新型コロナウイルスの後遺症

皆さま、こんにちは大阪市淀川区で「脱毛症の専門治療・下肢静脈瘤や眼瞼下垂症などの日帰り手術・美容治療」に力を入れているしんおおさかクリニックのスタッフ中尾です

先日、新型コロナウイルスの後遺症について調査を行っている厚生労働省の3つの研究班が、これまでの調査結果をそれぞれにまとめました

このうち、慶応大学の福永興壱教授らの研究班の中間報告では、新型コロナウイルスで入院した246人に、診断から半年後の症状をアンケート調査したところ、およそ8割が元の健康状態に戻ったと感じていた一方で、21%で疲労感や倦怠感が、13%で息苦しさが、11%で睡眠障害が、10%で脱毛があるなどの回答だったということです

新型コロナウイルス感染症の後遺症として髪が抜けてしまうというのは、以前より広く知られていましたが、原因の一つとして、サイトカインストームが関係しているようです。

サイトカインとは細胞から出るタンパク質のことで、細胞間の連絡や作用に関与している「情報伝達屋さん」です。現在まで30種類以上が確認されていて、それぞれが色んな場所から生まれて、色んな働きをしています。一番有名なのは、炎症性サイトカインと呼ばれるもので、細菌やウイルスが身体に入ってきたときに、炎症反応を促進させて撃退するという重要な役割を持っています。このメカニズムは、身体の監視システムによって過剰放出が起きないよう制御されていますが、この制御に狂いが生じると、過剰な活性化が起こりサイトカインストーム(免疫システムの暴走)を起こします。

このサイトカインストームにより、毛包がダメージを受け、成長期毛が急に休止期に至ってしまうと考えられています。そのため、新型コロナウイルスに感染してから1~3ヶ月後に抜け毛が増えてくる場合が多いようです。

この休止期脱毛は、新型コロナウイルスに限らず、身体に強い負担がかかった時に起こることで知られていて、産後や発熱を起こす疾患、外科手術などがきっかけとなります。

新型コロナウイルス感染症の場合も、発熱や重症度が高いほどその後に脱毛を来しやすいと報告されていますが、一過性の症状なので、新型コロナ感染症が治癒すれば3~6ヶ月で回復すると報告されています。

また、新型コロナウイルス感染症では、凝固系異常が生じやすく、その治療薬として使用される薬剤で休止期脱毛を生じやすいことも分かっています。

欧米などでは、休止期脱毛症の患者さんを診察した場合は、「過去に新型コロナウイルスに感染しなかったか」とルーティンで聞いているようです

コロナ禍で、医学会や教育公演などがWebで開催されることが多くなり、私は板見先生を始め各先生方から色々なことを教わっています

少し難しい話題ではありますが、新しい情報を皆さまと共有できたらと思います






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