川崎病その1 川崎病とは

今日は川崎病という病気についてお話ししたいと思います。

クリニックで毎日出会う子ども達の病気のほとんどは、数あるウイルス性のかぜをはじめとした感染症です。

川崎病はこの感染症とは一線を画する特殊な疾患であります。

目や唇が赤くなったり、体にべったりとした広範囲の発赤が出たり、BCGの接種痕が赤くなったり、首のリンパ節が腫れて痛くなったり、何だか不思議な症状が、長引く高熱とともに出てきます。

川崎病という病気が疾患として認識されたのは1967年と、まだわずか半世紀ほど前の話です。

この疾患の研究や治療に多大な功績を残されている川崎富作先生はまだ御存命で、日本小児科の世界における生けるレジェンドの一人と私は思います。

川崎病で一番厄介なのは、時に心臓の血管に影響してその後の人生に運動制限などの後遺症を残すことがあるところです。

まだまだ詳しい原因などはっきりしないことが多い疾患ですが、1年間に実に1万人以上もの患児が発症しており、まれな病気ではありませんので、ぜひ皆さんにも知識を持っておいて頂きたいと思います。