離乳食が始める前の便秘の赤ちゃんでは、便が固いことはあまりなく、刺激による駆動力の補助がメインになるでしょう。
1日出なければ綿棒刺激、それでも出なければ積極的に浣腸を考えましょう。
動物の世界、特にネコ科の動物では母が子の肛門をなめて刺激するという補助を行っていますが、さすがに人間ではかわいいわが子とは言え気が引けますので、綿棒や浣腸などのアイテムを使用するのがよいですね。
それ以降の児での便秘では、まず根本に「便が固い」という要素がほぼ必ず存在します。
治療としては、この「便が固い」という部分を何とかすることがメインになります。
野菜を食べて、食物繊維を増やすというのが最も有効な対策です。
人によっては納豆やみかんを食べると調子がよいということもあります。
乳製品は調子がよくなる人とむしろ悪くなる人と両方あるので注意しましょう。
夏に汗で出ていく水分が増えると便が固くなるのは事実ですが、データ上、水分を一定以上取ってもそれ以上は尿が増えるだけで、水分摂取だけで中等度以上の便秘が改善することは期待できません。
野菜が大事と言いながら、特に小児では、さあ明日から野菜を2倍にしましょうというのは難しいため、足りない分がいよいよお薬の出番となります。
Mg(マグネシウム)製剤が最も多く使われるお薬で、便をふやかすようなイメージを持つと分かりやすいでしょう。
便がちょうどいい柔らかさになると肛門を通る際に痛くないため、がまんする癖がなくなっていきます。
Mgの内服中であっても、1、2日に1回は便を出す必要があるので、出ない時は積極的に浣腸を併用して排便させます。
また、年長児ではトイレトレーニングや集団生活の開始とともに「がまんする」の部分から便秘の歯車が回り始めることもあります。
大人と同じトイレを使用させる場合、足が地面から浮いていると踏ん張れず適切な姿勢が取れないので足場を用意してあげて下さい。
またうんちカレンダーを作って、出たらシールを貼ってあげたたりほめたり、精神的なアプローチでがまんのくせをなくしていきましょう。
便秘の治療開始は早ければ早いほど改善も早くなりますが、完成された便秘の習慣を治すには半年から2年ほど要することが多いでしょう。