親戚のおっちゃん

この10月1日を持って、クリニックも創設9年を迎えました。

最初の頃に赤ちゃんでお会いした子ども達も、小学校の中学年以降になってますので、月日の流れを感じます。

小児科医は、子ども達の人生のかなり最初の方に密で関わります。

例えば1歳までにワクチンだけで5回は顔を合わせますし、保育園や幼稚園にデビューした最初の1、2年は頻繁に風邪をひいたり熱を出したりしますから、うんざりするくらい私の顔を見た親御さんがも多いでしょう。

しかし集団生活に入って2、3年もすれば免疫は驚く程に強くなり、会うことがめっきり減ります。

年長さんのMRワクチンで「お久しぶり!」なんてこともよくありますね。

成長した子ども達を見るのはとても嬉しいことです。

さて、こんな風にお久しぶりな子ども達の中には、私のことが全く記憶にない子もいます。

それもそのはず、小さい頃あんなに頻繁にクリニックに来ていたけれど、物心ついてからは初だったりするんですから。

「〜君、大きななったなー!」とか、「〜ちゃん、えらいなー。昔は注射であんなに泣いてたのに(笑)」などと、こちらが一方的にお母さんやお父さんと思い出を語っている間、本人はキョトンとしています。

医師は、病気のことだけでなく、ある程度おうちの中の事情や日常の生活も聞かせて頂くことがあるので私側には顔を見るだけで一杯の思い出が蘇るのですが、これはまさにたまに会う親戚のおっちゃんのポシション。

大人達が、自分の知らない自分の小さい頃の話で盛り上がっているというあの何とも言えない、微妙な居心地のあの感じを子ども達に味わせていると思うけど、ごめんねみんな。

引き続きお節介なおっちゃんでいる所存です。






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