皆さま、こんにちは大阪市淀川区で「脱毛症の専門治療・下肢静脈瘤や眼瞼下垂症などの日帰り手術・美容治療」に力を入れているしんおおさかクリニックのスタッフ中尾です
先週辺りから、グッと気温が下がってきましたが、皆さま暖かくお過ごしでしょうか
以前にもお伝えしたことがあるかもしれませんが、私は本屋さんが大好き 5~10分程度ですが、ほぼ毎日本屋さんをのぞいています。最近読んだ本はこれ。
川口加奈さん:著
14歳でおっちゃんと出会ってから、15年考えつづけてやっと見つけた「働く意味」。
面白そうなタイトルで、手に取ってみると、ホームレス支援と社会改革に取り組むことになった15年が綴られていました。
きっかけは、興味関心を抱き14歳で参加した炊き出し。この炊き出しをきっかけに、筆者である川口加奈さんは、大学時代にNPO法人Homedoorを設立。ホームレスの人の7割が得意とする自転車修理技術を活かしたシェアサイクルHUBchari(ハブチャリ)事業を開始2018年には個別型宿泊施設「アンドセンター」の運営を始めます。
失敗や挫折を繰り返しながらも、たくさんの人と良好な関係を作りながら、当事者との関わりを広げていく。そのまっすぐさと困難にもへこたれない逞しさに、感銘を受けました
タイトルにあるおっちゃんとは、「家がない(ホームレス)」人のことなのですが、筆者は親しみを込めてそう呼んでいます。
ホームレス問題は、自分には関係のないことと思いがちですが、新型コロナウイルスによる不況の影響で、失業した方は7万人を超えると言われています。「自己責任でしょう?」私も少なからずそう思っていた節があるのですが、ホームレスになるには、ならざるを得ないだけの理由があります。
この様々なチャレンジの追体験で、どんな人でもホームレス化してしまうことへの理解が深められます。とっても画期的な本でありながら、このおっちゃんたちとの心温まるエピソードが、彩を添えています
たとえばこんなエピソード。
おっちゃんたちが働き始めて、初めてのお給料日。あるおっちゃんは無言で封筒を受け取り、走り去っていった。その数分後、そのおっちゃんがカップ麺を抱えて戻ってきたのだ。「これ、わしから事務局に差し入れや」
私は、この言葉を一生忘れないだろう。
このおっちゃん、3年程前から生活保護を利用するようになり、生活は安定したものの、気持ち的には憂鬱だったそう。「生活保護は国のお金やから、自分の好きに使うのには抵抗がある。ましてや人にものを贈るなんて・・・。でも、(ハブチャリで稼いだ)このお金は自分で稼いだもんやから、自分の好きに使える。だから真っ先に、お世話になった事務局に、自分の好きなもんを差し入れしたかったんや」と。しかも、この日のためにコンビニに頼んでカップ麺を予約していたそうで、お給料を渡した瞬間に駆け出したのは、予約の引き取り時間に間に合わないと急いだからだったのだ。わざわざ予約していたのかと驚きながら、そこまでするならコンビニじゃなくてもっと安いスーパーで買えばいいのにと伝えると、「プレゼントするのに安売りされているものは渡せない」と変に律儀だった。
先月の16日早朝、東京渋谷でホームレス女性が近隣に住む男性に殴り殺された事件がありました。大阪市では2000年の1年間に、294例のホームレス者の死亡があったことが確認されています(病死172例:59%、自殺47例:16%、餓死・凍死を含む不慮の外因死43例:15%、他殺6例:2%)。死亡時の平均年齢は56.2歳。
ホームレス問題を適切に知る機会があるかないかで、無関心ではいられなくなります。
「失敗しても安心して立ち直れる社会を作るために」
日々奮闘している姿を応援したくなる、そんな本でした。
今年もあとわずか。不安なことも多い毎日ですが、どうぞ皆さまお健やかに年末をお過ごしくださいね