日別アーカイブ: 2008年2月24日

看取り

昨夜来の降雪で大阪でも今季2回目の積雪となりました。
まだ粉雪が舞う中、服部緑地を歩いて来ましたが、白色に変化した木々や広場は私の目には幻想的に映りました。
また今ちょうど見頃の紅梅の花に雪が積もった光景は、可憐で一種の風情を感じました。
昨年の4月に私は最愛の父を肺がんで亡くしました。
1月半ばに体調を崩し、2月に入院した時には肺がんが脳にも転移していることが判明し、病状は急速に悪化してゆきました。
4月の初めに家族全員の希望で病院から生駒市の自宅に戻り、最期の3週間を住み慣れた家で過ごさせました。
薄れていく意識の中で、父はどのような思いで過ごしたのかは知ることはできませんでしたが、母と私、姉妹の4人に迷いはなく、痰の吸引などで少し苦労はありましたが、病院に入院していた時に比べるとずっと明るい気持ちで看病することができました。
最期に息を引き取った時、悲しみは当然ありましたが、家族全員が家で父を看取れたことを満足に思い、また父が我々家族から心から愛されていた存在であったことを深く感じました。
がんの終末期を自宅で看取ることは、けっして簡単ではありませんが、それは本人のためである以上に、死の後に訪れる家族の悲嘆を慈愛や感謝に昇華させ得る望ましいセレモニーの在り方かも知れません。