尿1滴からがん検出

九州大学から驚きの研究結果が発表されましたので書いてみたいと思います。

九州大学(九州大)は3月12日、線虫は尿によって高精度にがんの有無を識別することができると発表した。実用化されれば、尿1滴でさまざまな早期がんを数百円で高精度に検出できるようになる。

線虫はわずか1mmと小さな生物ですが鋭い嗅覚を持っており、尿からがん特有の臭いを嗅ぎ分けて寄っていき、正常人の尿からは逃げる行動を取ることを発見したとのことです。実験では24人のがん患者の内、23人を見分けた(嗅ぎ分けた?)のだそうです。

線虫は簡単に増やすことが出来るので、安価に検査できるだけでなく、様々ながんに反応する線虫を分別して育てることも難しくは無いのです。臨床応用にはまだまだ越えなければいけない壁は多いと思いますが、実現すれば素晴らしいと思います。

そもそも、何故この様な線虫を使う方法を思い付いたかと言えば、「4年ほど前にサバにあたった患者の治療で原因だったアニサキスという線虫が、患者の胃にできていたがん細胞に食いついていた。」からだそうです。

やはり「観察の医学」が大切なんだと、ほくそ笑んでしまいました。

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