副作用と代償機転(2)

前回は生体の安定(ホメオスターシス:恒常性)を保つために働く「代償機転」について説明させていただきました。今回はみなさんも良く耳慣れていると思われる「副作用」について説明いたします。

「副作用」と聴くと何だか怖いもののようなイメージを持って居られる方が多いと思います。当医院でも生活習慣病や検査異常のある方に服薬開始をお勧めするとたいていの場合、「飲み始めたら一生飲まないといけないのでしょ?『副作用』が怖いし・・・・・」というような反応が返ってきます。
(以前のブログ「錯覚と生活習慣病(3):予防薬と治療薬」などをご参照ください。)


確かに薬の「副作用」で大変な目にあったとの話は枚挙に暇がありませんが、本来「副作用」という言葉自体には「悪い・怖い」という意味は含まれていないのです。「副作用」は服薬で期待される主な作用(「主作用」といいます。)以外に起こってくる作用を意味しているだけで、「良い・悪い」の区別はないのです。目立って取り上げられるのが「悪い副作用」なので、そんなイメージが定着してるのだと思います。


例えば、高血圧の時に使われる薬でアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI:エース阻害薬)には咳が出やすくなる「副作用」があるのですが、この「副作用」には高齢者の誤嚥(本来胃に送られるものが肺に入ってしまうこと)を軽減することが知られています。この様に「副作用」の良い・悪いは状況や使い方によって変わるものなのです。

「副作用」があるからといって闇雲に恐れて、本来得られるはずのメリット(利点)を無くしてしまうことは大変もったいない話なのです。「副作用」はあくまで副次的なもので、服薬に関していうと「副作用」が服薬のメリットである「主作用」より強く出るのであれば、そもそも薬にならないのです。

それにしても「副作用」には怖いイメージが強固に付きまとっていると思いませんか?次回はその辺りを書きたいと思います。

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