇の中、部屋や隔離をどうするかに頭を悩ませることになります。

そのような空間的余裕はどの病院にもないのです。

また、感染した医療者と接触した同僚達も自宅待機が必要な事態になると下手をすると数十人が一気に病院の戦力から消えることになるのです。

ニュースを聞いていると、皆さんの中にはひょっとすると病院や医療者は今、「コロナと戦っている」印象を持っている方もいるかもしれません。

そうではないのです。

喘息発作の患者さん、がん患者さん、脳出血やお産の出血、虫垂炎で緊急に手術が必要な患者さん。

思い出して下さい。

コロナが来る前からすでに日本の病院のほとんどはすでに限界が近かったのです。

これらの医療をしながら、今、さらにコロナが上乗せできているのです。

医療崩壊とは、「コロナの患者さんで病院が埋め尽くされた状態」よりもっと手前に起こる、「コロナの患者さんの対応が増えてきたせいで、心筋梗塞や交通事故や、がん治療に手が回らなくなる状態」で、これはもう本当に近いところまで迫ってきてしまっています。

コロナのニュースを見て、感染者数や死亡者数が日本の人口や大都市の人口と比べてそれほどすごい割合ではないじゃんと考えていた方はすぐに考えを改めて下さい。

あの人数は、すでに限界の近かった元々の日本の医療に上乗せできた、膨大なエネルギーを吸い取るウイルスの人数なのです。

「オーバーシュート(患者数爆発)が起こるはるか前に医療崩壊が起こる。」とはそういう意味です。

 

今後、情報が増えればまたコロナウイルスについての具体的な医学的知見も追加していきますが、とり急ぎ、包括的な内容に留めました。