皆さま、こんにちは大阪市淀川区で「脱毛症の専門治療・下肢静脈瘤や眼瞼下垂症などの日帰り手術・美容治療」に力を入れているしんおおさかクリニックのスタッフ中尾です
皆さま、このカードご存知ですか
大阪大学人間科学研究科未来共創センター招聘教授で現役医師の石蔵文信氏が高齢者向けに作成した「集中治療を譲る意志カード(譲〈ゆずる〉カード)」です。
新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るう大阪府では、病床逼迫(ひっぱく)により入院できないコロナ患者が急増し、入院率が1割まで低下しています。自宅で容体が急変して死亡する人も後を絶ちません。
切実な問題となっているのが集中治療室(ICU)と高度医療機器の不足です。
日本集中治療医学会は4月1日、ICUのベッド数について、「ドイツでは人口10万人当たり29~30床で、イタリアは12床程度。日本は5床程度にすぎない」と指摘し、「日本の集中治療の体制は、パンデミックには大変脆弱」と訴えました。
さらに、重症患者の治療に用いられる人工呼吸器、人工肺(ECMO)といった高度な医療資源は台数に限りがあり、患者数が増えると必要とするすべての患者に提供することができなくなります。
その結果、医療現場で「どの患者から先に治療をするか」の葛藤が生じ、医療が崩壊することが危惧されています。
急増する感染者に医療資源が追いつかず、現場の医師らが治療の優先順位の判断を迫られ、回復の見込みが薄い年配者よりも若者の医療を優先する―これが、感染拡大が続くイタリアなどヨーロッパの医師が直面している「命の選択」です。
この状況に一石を投じて話題を呼んでいるのが、先程のカードです。
表面には次のように記されています。
「新型コロナウイルス感染症で人工呼吸器や人工肺などの高度治療を受けている時に機器が不足した場合には、私は若い人に高度医療を譲ります」
カードを作成した石藏氏は「ICUやECMOが足りない日本で新型コロナの重症者がさらに増えると、現場の医療従事者は『命の選択』を迫られるかもしれません。激務の医療従事者に重い精神的負担を強いるのは酷なので、『高齢者が万が一の時、高度医療を若者に譲るという意志』を示すことができる『譲カード』を作成しました」と答えています。
あくまで自分ために作ったカードでしたが、その存在を知り終末期医療のあり方や自分らしい生き方について話し合いを始めた親子や家族が、NHKで紹介されていました(5/13(木)午後17:00~17:30 NHKBS1で再放送されます)。
私たち国民は、自由に治療を選択できます。これが治療の一般原則です。ICUのベッド数が満床であるといった物理的制約がない限り、年齢や病前の身体・精神機能に関係なく、保険診療上許されるあらゆる治療を受ける権利があります。
私たちが聞くべき人の意思というのは、延命治療をしてほしいかどうかだけではなく、人生において本当に大切にしたいことは何かということです。
新型コロナウイルスで、命に関わるのではないかと恐怖や不安をあおられ、追い込まれるようにして決めてしまうのでは本末転倒です。
家族の間でも何となく話しづらさを感じるテーマですが、自分の人生や大事な人、大切にしたいことを振り返るきっかけになればいいですね。
さて、今日は母の日です。すべてのお母さんに感謝の気持ちをささげたいと思います。
いつもありがとう いつまでも元気でいてね~