父はそこそこの読書家だと思います。
小さい頃はよく父の横でコロンと寝転がって一緒に本を読んでいました。
決してたくさんの本を読んでいた訳ではありません。
「大どろぼう ホッツェンプロッツ」という本を来る日も来る日も、何度も読み続けていたのです。
何がそんなに気に入ったのか、それこそ数百回レベルで読んだような気がします。
今でも、全3巻の筋をほとんど覚えているほど。
分かり切った筋の話を読むことで、安心感があったのでしょうか。
さて、幼児を育てている親御さんは、寝る前に本を読むようにせがまれることも多いでしょう。
うちでも長男に毎晩2冊の絵本を読んでいます。
私が帰る頃には就寝しているので、平日はいつも妻の役目で、私の担当は休みの日くらいですが。
親としては色んな本を読んでほしいと用意しているのですが、持ってくる本は大概同じ。
よしよしいっそ完全に飽きるまで読んでやろう、と毎回読んでいるのですが、最近は聞きながら新しいキャラクターなどを登場させたりして。
子供は同じことを何度も何度も繰り返します。
そうするうちにだんだんと工夫をしたり、自由に空想をはさむようになってきます。
どんどん新しい刺激を与えすぎると工夫や空想の余地がなくなってしまう、なんて意見もあるようです。
子供の頃、一体どんな想像を巡らせながらあんなに何度も同じ本を読んでいたのだろう。
「もっといろんな本を読みなさい」と言わなかった両親。
なんだかとても幸せな思い出の一つです。