月別アーカイブ: 2015年10月

色々と悩ましいですね・・・・・

来週からもう11月ですね。寒さも本格化してきますので、風邪を引かないようにご注意ください。当院でもインフルエンザの予防接種を受けられる方が増えています。皆さんは大丈夫ですか?

さて、この所「本当だろうか?」と思われる研究結果がいくつか報告されて、頭を悩ませております。

「加工肉や赤肉(脂肪の少ない肉ではなく、牛・豚・羊肉の総称)を摂取すると大腸がんになる」とか「中高年者のカルシウム多量摂取に骨折予防効果なし」など・・・・・・・・・

「肉の摂取量は分かるとして、野菜の摂取量は変わらないのだろうか?」とか「カルシウム摂取の多い人の運動量はどうなっているの?」など発表された情報だけでは解らないですね。いわゆる腑に落ちない感じです。

色々な研究結果を総合した「メタ解析」やアンケートなどの「聞き取り調査」では、本当に原因となっている因子が抜け落ちていて、あまり関係のないものが原因に見えることがあります。

表面に出てこずに、うしろで影響を及ぼしている因子(黒幕のような因子ですね。)の事を「後絡因子」と専門家は呼びます。

赤肉にしてもカルシウムにしても「後絡因子」があるような気がしてなりません。皆さんはどう思われますか?

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妊婦の飲酒一切ダメ?

何だか、夏だか秋だか分からない気候が続いていますね。

さて、米国小児科学界から『妊婦に対して「アルコールは一切飲んではいけない。たとえ少量であっても絶対にダメ」』との報告書が出されたようです。

報告書では、妊娠期間のどの段階でも妊婦のアルコール摂取は安全とみなすことが出来ず、生まれながらの障害や生後の認知問題の最大の原因であるとしています。さらに強い口調で、飲酒をしなければこうした障害は予防できるといっています。

この報告書は、米国疾病センターが2011〜2013年に実施した調査に基づいてなされたとのことです。調査結果によると妊娠3ヶ月目までに飲酒した場合(毎日1杯以上)、子供に悪い影響のある可能性は12倍と推測され、妊娠期間を通じて飲酒した場合には何と65倍に達するとの事です。

もちろん妊婦のアルコール摂取については適量であれば問題ないとの研究もあり、飲酒が出来ない事によるストレスも胎児に良い影響は与えないと思われます。

しかしこの報告書を見ると、少なくとも習慣的な飲酒は控えるに越したことはないということでしょうかね?

 

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胃腸炎と風邪が流行っています

最近朝の冷え込みと、昼の気温差が大きくなってきており、着る物の選択に難渋しますね。皆さんはどの様に調整されていますか?

さて、最近胃腸炎と風邪で来院される方が増えています。

胃腸炎は、腹部の「チクチク」とした痛みがあり、食欲が無くなる方が多いようです。胸焼けの症状や下痢などになる方もおられます。不快な症状は、整腸剤などを服用することで軽減されるようです。

一方感冒ですが、鼻の奥から胸にかけての違和感と、こもったような咳と痰が出るようです。感冒薬で症状の改善はあるのですが、完全にスッキリするまでには少し時間がかかるようですね。(鼻づまりがひどいと言われる方もおられます。)

夜間に咳の多い方は、気管支を拡張するテープ剤などで症状が緩和される方もおられます。

つらい方は一度受診されてみては如何でしょうか?

当院では、インフルエンザ予防接種の予約もしております。胃腸炎や風邪の時は予防接種をしない方が良いので、診察と同時にとはいきませんがお気軽に電話でお問い合わせ下さいね。

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ノーベル賞・・・・・理論と観察

科学分野で日本人のノーベル賞が相継いでいますね。多くの方の弛まぬ努力の結晶であることは報道で取り上げられており、ことさら付け加える事もないのですが、今回の受賞に関して違う側面から書いてみたいと思います。

今回の科学分野での二つの受賞ですが、「微生物」と「スーパーカミオカンデ(巨大検出装置)」と全く規模の異なる物なのですが、「観察の科学」として捉えると共通点があるのです。

大村先生は土の中の微生物を採取して、人類に役立つ物質を持っていないか気の遠くなるような数の「観察(実験)」を行い、ゴルフ場の土の中から寄生虫に効果のある物質を産生している細菌を見つけ出したのです。その物質を応用することにより10億人の命を救う薬を作ることが出来たのです。決して化学式を論理的に組み立てて、作り出したのではないのです。

また、ニュートリノの研究ですが、「スーパーカミオカンデ」の基となった「カミオカンデ」は論理的な計算で陽子の崩壊を確認するように設計されていたのですが、肝心な陽子の崩壊は見付けられず、これまで検出できなかった宇宙ニュートリノを観察したことで、小柴先生が2002年にノーベル賞を受賞しています。

さらに、「カミオカンデ」を改良して作った「カムランド」で原子力発電所から放射されるニュートリノを観測した結果が、今回の梶田先生の受賞に大きな役割を占めているのです。

湯川先生のノーベル賞受賞以来、日本では「論理の科学 >> 観察の科学」のイメージが強く、「観察の科学」は隅に追いやられていた感が否めませんが、今回の二つの受賞で「論理の科学 == 観察の科学」と言っても過言ではないと思います。

医学の世界では、我が国だけでなく「論理(証明)の医学 >> 観察の医学」との認識が蔓延しています。何とか科学の世界のように「観察の医学」の地位向上を成し遂げたいものです。

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ピンクの姫路城

もう10月ですね。毎年思うのですが、お盆休みが終わったらあっという間ですね。
最近、気温の変化が大きくなったせいか、風邪で来院される方が増えています。お気をつけ下さい。
(喉の風邪とお腹にくる風邪が流行っているみたいです。)

さて、いにしえの松田聖子のヒット曲に「ピンクのモーツアルト」がありますが、今回のブログは「ピンクの姫路城」の話です。

ところで姫路城といえば「白亜の城」とか「白鷺城」との別名がついており、白い漆喰が目にまぶしいのが印象的です。加えて今年は平成の大修理を終えて、天守の瓦を止めている漆喰も真新しく白さがいっそう際立っています。

そんな姫路城がピンク色になったのは、ご存じの方も多いでしょうが、昨日10月1日から始まった「乳がん月間」に合わせて、乳がんの早期発見などの大切さを啓発する「ピンクリボン運動」にちなんだ取り組みだそうです。

もちろん城をピンク色に塗ったのではなくピンク色の光でライトアップしたのですが、映画館のスクリーンのように白い大改修直後の姫路城に、ピンク色が鮮烈に映し出されているのがネットの写真でもよく解ります。

来年には漆喰の色も幾分落ち着いてくるので、今年ほどの鮮烈さは望めないだろうなぁと一抹の寂しさを感じるのは歳のせいかもしれません。

この日は、京都の清水寺や東京スカイツリーもピンク色になったそうです。これらの運動を通して、乳がんで悲しむ人が一人でも減ってもらいたいものですね。

 

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