新興感染症の名称

最近のニュースで良く耳にする「中東呼吸器症症候群(MERS)」ですが、5月6日に出された世界保健機構(WHO)の指針からすると、良い病名ではないとのことです。

新興感染症の疾患名によって特定の国や民族などの印象が損なわれたり、経済活動に悪影響が及んだりすることを問題視しているようです。

最近はインターネット等の普及により一旦使用された病名がそのまま「事実上の標準(デファクトスタンダード)」となってしまうことが多く、後からの訂正は困難を極める状況になっているそうです。

WHOの指針によると新興感染症の病名に、「都市・国・地域・大陸の名前」「人物の名前」「動物や植物の種類」「文化・住民・産業・職業に関する物」「恐怖心を煽るもの」を使うべきではないとしています。

先ほどの「中東呼吸器症症候群(MERS)」や「鳥インフルエンザ」、「豚インフルエンザ」などは、最近の不適切な病名にあたるのでしょう。

この基準からすると、日本脳炎・スペインかぜ・コンゴ出血熱・在郷軍人病・麻痺性貝毒、等々おなじみの病気が不適切になってしまいますね。

昔らか「名は体を表す」と言いますが、急いで付けた病名に関しては必ずしもそうではないのかもしれません。

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