たかが肩こりされど肩こり(3)

もうすぐ梅雨明けだと思うのですが、大変蒸し暑い日が続いています。これだけ湿度があると汗が蒸発せずに体温が上がり、熱中症(熱疲弊)になる方が増えてきます。また、症状が出なくても体力を奪われて、本格的な夏を乗り切ることが難しくなることもありますので、十分な睡眠を得るため、夜間など適切な温度・湿度の管理をしていただければと思います。

前回、「眼精疲労」から来る「肩こり」「頭痛」について書きましたが、今回はこの時期から増えてくる別タイプの「肩こり」について書きたいと思います。
ここまでで「ビン」と来た方もおられると思いますが、実はこの時期から使用頻度が多くなるクーラーが原因の「肩こり」があるのです。直接肩が冷やされる事により血液の流れが悪くなるだけでなく、室内と外気との温度差が大きい場合には、自律神経などの調節機能が低下して今まで潜んでいた症状が現れてくることもあるのです。
これはいわゆる「クーラー病」なのですが、胃腸の機能低下(食欲減退、便秘、下痢をしやすくなるなど、胃腸の調子が悪くなる)やだるさ( 疲労感
睡眠時間の長短は関係なく、だるさや疲労感が解消されない)といったよく知られている症状以外にも、肩こり・頭痛・腰痛・下肢痛を起こしてくる頻度は思いの外高いようです。
予防方法としては、一般にいわれているように「体を冷やしすぎない」「適度の運動をする」「体を中から温めるため温かい食べ物を摂取する」「温めのお湯でゆっくりと入浴する」などの方法があります。

今年は、節電でエアコンの設定温度を上げているので「クーラー病」になりにくいと思っていても、汗を拭かずに長時間クーラーにあたったりして体を冷やすとやはり「クーラー病」になることもあるのです。設定温度が低いため、体が冷えた感じが少ないので長時間クーラーの冷気に直接あたりたくなるものです。
「熱中症」と「クーラー病」全く反対の病気に思えるのですが、どちらも体の正常な調整機能が失われることによって起こってきます。夏ばてなどによる体力低下は、「熱中症」と「クーラー病」どちらにもなり易い状態なので、お気を付けください。






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